旧民主、れいわブレインが語る政局最前線

三品純 By 三品純

2閣僚の辞任、消費税率の引き上げ、そして「桜を見る会」問題で野党が攻勢を強めている。とは言え声高けれど、一強多弱の構造は変わらず政権を揺るがすほどの風になっていない。この通りの政治状況にあって、立憲民主党・枝野代表らによる旧民主勢力合流の呼びかけ、小沢一郎氏による新党構想も囁かれ始めた。その一方でれいわ新選組人気も侮れない。そこで旧民主党、またれいわ新選組・山本太郎代表の“ブレイン ”と言われる斎藤まさし氏を直撃し、野党勢力の現状、そして未来像を予想してもらった。

今年最も勢いがあった政党は間違いなくれいわ新選組だ。今年7月の参院選比例区(特定枠)で舩後靖彦、木村英子両氏が当選。重度障害者でもある両氏の当選は国会のあり方に一石を投じた。また同党の「消費税廃止」という主張もその他野党に影響を与えている。では野党、そして支持者たちが一枚岩になれるのかと言えばそうでもない。SNS上を騒然とさせた立憲民主党・石垣のりこ参議院議員のこのツイートは野党やリベラル、左翼の「今様」を物語っている気がしてならない。

馬淵澄夫さん山本太郎さん主催の消費税減税研究会。初回の講師は、嘉悦大学・高橋洋一教授とのこと。これから始まるという時に大変残念ですが、当初言明したように私は、レイシズムとファシズムには一切加担しません。よって、レイシズムとファシズムに加担するような人物を講師に呼ぶ研究会には参加できません。— 石垣のりこ (@norinotes) 2019年11月28日

高橋氏は保守系メディアへの出演、寄稿などいわゆる保守派の評論家、論客だ。元財務官僚でもちろん経済、金融の知見がある。ただ何をもって「レイシズムとファシズムに加担」なのかよく分からない。むしろそう思うならば、高橋氏を説得して野党側に引き込む努力をすべきではないか。そもそも対話なしに相手をレイシズム、ファシズムと断じる態度こそがむしろとても“ファッショ ”だ。要は政治活動のサークル化というものだろう。難解な経済問題、本格的な政権構想、こんなことを議論するよりも、自分と“お仲間 ”の間で政敵を罵倒している方がよほど楽なのだ。

SNSを見るとどうも石垣氏に同調する声が多かったように見えた。是々非々という考えはないものか。もし石垣氏に意見しようものならば、逆にその人がレイシスト、ファシズムの烙印を押されかねない。ここに彼らリベラル陣営に蔓延する「関わること自体が差別」というロジックがある。

例えば北朝鮮問題について日本の左派は「対話による解決」を訴える。では実生活で彼らが対話をする素養があると思えない。上記の通り、主義主張の異なる相手に対しては「ファシスト」認定だ。もちろん著者自身、身を持って知ることも多い。

示現舎に応じたら除名される?

例えばこの記事によって起きたことは最たるもの。解放同盟岐阜県連の委員長職が特定企業に引き継がれた点を疑問視し、委員長(当時)にコメントを求めた。ところがなんと示現舎の取材に応じたという理由で同氏は除名されてしまった。 「関わること自体が差別」 の実例だ。高橋氏の勉強会にも通じるところがある。今後、野党勢力の結集、野党連合と言うならばなおさらダイナミックな動きが必要のはず。ところが寸分でも価値観が異なる相手とは協力できないというわけだ。今、彼らを結びつけるのは「打倒安倍政権」だが、その敵がなくなった場合、彼らの拠り所はどこにあるのか? 

民主勢力再合流のネックになるのは…

その点、今回話を聞いた市民の会代表、斎藤まさし氏は左派の中にあって異色の存在だ。菅直人元首相ら旧民主党議員と交流を持ち、民主党政権のグランドデザインを描いたとされる。旧民主党の知恵袋、ブレインといった存在だ。そして現在はれいわ新選組、山本太郎氏にも影響を与えている。このため各種メディアで取り上げられる機会も多い。北朝鮮人脈、セクト人脈にも通じるが、その一方で日本文化チャンネル桜「SakuraSoTV」で水島総氏と対談するなど活動は広い。もっとも「関わること自体が差別」派の面々にはこうした対談も許せないのだろうが…。やはりSNS上では、斎藤氏への批判意見が少なくなかった。

斎藤氏が重視するのはズバリ消費税廃止だ。国民民主党、共産党など野党議員、また左派文化人、支持者にとって「消費税廃止」は合言葉のようになっている。先月15日に衆議院第二会館で開催された「いま消費税を問う」 というシンポジウムに斎藤氏も登壇。「どうやったら野党がまとまるか。消費税こそが経済成長をとめた原因だ。有権者にも働きかけ野党も与党も乗ってくる運動をやっていく」。こう訴えた。とてもエネルギッシュな斎藤氏には様々な人が集まってくる。最近、メディアでの活躍はすごいですね? こんな風に声をかけてみた。

「あはは、知り合いが気を遣ってくれてるだけ。たいしたことはないですよ」

と余裕の笑みだ。野党議員や一般の市民活動家にありがちな「狭量」を感じさせない。斎藤氏はこう現状を分析した。

新宿駅南口の枝野代表の演説は話題になった。結党当時の支持も勢いも無くなった?

「国民民主党でも慎重論があったけど、5%減税を理解してくれたよ。またれいわ新選組の支持率も上昇している。なるべく早いうちに総選挙があればさらに躍進できますよ。消費税廃止、減税も併せて来年の夏ぐらいまでが勝負かもしれないね」

新党構想については現実味はあるのだろうか。「小沢(一郎)さんも年内に新党結成を視野に入れています。小沢さんの新党構想は本気ですよ。あれほど対立した立憲の枝野さんとも会談したしね。ところが枝野さんとれいわ新選組に距離があるからここの関係は難しいが、野党連合のトップは山本太郎が相応しいと思う。 もちろん誰でも入れるでは民主党の『縮小再生産』になるから、どういう顔ぶれにするのかが重要だね 」

政党支持率を見てみよう。NHKの「政治意識月例調査 2019年」の変遷を見ると興味深い事実が浮かび上がる。9月の立憲民主党の支持率が7・2%、れいわ新選組が0・6%だったのに対して、11月(10月はなし)が立民6・3%、12月が5・5%まで落ち込んだ。れいわは11月に1・2%と伸び、12月が0・6%と伸び悩みはあるものの、立民の支持がれいわ新選組に移ったのは明白だ。立民が国民民主党との再合流を目指すのもこうした危機感があるかもしれない。

立憲の支持がれいわに移っているのがよく分かる。

「無論、ただ集めただけではダメですよ。特に野田(佳彦元首相)さんの扱いはどうなるのか、だね。消費増税を決めたのも野田さんだし合流となると反発が起きるのは間違いない。それに新党となれば当然、小沢さんが中心になってくるでしょ。野田さんが小沢さんに頭を下げられるのかどうか」

野田氏と言えば首相在任時、「消費増税法案に命をかける」とまで言った。となると消費減税を掲げる野党勢力とは相容れない。またかつて反目した小沢氏との関係修復という問題もある。一部メディア、支持者から再合流、野党連合を望む声が強いのも確かだ。しかし前述した通り「関わること自体が差別」に囚われる支持者たちも少なくなく、ウイングを広げ幅広い分野に人材や協力者を求めた時に「反発」を招く可能性もある。加えて旧民主党時代の火種もくすぶっている。再合流といっても斎藤氏が指摘する民主党の「縮小再生産」では意味がない。野党連合、新党構想と賑やかではあるが、そのハードルは想像以上に高い。

旧民主、れいわブレインが語る政局最前線」への2件のフィードバック

  1. アバター遠州屋

    個人的な感想ですが、山本太郎の辻説法は聞いていてつまらなかったです。語り手と聴衆が混然一体とした”熱い”ものは感じましたが、何が言いたいのか分かりませんでした。

    返信
    1. 三品純三品純 投稿作成者

      自分もそう思います。
      それが左翼ポピュリズムというものでしょうね。
      トランプやジョンソン首相は敵を作って人気を集める
      というけど山本さんも構図としては何一つ変わっていません。

      ただ週刊金曜日や創出版みたいな罵倒芸ではなくて
      彼は話術があるからロジックがあるように聞こえます。

      返信

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