神ってる「森友学園」問題は
ナニワの豊洲だった!?(前編)

三品 純 By 三品 純

神道を基本理念に幼稚園や保育園を運営する文字通り”神ってる”「学校法人森友学園」(大阪市淀川区)が4月に開校予定の「瑞穂の國記念小學院」(大阪府豊中市野田/以下、小學院)の用地払下げ問題は、混迷を極めている。小學院の用地は、財務省の鑑定額より8億円安い1億3400万円で売却されたとして国会、メディアが追及中だ。

また同校の名誉校長に安倍昭恵首相夫人が浮上したこと、教育方針が「礼節を尊び、愛国心と誇りを育てる」と非常に保守的であることも火に油を注いでいる。野党、メディアは、払い下げ問題以上に、この2点で攻勢を強める印象だ。要するに教育の場に保守主義、伝統主義、復古主義は“ケシカラン”というわけだ。しかし彼らは、朝鮮学校への無償化適用問題が起きた際は「教育の自由」を根拠に無償化適用を説いた。ならば森友学園が神道を教育理念にしているのも「教育の自由」という言い分も成り立つだろう。こうした批判は問題の表層どころか入口ですらない。森友学園の払い下げ問題は、右だ左だの単なる“ポジショントーク”だけでは語れない闇が潜んでいるのだ。

「キーーン」と激しい爆音が鳴り響く。大阪国際空港(伊丹空港)から飛び立つ旅客機の騒音だ。現在、工事が進む小學院の上空を飛行機が飛んでいく。この地は、まさに飛行機の通り道なのだ。周辺で聞き込みをしていると飛行機の騒音で全く会話ができなくなるほど。また敷地の隣は、名神高速道路が走る。学校の環境としては、明らかに不向きにも思える。近隣住民によると、もともとこの一帯は、湿地帯だったという。ところが昭和40年頃から文化住宅が立ち並び、小學院とその正面にある「野田中央公園」は、“スラム街”だった。そうなると同和地区を連想する向きもあるだろうが、豊中市内の同和事業指定地区は、蛍池と岡町の2か所。野田は、急激な人口増加に伴って形成したスラム街だったと推定できる。

70年代末から99年までの航空地図を見ると、名神高速道路の脇に密集した住宅街が見える。年代別に航空写真を見ていくと、徐々にスラムが減少していくのが分かる。これは、国が空港整備下で住民たちに立ち退き交渉を行ったためだ。豊中市によると野田周辺の住宅密集地の改善が決まったのは、1994年。そして翌年の阪神淡路大震災を契機に防災の観点からスラム解消がより強く求められ、1996年に整備事業が開始された。2000年には、小學院前の道路が完成し、2013年に防災機能を備え避難場所として活用できる野田中央公園がオープンした。

ところが周囲の環境は、改善されていったものの、小學院の土地だけは、長年、空き地という状態が続いていた。整備事業に詳しい庄内地区(小學院周辺)の事情通は、こう説明する。

「学校の土地を掘り起こした時に無数の重機が敷地に入って行った。土地からは、コンクリートの瓦礫が大量に出てきた。報道では“ゴミ”と言っていたがあれはどう見ても“産業廃棄物”や。大阪の豊洲問題といってええんと違うか」

豊洲とはいささかオーバーとは思ったが、後にその理由が判明することになる。さて出土物は、大量だったというが、「最初に瓦礫撤去を請け負った業者が手に負えなくなってケツを割ってもうた」(同前)という証言も興味深い。

ではこの瓦礫は、どこから由来したものか? もしスラムの整備事業で廃棄されたものだとしても「木造のスラム住宅から大きなコンクリート片が出るはずがない」(同)というのもうなずける。つまり小學院の土地は不法投棄場にされていた可能性があるのだ。これを国も把握しており、民間企業も“いわくつき”を察知してか長年、引き取り手がつかなかったというのならば整合性がつく。

土地から鉛と砒素が検出された!

つまり安く払い下げたというよりも、国は廃棄物が埋まっているという弱みがあったためむしろ評価額より安くても“お買い上げ頂いて一安心”ということもありえる。それでなくても上空に飛行機が飛び、隣には高速道路が走る土地だ。報じられるほどの価値があるのか判断は難しい。

こうした背景を考えると払い下げ問題は、いくつかのシナリオが考えられる。例えば国は、事情を把握しており、評価額より低くても買い手を探していた、そこで森友学園側が手を挙げた。ただ“ワケあり”ということを知って安く購入できた。あるいは両者をつなげた有力な”仲介者”の存在も否定できない。さらに同地に関する不可解な資料を入手した。

実は、小學院の土地は2013年4月26日に「形質変更時要届出区域」に指定されていた。土壌から基準値以上の鉛と砒素ひそが検出されていたのだ。なるほど取材した事情通たちが「大阪の豊洲」と繰り返したのは、こういう理由かもしれない。数値を見れば”ただちに危険が及ぶレベル”とは、言えない。また「形質変更時要届出区域」と指定されても、健康被害の恐れはなく、浄化義務もない。しかし人体へのリスクはないとは言え、保護者の立場に立てば、歓迎できる情報でもないだろう。そして2015年10月26日に指定解除になるが、汚染処理事業の事業主は、森友学園だ。国は土壌汚染を把握した上で払い下げたのか。あるいは、土地を安く払い下げたのは土壌汚染処理費用の差額分を”相殺”したという可能性も否定できない。いずれにしても森友学園と国の関係は不可解だ。

こうした様々な疑問をよそに現在、小學院の完成はもう間近。しかし空港の騒音闘争にも関わった経験を持つ地元住民はこう嘆く。

「政治家も視察に訪れたが金の流れや教育方針の問題を批判しても、こんな土地で子供を勉強させてはいけないと指摘した人はいなかった…」
(次回に続く)

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ナニワの豊洲だった!?(前編)
」への3件のフィードバック

  1. 家庭内ルペン

    小林よしのりの「ゴー宣道場」によると、この土地はいったん新関空会社に払い下げられたのに、契約を取り消して、タダ同然の仕組みを作って学園に売られたようです。

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  2. 匿名

    似たような話なら、同和がらみ、朝鮮総連がらみ、安倍を批判している左翼マスコミがらみでも、いっぱいあるんじゃないの?

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  3. Kunkun

    噂では学園は市より高値で買わされたらしいです。
    以下は噂です。

    野田中央公園の用地取得契約金額は 14億2,386万3,000円
    住宅市街地総合整備事業の国庫補助金は 7億1,193万円
    地域活性化・公共投資臨時交付金は 6億9,069万円
    補助金合計合計 14億262万円
    差し引き、豊中市の実質の購入価格は 2,124万3,000円

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