森友学園への国有地売却をめぐる決裁文書の改ざんに関与させられたことを苦に自殺した 財務省近畿財務局職員・赤木俊夫さん。その遺書を報じた『週刊文春』(3月26日号)「森友自殺〈財務省〉職員遺書全文公開 『すべて佐川局長の指示です』」( 大阪日日新聞・相澤冬樹記者)は多くの反響を呼んだ。また赤木さん妻は3月18日、国と佐川宣寿元国税庁長官に総額約1億1200万円の損害賠償を求め大阪地裁に提訴。本誌は訴状を入手した!
関心がある方、ダウンロードはこちらから。
財務省職員自殺事件訴状.pdf
もしコロナウイルスがなければより大スクープになったであろう、赤木さん遺書報道。奇妙なことに週刊文春と相澤記者以外の報道機関記者、ジャーナリストたちが自らの成果の如く小躍りしているのが面白い。
それにしても不思議だ。普段、左派の活動家は議員会館の院内集会に官僚、官公庁職員を呼びつけ集団で罵声を浴びせ、デモで直接役所に押しかけている。ところがSNSを見ると「#赤木さんを忘れない」などのタグが散見される。同じ官公庁職員でも扱いが随分違う。しかもあれほど「右翼」「反動」と批判した籠池夫妻も今や“こっち側 ”という具合で集会、講演会に引っ張りだこ。この辺りはお家芸の手のひら返しとしか言いようがないが…。
政治問題ではなく過労死案件?
請求は国に対して1億712万8017円、佐川氏には550万円。赤木さんは平成29年7月上旬頃にうつ病を発症し、平成30年3月7日に自殺した。享年54歳。略歴は高校卒業後、昭和56年(1981年)4月1日に国鉄に入社。民営化に伴い昭和62年(1987年)に鳥取財務事務所管財課に転職。平成元年(1989年)に立命館大法学部に通学するため近畿財務局に転任、京都財務事務所、和歌山財務事務所、神戸財務事務所を経て平成27年(2015年)に近畿財務局管財部管財総括第1課に。自殺時の役職は上席国有財産管理官。趣味は書道、落語、音楽鑑賞、美術鑑賞、安藤忠雄の建設物鑑賞。
原告は訴訟の目的として自殺に追い込まれた原因究明、行政内部の問題点・職場環境の改善、改ざんの指示などの解明、この3つを挙げている。
赤木さんは平成29年(2017年)2月から森友学園案件を担当。同年2月9日、森友学園案件について、 「近畿財務局が売却額等を非公表にしている」、 「売却額は同じ規模の近隣国有地の10分の1」、 「森友学園が買った土地には、今春に同学園が運営する小学校が開校する予定」、 「同校の名誉校長は首相の妻」などの報道があった。これ以降、本省理財局に対して国会議員等からの資料要求、個別の説明要求、会議出席要求が相次ぎ、国有財産審理室の担当者をはじめ、職員は国会関係の対応に追われる状況になった、としている。この時期は新聞、テレビでも森友学園報道が過熱していた頃だ。そんな最中のことだった。
平成29年2月26日、赤木さんは妻とその母親の3名で梅林公園を訪れていたが、
15時30分頃、管財部管財総括第1課の池田靖統括国有財産管理官(池田統括)から 「本省からの指示の作業が多いので、手伝って欲しい」、 「16時30分頃に登庁して欲しい」 との連絡を受けた。「池田統括が困っているから助けに行くわ」 と述べて近畿財務局へ出勤したところ、上記改ざんの指示を受けた。この辺りから精神的に追い詰められたようだ。
休日出勤もはさみ平日の仕事は深夜未明まで続いた。同年7月15日にはメンタルクリニックでうつと診断された。同月19日に体を震わせながら、妻に対し、 「辛い辛い」、「もう仕事に行けない」 「森友のことだけやないんや」などと述べた。11月29日には上司を通じて検察から取り調べをしたいとの打診を受ける。これ以降、恐怖心を募らせた赤木さんは
かかる大阪地方検察庁からの打診以降、ヘリコプターが自宅の上を通ったり、 自宅の前を歩く人の足音が聞こえたり、町中で知らない人を見たりすると極端に恐れるようになり、原告に対して小さな震えた声で、 「検察か警察が僕を狙っている」、 「警察じゃないか?検察じゃないか?」などと妄想を話すようになると共に、 「死にたい」などと自殺願望を口にするようになった。
という様子だった。
11月28日、近畿財務局産業医・前久保医師と面談しその際、同医師はうつ病を詐病扱いして「うつ病になって給料貰う人がいるんや」 と述べ、岩井医師の処方を見て「こんなんで治るか」などと叱責した。その後、亡俊夫は、前久保医師を非常に恐れるようになった、としている。
2018年(平成30年)2月に入ると、 口を開くと検察や警察に関する妄想や自殺願望を口にするようになり、不安と焦燥からか自分の体を「ちくしよう ちくしよう ! 」などと言いながら叩き続けるようになった。訴状によれば夫妻は結婚してから22年間喧嘩をしたことがほとんどなかったが、赤木さんの悪化で妻も精神的肉体的に疲弊し、喧嘩が絶えないようになった。
平成30年3月7日16時頃、手記や遺書を遣し自殺に至った。
以上が自殺に至る経緯だが赤木さんは非常に責任感が強い人間性のようだ。そのため一層、不安と恐怖心に苛まれたのだろう。そんな赤木さんの手記には「 刑事罰、懲戒処分を受けるべき者」として
佐川理財局長、当時の理財局次長、中村総務課長、企画課長、 田村国有財産審理室長ほか幹部担当窓口の杉田補佐(悪い事をぬけぬけとやることができる役人失格の職員)
の名前が挙がっているが、佐川氏(元理財局長、元国税庁長官)の責任を民事訴訟でどこまで問えるのか? 昨今、官公庁の職員の超過勤務が問題となっており「過労死」は認められる可能性はある。森友学園問題より官公庁職員の労働問題に一石を投じる訴訟になるかもしれない。
近畿財務局の産業医の前久保医師とは、おそらく前久保クリニックの前久保邦昭院長でしょう。変人です。気持ちで何でも治るというポジティブシンキングの持ち主。合わないという患者さんの評判も多く聞きます。産業医には向いてないかと。
https://doctorsfile.jp/h/73306/df/1/
もし前久保氏についてご存知のことがあればぜひ情報をお寄せください!!
訴状にある佐川さんの家、官僚なのにこんなものか・・・、という感じですね。
表札が漢字一文字というのが気になりますが。
とある省庁の「審議官」という方のお宅に伺って取材したことがあるんですが本当に普通の一軒家でした。世間が妬むほど高収入でもなくこれじゃあ東大卒がIT企業に行くでしょうねえ。