三重県 教員による「部落差別」 その真相を追う

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By 宮部 龍彦

今年の2月29日、不動産売買契約を結んだ土地が被差別部落であることが分かったために、契約の解除を要求したことが部落差別にあたるとして、「人権が尊重される三重をつくる条例」により「説示」を行ったことを三重県が発表した。同条例は2022年5月19日に施行されたもので、今回が適用第一号ということになる。そして、蓋を開けてみると、よりによって対象者は三重県内の教職員であった。

経緯を知れば「どうしようもない事案」である。しかし、三重、部落差別とくれば、筆者の沽券をかけて真相を追うべき事案でもあろう。やはり問題の核心は、その部落とはどこなのかということだ。

2024年7月25日、教員に対して懲戒処分が行われたことが三重県教育委員会から発表されている。処分内容は減給10分の1、1ヶ月。理由は「土地の仲介業者に対して、令和5年7月7日、内容証明郵便において、被差別部落の土地は避けたい旨の意思表示を行い、被差別部落の土地かどうかに関する錯誤を理由として、不動産売買契約の取消し・解除を申し出たことによる部落差別を行いました」等としている。

発表では「A校教諭(男性34歳)、B校教諭(女性32歳)」と、比較的若い教員夫婦であることは明らかにされているが、具体的な地域や実名は伏せられている。

なお、内容証明郵便は教員夫婦の依頼により弁護士が作成したもので、東京弁護士会からは厳重注意した旨の文書が配信されるという異例な対応がされている。

また、8月7日の三重県人事委員会で「不利益処分についての審査請求の受理について」という議案が2つある。タイミング的にこれは教員夫婦によるものであり、懲戒処分としては重いものではないのに、審査請求がなされたのは、よほどの背景があるのではと推測した。

呼ぶぞ!

教育長は「市町名や勤務校名を公表すると、この土地はどこにあるのかと詮索が行われ、不当で差別的な動きに刺激を与えてしまう恐れがあります」と説明している。しかし、これは逆だろう。全てが公表されていれば詮索する余地はないが、中途半端な発表をすれば詮索する価値が生まれてしまうというものである。あるいは、今回の事案は教員の私生活に関わることなのだから行政は干渉しないこともできたはずだ。しかし、職員の懲戒ということになれば、これは公共性のある話になってくる。

三重県と言えば、本サイトが津市相生町自治会長事件伊賀市八幡町市営住宅の駐車場収益横領疑惑等の取材を重ねてきた地。それら経緯もあって、渦中の教員夫婦は伊勢市内の小学校教員であり「あの人ではないか」と地元では噂されているとの情報を得た。

取材の基本としては、何よりもまず、当事者の言い分を聞くべきである。筆者は取材したい旨の手紙を噂されている教員のもとに送付したが、返事がなかったため、直接訪れることにした。そして、インターホン越しに手紙を送ったのは自分で取材したい旨を伝えると、第一声が「呼ぶぞ!」である。

「何を呼ぶんですか?」と聞くと、「警察呼んで、警察」と誰かに話している声が聞こえる。これはとても話はできそうもないと感じたので、筆者は速やかに撤退した。

あの土地は 部落とは関係ない?

教員夫婦への取材は断念せざるを得なかったが、ひょんなことから問題の土地も伊勢市内にあることが分かった。そして、幸運にも詳細な事情を知る人に行き着くことができた。

今回の事案のあらましはこうである。

教員夫婦が伊勢市御薗町(旧御薗村)地区内の土地を買う契約をした。しかし、教員の妻に「あの土地は部落だから」と言う者がいた。それを受けて、夫の側が契約を解除したいと言い出した。

土地の所有者からしてみれば、部落などというのは根も葉もないこと。面倒な難癖をつけてくるからお断りした。なお、教員夫婦は違約金を支払った。

しかし、とばっちりを受けた不動産業者が法律に詳しい人のアドバイスを受けて、三重県に申告し、今回のことが明るみになったというのである。

つまり、今回のことは完全に教員夫婦の勘違いであり、部落差別でもなんでもなく、部落にかすりもしない。ただ、教員夫婦にも子供もいることから「部落で生まれ育つと部落民と思われて差別を受ける」という解放同盟や人権擁護局や裁判所による言説を真に受けて洗脳されてしまった、ある意味「部落差別」の犠牲者とも言える―

―しかし、本稿作成直前に分かったことであるが、これは筆者の早合点であった。

この事件にはさらなる深淵がある。本件は取材続行中である、ぜひNewsChallengerで投票して頂きたい。

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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三重県 教員による「部落差別」 その真相を追う」への11件のフィードバック

  1. 匿名

    御薗町なら長屋。松阪市の穢多寺であり善覚寺過去帳にも有る。
    #3e7d5f9013088321b3708437b79add3c

    返信
  2. .

    当該教員夫妻への処分が軽いのは、久保事件裁判や弓矢事件裁判における原告勝訴が影響しているのでしょうか?
    #d609c616a4f5cfc1479880ffabb5732a

    返信
    1. 宮部 龍彦 投稿作成者

      むしろ重いのではないかと思います。
      過去の暴言や差別発言は戒告止まりです。

      返信
  3. 匿名

    やはりケーズデンキの東南が古い地図を見るとそうだと思う。
    君は三重県をサポートしたの?
    早急に現地で確認したほうが良い。
    #3e7d5f9013088321b3708437b79add3c

    返信
  4. 匿名

    とにかく君は現地図書館や資料館に行かないね。レファレンスなんか有るのに何か図書館などに恨みが有るの?w
    #3e7d5f9013088321b3708437b79add3c

    返信
    1. 宮部 龍彦 投稿作成者

      「曲輪クエスト」とあるように、曲輪をクエストするのが目的であって、資料館クエストが主目的ではありません。
      資料を発見したらぜひ本サイトに提供して下さい。
      希望があればNewsChallengerで相応の数の投票をしてください。
      私はいろんな資料やクエスト結果を公開して、転載も許可しているのに、上から目線であれこれ言われることに辟易しています。

      返信
      1. 匿名

        なんか学者的な報告を期待しているというか、ただ揚げ足を取りたいのかややこしいですね。人のことを「君」とか、どういう立場なんでしょうね。
        私なんぞは今のスタンスが楽しくてちょうどいいですが。
        宮部さん、これからも頑張ってください。

        #35cece504377edbd0ceadfddc47b218c

        返信
  5. 匿名

    初めてコメントさせて頂きます。応援しております。
    この問題は、なにかすっきりしません。
    まず、私はその土地が部落かどうかは関心ないです。
    この夫婦がその土地を買う決心を決めたら、親戚がなんと言おうと買えば良いと思うのです。それを、親戚から部落だと言われたから断った、ということが発覚し、条例のようなものに違反した、ということです。さらに、弁護士ともあろうものが、被差別部落理由の文面を書くものだろうか。夫婦、親戚、弁護士、三重県とも、部落に振り回されていて、異常に思える。土地の所有者は、この土地の価値を高めて欲しいと思う。
    #3fbc158a82f2b12422bf8b44e7942092

    返信
  6. 匿名

    「やっぱり買うことにします」と言えば許されるのでしょうか。
    そもそも、契約前に「こういう理由でそこは買わない」と言うと叱られるのでしょうか。
    #41c973e819d6f098a6c3d83dbb3fc759

    返信
  7. 匿名

    >―しかし、本稿作成直前に分かったことであるが、これは筆者の早合点であった。
    この事件にはさらなる深淵がある。本件は取材続行中である

    大期待して待ってます!はやく取材を終えて投稿してください。

    それにしても、教員ご夫妻は土地購入に関して事前調査が不十分だったのではないか?

    昔、関西大学の大学教授の講演で「同和地区に本来同和でない人たちが住むと、同和地区に住んでいるということで、同和扱いされても仕方がない」というような話を聞いたが・・・・

    返信
    1. 匿名

      >昔、関西大学の大学教授の講演

      「の」が抜けてしまいました。
      「関西の大学の大学教授の講演」です。

      返信