【日本財団の闇】大使館が 関与?怪文書が 物語る “親日国家”パラオという 幻想【前編】

カテゴリー: 国際 | タグ: , | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

パラオ共和国は戦前、日本が統治した関係から政治・外交・観光分野など関係が深く親日国として知られる。だが一部保守派による“ 利権”の温床になっていたことをご存知だろうか。インド太平洋の安全保障専門で博士号も持つ早川理恵子氏はその不正を告発する一人だが、同氏を中傷する怪文書が出回っている。

ソロモン諸島に 中国が接近する

話は早川理恵子氏が主宰する「インド太平洋研究会」にソロモン諸島マライタ州・ダニエル・スイダニ前州首相、政策アドバイザーのセルサス・タリフィル氏を招聘したことに始まる。マライタ州はソロモン諸島でも最も人口が多く国内政治でも影響力が強い州だ。

早川氏は「笹川平和財団」の笹川太平洋島嶼国基金で主任研究員、プログラム・コーディネーターを務めたことから太平洋地域に精通し人脈も豊富。その関係からスイダニ氏らを招聘できた。

スイダニ氏は反中国を鮮明にし、中国との安全保障協定をはじめ政治、経済の関係強化を批判してきた人物。ところが今年2月の州議会で不信任投票を受けて失職した。

中国による海洋進出は顕著で南洋諸島にも及んでいるのはご承知の通り。スイダニ氏は日本の外交上、重要な人物である。このため日本政界、外交関係者からも注目される人物だ。

早川氏は京都、東京でスイダニ氏を講師に「ガダルカナルの戦いが残したもの」と題した講演会を開催。現職国会議員、保守系の著名ジャーナリストを集め盛況に終わった。日本の外交にとっても重要な人物、本来は早川氏の功績のはず。ところが講演会に出席したジャーナリストから不穏な情報がもたらされたのである。

「私に関する怪文書が関係各所に送付されたというのです。『パラオ国家安全保障局アドバイザー』という虚偽の肩書きを使って議員会館でスイダニ閣下の講演会を開催したと中傷する内容でした。私がパラオ国家安全保障調整官から同職の就任を依頼されたことは事実。ですが今回の2人の招聘とは全く無関係の話です」(早川氏)

怪文書の原文。宛先が黒塗りになっている。
翻訳されたもの。

宛先は黒塗りで差出人は「ピーター・アデルバイ大使 パラオ共和国大使館」となっている。早川氏は文書の意図について同大使に確認しているが、現在まで回答はないと話す。

仮にこの文書が本当に同大使によるものであれば、その意図を説明すべきだろう。また仮にパラオ国家安全保障アドバイザーという肩書きが「虚偽」であれば早川氏本人に訂正を求めればいい話だ。

黒塗り 部分は「笹川平和財団」

問題はなぜ早川氏が怪文書のターゲットになったか。差出人不明という時点で送り主の悪意や後ろめたさが伝わる。明らかに早川氏個人への中傷目的ではないか。

その業績と関係がありそうだ。

インド太平洋を専門にする早川氏は南洋諸島で存在感を高める中国を分析し、警告を発してきた。

月刊正論「南洋の親日国パラオ、ミクロネシアにも中国の触手が…」(2016年12月号)

また2017年にパラオの故ナカムラ大統領からパラオの子供たちを麻薬から守ってほしいと依頼され柔道支援やパラオに入った中国マフィア対策を支援してきた。

同年まで笹川平和財団で支援活動に従事したが、日本財団に疑問を抱くようになった。このことは一般メディアで扱われることはまずない。

いや、むしろボランティア団体、社会事業を支援する日本財団は現在、左派文化人やマスコミからも評価される。それゆえその過去はまるで「不問」のよう。

早川氏のブログを推奨する笹川陽平氏。

80年代を震撼させた「豊田商事事件」は今でも事件史に刻まれる。金の売買をめぐる詐欺商法は被害総額が2千億円とも言われた。また1985年6月18日に報道陣の前で同社・永野一男会長が刺殺されたのは映像に残されている。

そんな豊田商事がパラオ、笹川陽平氏と関係していたことはほとんど知られていない。この情報は誰でもアクセスできる場所に記録されているにも関わらず、だ。

豊田商事事件を審議した第102回国会衆議院「物価問題等に関する特別委員会」(昭和60年7月4日)から抜粋する。

もう一つは、ムサシノエンタープライズ社であります。社長は木村実、取締役は鈴木公毅、いずれも豊田商事グループの海外タイムスの取締役であり、この社の取締役には笹川良一氏の御子息笹川陽平氏の名前も連なっております。監査役は、ここも横山明弘氏であり、つまりあなた方の関連会社であります。同社の株主は日本不動産抵当証券株式会社が八千株、武蔵野三菱自動車販売株式会社が一万二千株、パラオ共和国アイライ州の持ち株が四千株と私は確かな情報筋から聞いております。八千株持つ日本不動産抵当証券株式会社は、銀河計画の山村忠司氏が取締役、ここにも監査役に横山氏が配置されております。明らかに豊田グループの関連企業であることは言うまでもありません。ムサシノエンタープライズ社は一体パラオ共和国で何をしようとしていたのか。そのことは副社長であるあなたが御存じないはずはありません。うわさによれば、リゾート開発でもう用地を買うているのだとか、発電所建設に金を出しているなどということを言われておりますが、その目的についてお聞かせをいただきたい。二点です。

笹川陽平氏は豊田商事関連企業の役員だった。国会の議事録でしかも名指しで登場するにも関わらず一般に知られることはない。しかしメディアの舞台で登場する陽平氏は社会事業家、篤志家のイメージだ。この“ 裏の顔”を知るというのが早川氏である。

となると日本財団にとって早川氏は“ 目の上の瘤”というわけだ。ここで先の怪文書が絡んでくる。

「調べてみたところ黒塗り部分は『笹川平和財団』のようです。その邦訳を日本の関係者に送付しています」(早川氏)

そこで笹川平和財団内で事情を知るであろう人物に話を聞いてみた。

「黒塗り部分の下は確かに笹川平和財団です。当財団にも同様の文書がパラオ大使館から届いたので共有しています。早川氏については、2002年頃まで当財団職員、2003年から2017年度頃まで、当財団が外部のプロジェクトコーディネーターとして1年毎の業務委託契約という関係がありました。 現在は一切関係はありませんが、今でも稀に外部から早川氏に関するクレームや問い合わせが当財団や私のところに届くことがあります」

財団としても早川氏は無関係で財団職員でもなかったという説明だ。しかし早川氏の業績については陽平氏自ら

「笹川平和財団では、3月13日のブログに掲載した通り、長きに亘って民間の立場から様々な支援を継続的に行ってきた。その中心人物が早川理恵子であり、この地域で最も知られた日本人である」(2010年笹川陽平氏ブログより)

と評価している。にも関わらず先の説明だと一介の契約社員のような言い方だ。

これに対して早川氏は「私に問題があるという指摘ですが、問題がある人間をなぜ26年も雇っていたのでしょうね」と反論する。

そもそもパラオ大と無関係の講演会に同国大使館が介入するのもおかしな話。それにパラオ国家安全保障局アドバイザーという肩書きに問題があるならば早川氏本人に伝えればいいはずだ。また大使が送った文書の邦訳を怪文書として送付するのも謎。

この背景にはパラオの特殊な事情があり、ここに日本財団、統一教会が絡むという構図だ。そこから見える現実のパラオ。それはこれまで抱いた“ 親日国家”とは異なる実相なのだ。(後編に続く)

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

wp-puzzle.com logo

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

【日本財団の闇】大使館が 関与?怪文書が 物語る “親日国家”パラオという 幻想【前編】」への3件のフィードバック

  1. 匿名

    早川さんのXを通じて本記事を読みました。こんなにも素晴らしい事業を無償で行っている方に対して、水を差すようなことをするなんて許せません。

    怪文書の内容を見たところ、文書の意図としては、虚偽の役職を使用していることの通告のように読み取れました。そうであれば、アドバイザーの役職を正式にパラオ政府から任命されたという証拠を示すことができれば、相手方に改めて問い質すことができるのではないかなと思いました。記事の執筆にあたり、三品さんはこの点についてもしっかり裏取りされているかと思いますが、任命書やパラオ政府のHP等、その根拠を示していただけないでしょうか。

    現状、役職を任命されたという根拠が早川さんご自身のお言葉しかないので、向こうも白を切っているのかと。パラオ政府関係者個人とのメールのやり取りでは、私人間で勝手に任命しただけだと言われかねないので、できるだけ客観的な、文書・記録媒体での根拠があれば良いと思います。

    今後も取材頑張ってください。

    返信
    1. 早川理恵子

      ありがとうございます。アドバイザーを依頼された文書は表に出せないのですが、アイタロー外相には送ってあります。またアドバイザーの立場で2022年7月、アンソン女史とフィジーで開催された国際会議に出席、発表しています。これは公開なのでブログに貼ってあります。何度も言いますが、アンソン女史から執拗にアドバイザーを依頼されたのです。友達として手伝うよと言ったのですがアドバイザーでやってくれと。https://yashinominews.hatenablog.com/entry/2022/08/17/182721
      #bd4b62dcd65bd3ec8a4f72cdc825bd54

      返信
  2. ピンバック: 【日本財団の闇】大使館が 関与?怪文書が 物語る “親日国家”パラオという 幻想【後編】 - 示現舎