激震!〝ドロ沼三角関係&不倫〟岸和田前市長が官製談合防止法違反で逮捕 市営競輪場の入札絡みか⁉

カテゴリー: 地方, 政治 | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

昨年、女性問題が発覚し2度の不信任案を経て、4月の出直し選挙で落選した岸和田市・永野耕平前市長にまた衝撃ニュースだ。9月4日、大阪地検特捜部は官製談合防止法違反の容疑で永野氏を逮捕した。クリーンな市政を掲げ2018年、市長に就任したが「女性問題」「談合」、古い政治家像を体現したかのようだ。逮捕に至る内幕をレポートする。

後輩府議と不倫相手のドロ沼三角関係

市長選でまかれた反永野ビラ。

【岸和田市】永野市長‐前田府議‐女性秘書 マスコミがナゼか書かない「ドロ沼三角関係&不倫」

永野氏が市長に立候補したきっかけは奇しくも前任者の不正だ。2017年、選挙の公認をめぐって信貴芳則元市長が自民党関係者に現金を渡したことが発覚。自民政治に不信が募る中、日本維新の会公認の永野氏は39歳の若さで2018年の市長選に当選した。

同市長選では「クリーンな市政で岸和田の誇りを取り戻す」と訴え行財政改革に意欲をみせた。だが一連の不祥事はクリーン、改革派という期待を裏切るものだ。

しかも女性問題と言っても内容は壮絶だ。性行為を強要したとしてX嬢から提訴され500万円の和解金を支払ったのだが、X嬢の交際相手というのが盟友でありかつては家族ぐるみで親交があった前田将臣大阪府議。前田府議は永野一族が経営する児童養護施設に入所した過去がある。

永野氏の父、孝男氏が理事長を務める「社会福祉法人阪南福祉事業会」の評議員は前田府議も名を連ねた。永野氏にとって前田氏は肉親同然。そんな両者がX嬢をめぐる三角関係で不倫という関係図だった。

昨年、永野&前田両氏を取材したところある告発文を入手したが、それは前田府議の不倫や素行を糾弾したものだった。永野氏周辺から拡散されたとみる他ない。

前田府議も既婚者だった。

前田府議は永野夫妻からの借金があり、支払い方法をめぐり関係が悪化。500万円の和解金は前田府議の〝逆回収〟だったとも囁かれた。

自身の女性問題をめぐり市長在職中の昨年12月24日、前代未聞の夫人同伴の記者会見に臨んだ。これも世間を仰天させたのは言うまでもない。

当時は紛糾し社会的にも関心を集めたが、失職により永野氏は過去の人。だがまさかの官製談合防止法違反により、再び永野氏が衆目を集めることになった。一寸先は闇。政界恐るべしである。

公共事業不正のトレンドはプロポーザル方式

逮捕された容疑は永野氏が市長在任中の2021年5月に予定されていた工事の入札に関し、落札した会社に最低制限価格を漏らしたことだ。公共事業の検証に関わってきた在阪の市民オンブズマンですらこう驚く。

「昭和じゃあるまいし今時、市長自ら入札情報を漏らすとは大胆すぎる。おおかた市職員が忖度して分割発注で随意契約(50万円以下の公共事業)にしたり狡猾に調整するものだけどね」

また公共入札の表も裏にも通じる土木建設業者も「特定業者を優遇するにしてもやり方が稚拙」と同調する。

「今、公共入札で最も不正の温床になっているのが公募型プロポーザル入札方式です」(同)

この方式は行政や自治体が公共事業を行う際、複数の民間事業者から企画提案(プロポーザル)を公募し、その内容を比較・審査して最適な提案者を選定する方法だ。近年、プロポーザル方式を採用する行政、自治体も増加している一方、官製談合防止法違反で摘発されるケースも少なくない。

本来は「特定業者への依存や随意契約を避け、公平性・透明性が高まる」というメリットがあるというのだが、実態は異なるという。

「例えばの話ですが公募の条件を〝全国で3カ所以上の拠点を持つこと〟〝従業員が100人以上〟〝他県での事業実績がある〟など高いハードルを課すのです。東京や大阪ならまだしも地方にはそれほど大きな規模の会社はありません。すると必然的に事業者が絞られてくるでしょう。選定、審査してると見せかけて実は最初から特定の業者を指名する。それがプロポーザル方式の闇です」(同前)

公共事業の入札が厳格になったこのご時世、特定業者を優遇するにしても〝裏ワザ〟がある。しかし永野氏の場合、自ら情報を漏らすという古典的な手口だったということか。裏返せば永野氏が情報漏洩した業者と関係がそれだけ「密」ということだろう。

地元業者との癒着は多選を重ねた高齢の首長ならさもありなんという話。しかし当事者は改革を訴えてきた日本維新の会公認の青年首長だけに有権者の失望を大きいはずだ。

すでに離党したとはいえ日本維新の会が無関係とはいかない。永野氏逮捕を受けて日本維新の会は4日、同氏を除名処分にすると発表。しかしすでに昨年12月に永野氏に対して離党勧告処分が行われ、自ら離党を選んだ。手続き上、遡及して除名処分が可能なのか疑問である。可否よりも「除名」と言う他ないのが本音かもしれない。それだけ党のイメージダウンを恐れているのだろう。

事件のカギを握るのは2021年新庁舎問題

では一体、永野氏の身辺で何が起きたのか。現在、報道各社が永野氏周辺を追う。「こちらにも報道関係の方から問い合わせがありました。対応に苦慮しているところです…」(前田府議事務所)。対立する前田府議にも取材陣が殺到しているようだ。

マスコミ報道をみても漏洩先の事業者名などは公表されておらず、判明しているのは2021年5月の公共事業というだけだ。

しかし岸和田市の地元事業者によれば「現場を知る者からすればミエミエの事件。もとは2021年の新庁舎工事が発端ですよ」と明かす。それにはまず経緯を説明しておかなければならない。

当時、岸和田市は新庁舎工事を進めており、2020年に市は先述した公募型プロポーザル方式で公告した。設計担当の一社は今や行政機関、自治体の御用設計士と化した〝木の商人〟隈研吾建築都市設計事務所、そして建設は大手ゼネコン、地元建設会社の共同企業体(JV、ジョイントベンチャー)で市は工事請負契約を結ぶ予定だった。

ところが事前に業者が選定委員会の委員に接触。このことが実施要項の規定に反したとされ議会が工事請負契約の議案を否決。現在も選定作業は続いている。

実は共同企業体の構成企業の一社、Y社は永野氏と懇意にしてきた事業者だ。

「永野氏は児童施設など複数の社会福祉法人を運営しています。Y社は永野氏の施設などの建設、修繕などを請け負ってきました。そういう経緯から新庁舎工事も参加したとしか思えませんね」(前出事業者)

永野氏と懇意にするY社。市長と業者の関係を示す判定方法がある。

「コロナ禍でマスク寄贈をしていた業者はたいがい市長とズブズブなんや」とは先の市民オンブズマン。なるほど確かに筆者が取材していた自治体でもそうだ。確認してみるとY社もマスク寄贈で永野氏から感謝状が渡された。

そのY社が約120億円という大型事業の新庁舎工事に参加するというわけだ。大きなビジネスチャンスだったが契約は流れてしまった。そこで〝埋め合わせ〟としてY社に発注されたとみられるのが「岸和田競輪場施設整備工事」というのだ。岸和田競輪場は2021年5月にリニューアルオープンしたのだが、整備工事を請け負ったのがY社。

新しい競輪場(左)、旧競輪場。

同社Webサイトにも実績紹介として紹介されている。同事業の入札日は2021年5月18日で3億超の大型工事だ。報道でも指摘された「2021年5月に予定されていた工事の入札」とも符合する。

永野氏の疑惑が新庁舎問題から端を発した競輪場をめぐる利権が関係していないのか。市に確認してみた。

「公表されている以外のことはお話できません」(庁舎建設準備課)

また渦中のY氏も「捜査など心当たりはありません」と回答した。

先の地元事業者はこう指摘する。

「競輪場の発注は一社、二社の話ではありません。Y社だけではなく多くの事業者が恩恵を受けているのは事実。またY社といっても似通った社名の事業者も永野氏と懇意にしてきました。逮捕されたことによって永野市政と関係業者の癒着が明らかになるかもしれませんね」

旧世代の政治家に対する不信感が募る中、次世代への期待が集まるのは当然だ。しかし若手であってもクリーンとは限らない。こう有権者を幻滅させたとすれば一層、責任は重い。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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