【和歌山市職員 自殺事件】過去にも“同和絡み”で公益通報 子ども会交付金は 県が考案した 地域対策費?

カテゴリー: 地方, 行政 | タグ: , | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

同和行政が盛んな和歌山市役所で起きた悲劇――。同和地区の子ども会を対象にした交付金の不正を公益通報した男性職員A氏が2020年に自ら命を絶った。前回記事で紹介したA氏の事実上の遺書、休職願は過酷な内容だ。過去にも“同和絡み”の公益通報があったが改善されないまま。市の体質がA氏を追い込んだのだ。

児童館の名を 借りた活動拠点

和歌山市役所に勤務していたA氏が子ども会への不正な交付金を公益通報した結果、市側はまるで“報復人事”のような対応を続け、悩んだA氏は自ら命を絶った――。

A氏が公益通報から現在までの時系列。

A氏が勤務した児童館は活動拠点といってもいいだろう。2020年7月17日の記事で紹介した「杭ノ瀬子ども会新聞くいのせ」(281号)は子供の会新聞というよりも解放新聞だ。国旗・国歌法が存在する中で公共施設の刊行物が「日の丸」「君が代」を否定する。児童館の運営は公金だから“官製反日活動”だ。

子ども会新聞に水平社宣言。

政治プロパガンダに「児童」を利用するのは昔からある手法。和歌山市も以前から「子ども会」を口実にした同和事業を継続してきた。関係者によれば。

「同特法以前は特にひどかったです。例えば同和地区の子ども会の場合、一単位15人で約70万円の補助金を支給します。しかも一単位ごとの人数に規定がないため、いくらでも子ども会の単位は増やせ、その都度、補助金は増額していく仕組みです。逆に一般地区の子ども会の場合、一単位40人で約3万円しか補助金がありません。元は和歌山県庁が作った補助金スキームで、子ども会の名を借りた一種の地域対策でした」(元市職員)

子ども会への補助金は「教育」を騙った一種の地域対策予算というのだ。児童館は地域対策の受け皿施設。そんな場所に異動させられたA氏は相当なストレスを背負ったことだろう。加えて「県が作った補助金スキーム」という証言は非常に重要だ。

芦原地区連合自治会長事件も自治会長の不当要求は市側のサポートがあってのこと。ここで思い出されるのは津市相生町自治会長事件で有罪判決を受けた元自治会長の証言だ。

「津市役所は面白いところや。頼みもしないことをやってくれる」

元自治会長は周辺にこう漏らしていた。つまり役所側による忖度、懐柔策によって要求行為以上の配慮をしてしまう。同和行政ではありがちな話である。こういう経緯からしてもA氏の死は十分、公務災害といえるのではないか。

逆に団体側の動きも気になる。A氏の公益通報報道を受けて地元事情通はこんな印象を明かす。

「A氏が平井児童館に配置された際、名前が挙がった平井子ども会会長、池田清郎和歌山県連合会執行副委員長は穏健なイメージだなあ。むしろもう亡くなったけど鳴神支部・辻川哲史支部長の方が活動スタイルは激しかった記憶がある。市長候補との話し合いでもすごい剣幕で迫っていたね」

A氏の公益通報で県連幹部が浮上したことについて部落解放同盟和歌山県連に問うと「対応する予定はありません」との回答だった。

かつては 芦対協絡みの 公益通報

芦原地区連合自治会長事件で多少は庁内も改善されたかと思いきや、A氏の自殺という悲劇を招いた。当時、事件の温床となった芦原地区特別対策協議会(芦対協)について尾花正啓市長は「関係を絶つ」としたが「同和行政の見直し」を明言したものではなかった。

和歌山市の同和行政の異様さはある部署で可視化される。それが市の同和行政に大きく関わる建築住宅部住宅2課だ。

「1課は一般住宅ですが、2課は改良住宅、つまり同和担当です。そちらの記事(2023年1月20日掲載)で出てきた“芦原地区の窓口役 ”というN職員(故人)が課長を務めていました。住宅2課などという部署は全国を見ても和歌山市ぐらいのもの。議員や市民からも廃止を求める声はありますが、全く動きはありません」(前出元職員)

芦原事件の渦中、N職員を取材したことがある。芦対協との交渉の前線に立つ一方、反自治会長派の住民には恨まれるという厳しい立場だ。退職後、大病にも関わらず嘱託職員として2課に関わったのもその経験や人脈が必要とされたのだろう。

病身の嘱託職員を起用してまで存続させる住宅2課。市役所の改革は聞こえてこない。根が深すぎるのだ。同和行政に関する公益通報は本件子ども会交付金だけではなかった。

「2007年に芦対協役員が市営住宅の修繕工事を随意契約にせよとの不当要求があったのです。これは職員の公益通報で発覚したものです。ところがその年の芦対協が開催した忘年会に大橋建一前市長や市幹部が出席していました。不当要求をする団体の忘年会に市長や幹部が出向くというのは現場職員にすれば背信行為同然ですよ。結局、いくら公益通報しても結局は首長や幹部が波風立たせずだから改善されません」(地元記者)

それ以前から芦対協と市の歪んだ関係は明白だったにも関わらず放置された結果、連合自治会長事件につながっていく。もし最初の公益通報で芦対協との関係を絶ち、同和行政を見直していれば連合自治会長事件も起こっていなかっただろう。そしてA氏が自死を選ぶほど追い詰められることはなかったはずだ。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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【和歌山市職員 自殺事件】過去にも“同和絡み”で公益通報 子ども会交付金は 県が考案した 地域対策費?」への3件のフィードバック

  1. しばねこ

    三品さん良い仕事してますね。
    部落解放同盟と行政が結託するともはやまじめな公務員など何もできずに最悪自死に追い込まれるんでしょう。一般的なメディアが報道しようともしない闇ですから、今後も頑張ってください。
    #33ac79ad82f93d4097a1909616b9d7c5

    返信
    1. Jun mishina 投稿作成者

      ありがとうございます。恐縮です。しかし地元ではあまり関心がないと聞いて残念でした。

      返信
  2. 匿名

    「心から人(同和団体構成員)を尊ぶまちづくり」
    ※同和団体構成員以外を尊ぶとは言ってない
    #278fc8072e7ea50eb3a86d186f3b8843

    返信