幹部職員によるパワハラで交野市役所が紛糾している。11月12日、パワハラ問題に関する全員協議会の開催直前、市役所前のコンビニ前になぜか山本景市長の姿があった。目撃者によれば周辺の様子を窺うような様子だったという。重要な会議前なのに一体、何をしていたのか。それは山本氏の〝トレードマーク〟であるのぼり付き自転車と関係があった。(写真は市役所駐輪場)
わずか2回の聞き取り調査が「対応」か

参考記事。
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「ここ数年、職員の依願退職が増加しています」
こんな市職員の悲痛な声が漏れ伝わる。市幹部によるパワハラも無関係ではあるまい。11月10日、パワハラ問題についての全員協議会が開催され、山本市長、副市長、総務部長、総務課長が理事者(答弁者)として説明に立った。
傍聴者も徒労感を露わにする。「主に総務部長が発言しており、市長は大人しかった印象です。説明が二転三転し3時間超の長丁場でしたよ。市側は適正に対処したという説明に対して、内容を求めると通報者に対するわずか2回の聞き取り調査だったりとフラストレーションが溜まったのではないでしょうか」
しかし意外な変化もあったようだ。「予想通り公明党、チームみんなの交野、にじいろ対話の会といった市長派の会派メンバーはだんまりを決め込んでいました。これまで市長寄りだった共産党がパワハラ問題については追及に積極的でしたよ」(前同)
また百条委員会の設置を求める意見もあったという。実現できるのか注目したい。
次いで11月12日、この日は午前10時から再び協議会が開催された。ところが開始直前にも関わらず市役所付近のコンビニエンスストア前になぜか山本氏の姿が目撃された。重要な会議前なのにトップがなぜそこに?
交野名物 のぼり付き自転車が市の駐輪場
まずは経緯から説明しよう。2023年に市長の公用車をネットオークションにかけたことがマスコミにも好意的に取り上げられた。経費削減だとして山本氏もブログで成果を綴った。
このような理由で山本氏の通勤手段は専ら自転車。「ほんまに本人やで」と印字されたのぼりを立てている。のぼり付き自転車は相棒でトレードマークだ。市議時代から市内を巡回して高齢の有権者からの人気を集めた。スポーツの町、交野で市長自ら自転車通勤とはご立派なこと。しかし問題はそのスタイルだ。
〝相棒〟ののぼり付き自転車は市庁舎内の駐輪場に置かれている。時にはかごに自身のポスターが置かれたまま。早い話が即席の広報板だ。事実上、市庁舎内での選挙活動との批判が起きても仕方がない。




疑問に思う市民も少なくないがゆえ、目撃情報が筆者の元にも寄せられてきた。交野市庁舎管理規則を市長自らが違反しているとの指摘だ。ここで同則6条を確認する。
第6条 庁舎において、次の各号に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ、市長の許可を受けなければならない。ただし、市長の求めに応じて実施する行為その他市長が許可を要しないと認める行為については、この限りでない。
6条5項には「旗、のぼり、幕、プラカードその他これに類するもの、拡声器、宣伝車等を所持し、又は持ち込む行為」にはのぼり、プラカードの所持、持ち込みを禁じている。
11月12日、この日は10時からパワハラ問題についての全体協議会。同日も山本氏はのぼり付き自転車で登庁との目撃情報が寄せられた。そこで同日9時30分頃、のぼり付き自転車は6条5項違反ではないかと総務課に指摘すると「どのように対応していくのか内部で協議します」との回答を得た。
同条には「市長が許可を要しないと認める行為については、この限りでない」との補足があるが、まさか市長だから自身の宣伝行為が許されるわけでもないだろう。
そして6条5項違反との指摘はすぐ山本氏にも報告されたようだ。なにしろ直情型の山本氏が黙っているはずもない。
「9時40分頃に山本市長が突然、市役所から飛び出してきました。駐輪場周辺を見渡した後に付近のコンビニエンスストア前で様子を伺っていましたよ。10時から協議会なのに何をやっているのでしょうね」(情報提供者)
共産党が与党の自治体から交野市を外した!
のぼり付き自転車に対して疑問の声は少なからずあったが、これまで黙認されてきた。一つには議会で優位にあることだ。市長派の会派(共産党、公明党、チームみんなの交野、にじいろ対話の会)が市議会の多数派だ。山本氏の政治家キャリアは維新からスタートしたが現在はリベラル系政党の協力を得ている。
山本氏が地元の大手、野村工務店の野村健二社長から政治献金を受けていることについてシンパの市議たちはどう感じているのだろうか。中でも共産党、また安部敬子市議はれいわ新選組に近い。両党ともに企業・団体献金に反対している。
確かに野村工務店の場合、個人献金という反論ができるだろう。しかし同社は大型の公共事業を受注している。そのような会社の代表者からの献金が「個人」で済むのか。立場を変えて仮に経団連会長が個人で献金したとして「個人献金」で納得する手合でもなかろう。
特に共産党の場合、Webサイト「日本共産党が与党の自治体」に「交野市 山本景 支援」と記載がある。このことは第一弾目の記事(10月13日)でも指摘した。
両党、市議らに質問したが回答があったのは日本共産党のみ。
「交野市は党ホームページでも、与党の自治体としていません」(日本共産党広報部)
現在でも「交野市 山本景 支援」と掲載されているが不思議だ。どうやら更新されていないページも残っているようでパワハラ報道以降、最新版では削除されていた。


山本氏が市長に当選した要因は市民がまだ日本維新の会所属の候補であると勘違いしていたこと、また共産党の自主支援も大きい。ホームページから名が消えた以上、当の共産党から匙を投げられたことになる。共産党が追及側に回ったとなるとこれまでのような議会運営とはいかないだろう。
それで本稿の顛末だが、外部から指摘を受けた以上、山本氏はのぼり付き自転車を控えると思った。だが昨日13日も市の駐輪場には何事もなかったかのように相棒号の姿が…。聞く耳持たぬということか。どうやら交野市役所にはのぼりやプラカードなどを持ち込んでも容認されるようだ。




