新潟地裁訴訟報告 / 3月12日は大阪地裁 : 訴訟進行状況 2025年3月8日現在

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By 宮部 龍彦

新潟、さいたま、大阪の各地裁で、筆者が解放同盟から訴えられている裁判の審理が進んでいる。3月5日に新潟地裁で開かれた口頭弁論では、意見陳述の位置付けや閲覧制限の是非をめぐって裁判所との激しい応酬があったほか、3月12日には大阪地裁口頭弁論が予定されている。さいたま地裁でも非公開の打ち合わせが行われることになっている。

関連する書面は、記事最後の表のリンク先にまとめてアップロードされている。

新潟地方裁判所

当日は新潟市内は雨模様であった。裁判所からは部落解放同盟側が100人以上動員する可能性があると伝えられていたが、傍聴券の通し番号から推測すると実際の抽選参加者は約70人、そのうち解放同盟側の動員は49人程度であったとされる。現地には自治労の街宣車も横付けされており、自治労からも動員があったものと見られる。裁判所前では小規模なデモ行進が行われ、共同通信やNHKがその様子を取材・報道している。

口頭弁論では、筆者が裁判官に対し、裁判の日程を最初に説明するよう要求し、それは受け入れられた。また筆者は閲覧制限が違法であることを強く主張し、裁判所の姿勢に疑問を呈し、裁判官との間で激しいやり取りがあった。その際、解放同盟側の弁護士が制止に入ったが、筆者としては納得のいく回答を得られなかった。

筆者は、裁判そのものが違憲・違法であるとする主張を盛り込んだ答弁書を提出し、この裁判への対応は予備的なものであることを明示した。

次回の日程は、筆者が令和7年5月9日までに準備書面を提出し、6月25日14:00に次の口頭弁論が行われる予定となっている。裁判所は次回の口頭弁論についてリモートでの審理を認める方針を示している。

意見陳述について、筆者が法律上の位置づけを問いただしたところ、裁判官は「意見陳述は記録には残さない」と明言した上で行われた。原告側は、自分たちの写真や名前、会社の情報、住居地域を筆者が運営するウェブサイトに掲載されることによって部落差別が助長され、深刻な人権侵害が起きていると強く非難した。また、被差別部落の地名リストを公開することを禁じた最高裁判決が出ているにもかかわらず、筆者がそれに反する行為を継続していることを厳しく批判した。

筆者は、自身の活動は差別を助長する意図ではなく、あくまで公益的な調査報道であり、表現の自由に基づくものであると反論した。また、荒川高校で実際に行われた糾弾の様子を例に挙げ、解放同盟側の圧力的な言動に対する問題点を指摘した上で、裁判そのものが解放同盟に反対する者への圧力であると主張し、裁判の進め方に対して根本的に問題があるとの見解を示した。

新潟県情報公開審査会

新潟県情報公開審査会では現在、筆者側が公開範囲の拡大を求める審査請求のみが係属中である。当初は文書の部分公開が執行されていなかったため、筆者は具体的な意見を述べる材料を持てなかったが、部分公開された文書を受領し、非公開箇所を具体的に確認できたことで、本質的な意見を述べられる状況になった。しかし、情報公開審査会の事務方によると、今後の手続きについては未定とのことであり、筆者としては連絡を待っている状況である。

さいたま地方裁判所

さいたま地裁で係属中の、部落解放同盟埼玉県連合会から筆者が訴えられた裁判、移送申立は、令和7年1月24日に広告が棄却され、さいたま地裁での審理が確定している。

実は3月5日にさいたま地裁より連絡があり、4月24日(木曜日)午前11時から非公開の電話による事実上の打ち合わせが行われることが通知された。何を目的とする打ち合わせなのかは不明。非公開の打ち合わせではあるが、裁判は公明正大に行われるべきであるとの考えから、このようなことがあるということは明らかにしておく。

大阪地方裁判所

大阪地方裁判所で係属中の、部落解放同盟大阪府連から筆者が訴えられた事件について、2025年3月12日15時より202号法廷にて口頭弁論が行われる。これも例によって傍聴券の配布が行われるので、14時20分までに抽選に参加する必要がある。

原告側が2名、各5分ずつ合計10分の意見陳述を予定していることが裁判所から伝えられている。筆者も同様に10分間の意見陳述を認められたが、意見陳述そのものが、部落解放同盟に逆らうとこのようなことをさせられるのだぞという脅迫的な意味合いを持つとして強く反対する旨を裁判所には伝えている。しかし、裁判所は意見陳述を認める方向で手続きを進めている模様である。

裁判など前回のイベント今後の予定
東京地方裁判所(原審)
2016年4月19日 提訴
平成28年(ワ)第12785号 他
原告 解放同盟 外211名 他
最高裁判所(係属)
2024年11月24日 記録到達
令和5年(オ)第1710号
令和5年(受)第2187号
原告 解放同盟 外234名
関連文書
2024年12月4日
双方の上告の不受理を決定
2025年3月14日 10:00
横浜地裁相模原支部
審尋(非公開。仮差押関係)
自動車、不動産への仮差押は解放同盟側の取り下げにより、なくなる見込み
大阪地方裁判所
2023年11月6日 仮処分命令申立
関連文書
2024年7月8日 提訴
令和6年(ワ)第6807号
原告 解放同盟大阪府連 外1名
関連文書
2024年10月30日
移送申立却下
2024年11月6日
即時抗告(移送)
2024年12月5日
抗告棄却(移送)
2025年3月12日 15:00
大阪地方裁判所 202号法廷
初回口頭弁論
さいたま地方裁判所
2023年12月6日 提訴
令和5年(ワ)第2913号
原告 解放同盟埼玉県連 外1名
関連文書
2025年1月24日
抗告棄却(移送)
2025年4月24日 11:00
電話で事実上の打ち合わせ(非公開)
新潟県情報公開審査会
(A)公開決定の取消請求
2023年7月31日 審査請求
請求人 解放同盟新潟県連
(B)公開範囲の拡大請求
2023年8月15日 審査請求
2024年12月27日
情報公開審査会答申(B)

期日未定
(B)の審査が係属中
新潟地方裁判所
2024年1月24日 提訴
令和6年(ワ)第23号
原告 解放同盟新潟県連 外3名
関連文書

2025年1月29日
閲覧制限取消の特別抗告却下
2025年2月19日
閲覧等制限決定取消申立却下
即時抗告済み
2025年3月5日 14:00
新潟地方裁判所 1号法廷
初回口頭弁論


2025年6月25日 14:00
新潟地方裁判所 1号法廷
第2回口頭弁論
被告はリモート参加予定
横浜地方裁判所
2024年4月6日 提訴
令和6年(行ウ)第19号
被告 川崎市
関連文書

2025年1月15日 11:00
横浜地方裁判所 502号法廷
第3回口頭弁論


2025年3月24日 10:30
横浜地方裁判所 502号法廷
第4回口頭弁論
本サイトに関連する裁判などの一覧

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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新潟地裁訴訟報告 / 3月12日は大阪地裁 : 訴訟進行状況 2025年3月8日現在」への1件のフィードバック

  1. .

    「四国や中国地方でも提訴を予定している」と解放同盟は威勢のいいことを言っていたようですが、沙汰止みになりましたね。たぶん宮部さんに勝てそうもないのでケツを割ったのでしょう。
    #23978f36c93f2b90c7b86eee67d52071

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