【新潟】新潟県教育委員会を 提訴しました

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By 宮部 龍彦

部落解放同盟新潟県連合会による、新潟県立荒川高校に対する糾弾会に関連する文書の公開を、新潟県教育委員会が昨年の8月から執行停止(保留)したままにしていることについて、執行(文書の公開)をするように求めて筆者は新潟地方裁判所に提訴した。

1月20日に、訴状を新潟地裁に、そのコピーを新潟県教育委員会に発送したので、本日中には到着している見込みである。

2018年6月に新潟県立荒川高校の生徒が自殺したことを巡って、2023年2月3日に、部落解放同盟新潟県連合会が同校に対する「確認会」が行われていた。部落解放同盟による「差別糾弾」とは「確認→糾弾→学習」という手順が定式化されており、つまり「確認会」は「糾弾会」の第1段階ということである。

生徒の自殺については、学校名は公式には発表されておらず、ましてや「被差別部落出身」ということは知られてないだけでなく自殺の背景とは無関係であるにも関わらず、部落解放同盟に対してそのような情報がやり取りされていることが分かっている。また、今回の同様の生徒の個人情報が解放同盟に漏洩し、その情報を使って解放同盟が新潟県下の公立学校を糾弾してきた疑いが強まった。

そのため筆者は昨年の2月7日に「令和5年2月3日の部落解放同盟新潟県連合会と新潟県立高校との確認会に係る全ての文書」「令和2年以降の、部落解放同盟新潟県連合会と新潟県立高校との会議に係る全ての文書」を新潟県教育委員会に情報公開請求した。

文書の公開決定は何度も延期され、5ヶ月以上経過した同年7月21に、ようやく部分公開の決定通知書が筆者に送られた。

しかし、同年8月4日に情報公開の執行を停止するとの通知が筆者に届いた。第三者から情報公開に対する審査請求がされ、それに伴う執行停止の申し立てがあったからだという。

筆者は審査請求への参加を申し立てたが、5ヶ月以上経過した今になっても放置されている状態である。

詳細な経緯は「この学校にいる 同和地区出身者は 何人だ!」解放同盟と 新潟県教育の 異常な関係【新潟】情報公開請求が 土壇場で執行停止 なぜ新潟の公務員は 同和に怯えるのかを、ぜひお読みいただきたい。

様々な情報公開請求を経験した筆者でも、これだけ引き伸ばされるのは初めてであり、あからさまな時間稼ぎに思えたため、1月15日に新潟県教委に、1月19日までに執行がなければ提訴する旨を電話で通告した。1月19日に執行停止を申し立てたのは部落解放同盟、審査請求への参加は認める方向との連絡を受けたが、執行はされないということだったため、提訴に至った。

なお、裁判では形式的には「新潟県」が被告ということになり、原告である筆者は新潟県教育委員会による情報の部分公開の執行停止を取り消すことを求めるということになる。

訴状の内容を以下に掲載する。

訴状

令和6年1月19日

新潟地方裁判所 御中

原告  宮部 龍彦

被告  新潟県

被告代表者兼処分行政庁  新潟県教育委員会

請求の趣旨

  1.  新潟県教育委員会が令和5年8月4日に原告に対してした、令和5年7月21日付け教高第711号の部分公開決定処分に係る執行の停止処分を取り消せ。
  2.  訴訟費用は被告の負担とする。

との判決を求める。

請求の原因

第1 本件の概要
 原告は、主に部落問題や人権問題などを扱うウェブメディアを運営しており、その過程で、新潟県立荒川高校に対する部落解放同盟新潟県連合会による確認会が行われたことを知った(甲10)。また、調査したところ、新潟県下の公立学校において、いわゆる同和地区出身の児童生徒の個人情報ないしはプライバシーに係る情報が部落解放同盟新潟県連合会に提供されている疑いが強くなった(甲11, 甲12)。
 そのため、事実確認と、全体像を知るために、原告が処分行政庁に対する情報公開請求をしたところ、部分公開決定処分がされたものの、執行前に部落解放同盟新潟県連合会よる審査請求がされ、それを受けて処分行政庁が文書の部分公開の執行を停止したものである。
 以降、新潟県教育委員会が令和5年8月4日に原告に対してした、令和5年7月21日付け教高第711号の部分公開決定処分に係る執行の停止処分を「本件処分」、新潟県教育委員会がした令和5年7月21日付け教高第711号の部分公開決定処分を「本件原処分」という。

第2 事実経過
 本件に係る事実経過は次のとおりである。

  1.  原告は、「令和5年2月3日の部落解放同盟新潟県連合会と新潟県立高校との確認会に係る全ての文書」「令和2年以降の、部落解放同盟新潟県連合会と新潟県立高校との会議に係る全ての文書」の公開を請求する、行政文書公開請求書(甲1)を、令和5年2月7日に電子申請により処分行政庁に提出した(以降「本件公開請求」という)。
  2.  処分行政庁は、原告に対して、本件公開請求を令和5年4月7日まで延長する、決定期間延長通知書を令和5年2月21日付で送付し(甲2)、原告は同年2月27日に受領した。
  3.  処分行政庁は、原告に対して、本件公開請求をさらに令和5年7月7日まで延長する、決定期間特例延長通知書を令和5年4月7日付で送付し(甲3)、原告は同年4月13日に受領した。
  4.  処分行政庁は、原告に対して、本件公開請求をさらに令和5年7月21日まで延長する、決定期間特例延長通知書を令和5年7月7日付で送付し(甲4)、原告は同年7月12日に受領した。
  5.  処分行政庁は、原告に対して、令和5年8月7日に行政文書の部分公開を郵送により執行する旨の、行政文書部分公開決定通知書を令和5年7月21日付で送付し(甲5)、原告は同年7月22日受領した。
  6.  原告は、令和5年7月21日付行政文書部分公開決定通知書の「公開しない部分及び理由」に記載された「別紙」が添付されていない旨を処分行政庁に電話で連絡した。
  7.  処分行政庁は、原告に対し、別紙「公開する資料一覧、公開しない部分及びその理由等」(甲6)という文書を令和5年7月24日付で送付し、原告は同年7月25日に受領した。
  8.  処分行政庁は、原告に対して、第三者(部落解放同盟新潟県連合会)から令和5年7月31日付けで本件原処分に係る審査請求があったことから、本件原処分に係る執行を停止したことを令和5年8月4日付で通知し(甲7)、原告は同年8月5日に受領した。
  9.  原告は、本件原処分に係る審査請求について、参加人参加許可申請書(甲8)を令和5年8月15日に処分行政庁に送付した。なお、甲8の宛先が新潟県知事となっているが、甲5に記載された教示の審査請求の対象が新潟県知事とされていたためで、後に処分行政庁によって新潟県教育委員会に補正されている。
  10. 原告は、令和5年8月15日に、本件原処分に係る審査請求書(甲9)を処分行政庁に提出した。

第3 本件処分の処分性
 本件原処分の執行停止である本件処分は、行訴法3条2項の取消訴訟の対象となる行政処分に当たる。理由は次のとおりである。

  1.  平成28年11月29日判決 東京地方裁判所 平成27(行ウ)410 執行停止不開始決定取消請求事件(裁判所ウェブサイト 行政事件裁判例集掲載)によれば、行政不服審査法34条2項(平成26年法律第68号による改正前のもの)に基づく執行停止をしない旨の行政庁の決定が、取消訴訟の対象となる行政処分に当たると判断された。
     そこから類推すると、執行停止をする旨の行政庁の決定も行政処分に当たる。
  2.  行政処分とは公権力の主体たる国又は公共団体が公権力の行使として行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものであることを要するものと解される(最高裁昭和28年(オ)第1362号同30年2月24日第一小法廷判決・民集9巻2号217頁,最高裁昭和37年(オ)第296号同39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁等参照)ところ、本件処分により原告は現に本件原処分の執行を受ける権利を妨げられている。
  3.  本件処分は行審法25条2項を根拠としており(甲7)、その条文は「処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てにより又は職権で、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止その他の措置(以下「執行停止」という。)をとることができる。」というものである。
     一方、同条6項は「第二項から第四項までの場合において、処分の効力の停止は、処分の効力の停止以外の措置によって目的を達することができるときは、することができない。」としている。
     つまり、行審法25条2項は行政庁に無制限で執行停止の権限を認めているものではなく、「処分の効力の停止以外の措置によって目的を達することができ」ないときに限って認めているものである。
     そのため、執行停止以外の措置によって目的を達することができる場合、またそもそも執行停止の必要がない場合、本件処分は違法となる。その点につき、原告は裁判所に判断を求める権利がある。

第4 本件処分の違法性
 本件処分は不必要なものであり、行審法25条6項に反する違法なものである。また、処分行政庁の権利の濫用である。理由は次のとおりである。

  1. 「第1事実経過」と証拠から示した通り、処分行政庁に対して原告が情報公開請求してから、本件原処分をなすまで処分行政庁は実に5ヶ月以上の検討をしている。本件原処分は、その上で、新潟県情報公開条例による公開から除外される情報をマスキングした上で公開するものである。原告は、少なくとも現時点で個人が特定されるような情報等の公開は求めておらず、本件原処分は処分行政庁により慎重な準備がなされた上で適法になされたものであり、そもそも執行停止をする理由がない。
  2.  新潟県情報公開条例による公開から除外されるか、そうでないか争いのある部分をさらにマスキングして公開する方法もあり、全面的な執行停止は過剰である。
  3.  本件処分から既に5ヶ月以上が経過しており、執行停止の期間が不当に長くなっている。行訴法8条2項1号によれば、審査請求があつた日から3ヶ月を経過しても裁決がないときに、本件原処分に対する取消訴訟が提起できるものであるが、実質的に本件原処分の詳細な内容が分からない状態が続いているため、原告の権利が妨げられている。行審法25条2項による執行停止は、審査請求のために一時的な措置としてなされるためのものであり、これほど長きにわたって執行停止されることは、行政処分庁による権利の濫用である。
  4.  本件処分は部落解放同盟新潟県連合会の請求によるものであり、同団体による違法ないしは不当な行為を隠したい意図があることが明らかであり、執行停止に公益性は認められない。

第5 まとめ

 以上の通り、本件処分は違法なものであるから、取り消されなければならない。

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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【新潟】新潟県教育委員会を 提訴しました」への6件のフィードバック

    1. 匿名

      匿名 2024年1月25日 7:37 AM
      公開質問状w送ってきた人かな

      示現舎の投稿かな・識別番号もないし。

      答え;;まったく関係なし。同和団体とも全く関係なし。
          下味野に訪問したくない理由でもあるのですか?
          なんか、訪問しても適当にお茶を濁して終わりにしようとしてるかなWw

      #21a5061a85de1d7c7448162df1e94b0c

      返信
  1. ピンバック: 【新潟県立高校 糾弾文書】3月21日に 新潟地裁で口頭弁論 - 示現舎

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