川端康成の『伊豆の踊子』の舞台、松本清張の小説や演歌にもなった天城峠、富士山と駿河湾が一望できる静岡県伊豆市の景勝地。西伊豆スカイラインを進むと達磨山山頂付近に怪寺と囁かれる「宗教法人平和寺本山」(伊豆市大平柿木)がそびえ立つ。怪しげな事件やトラブルが起こると平和寺が浮上する。何かといわく付きの平和寺でも不法投棄が発生し現在、伊豆市は原状回復を求め同寺と係争中だ。だが寺の胡散臭さ とは別にこの不法投棄事件も「行政の不作為」を感じないではいられない。
朝鮮人犠牲者の遺骨、遺品返還の利権目的か!?
「宗教法人平和寺本山」。事件マニアや情報通ならばこの名を一度ぐらいは耳にしたことがあるかもしれない。同寺は看板で謳う通り「超宗派寺院」という一種の新興宗教だ。特徴的な点は保守色が強く、住職は僧侶と神職者の両資格を有する。もっとも住職といっても代表者ではなく行事や儀式の際に読経するのが専らの仕事だ。
同寺HPと関係資料を元にその略歴を説明しよう。
1974年、第二次世界大戦の陸海軍戦没者、原爆犠牲者の追悼を目的に帰還遺族会、全国戦友会、また自民党議員、靖国神社顕彰グループらが発起人となり靖国会館で第1回創立会が開催された。
1975年、現在の達磨山標高906メートルの頂きに開山。寺院というよりも仏式、神道を取り入れた一種の行楽地にする目的もあったという。それからもう一つの特徴として五・一五事件の首謀者、三上卓元海軍中尉の顕彰と供養を目的にしている点だ。
三上卓は同事件で犬養毅元首相を襲撃したことでも知られる。また軍歌好きならば『昭和維新の歌』の作詞者を想起するかもしれない。右翼団体関係者ならば今でも信奉する人も少なくないだろう。
ところがある怪僧と内閣情報調査室出身を名乗る人物らが朝鮮人・中国人戦没者の供養と遺骨、遺品返還事業を始めてから一層怪しげな人脈が連なるようになった。あるいは同寺は「ペーパーカンパニー」所在地としても悪用された過去があり、音楽プロデューサー小室哲哉氏の楽曲詐欺で浮上した音楽事務所所在地が平和寺だったというのも事件通の間で語り継がれる。
こんな怪しげな寺で不法投棄事件が起こったから闇に闇を被せた格好なのだ。皮肉にも熱海市土石流と並行して事件が発生した。
茶どころ、サッカー王国、静岡県。しかし茶は振り向けば鹿児島県が肉薄し、サッカーといえば凋落したと嘆かれる。代わって残土処分、不法投棄といった事件が目立つ。静岡県はいわば“投棄王国 ”だ。熱海市土石流はそれを象徴する事件だったかもしれない。
そして本題の「宗教法人平和寺本山」。開山から現在に至る歩みは「事実は小説より奇なり」を地で行く。よって別稿で詳細をレポートし、今回は同寺不法投棄事件における行政の対応ミス、また行政指導のあり方について検証したい。
当サイト読者は「利権」「韓国」「戦後補償」。こういった問題に敏感だと思われる。そこでまず予告的に平和寺の本質を指摘しておくと開山時(1975年)は先に述べた通り自民党関係者、保守団体、靖国神社顕彰グループが中心。加えて韓国人脈の影もあった。つまり保守派による“ 反共団体”という性質を帯びたことをまずお伝えしておく。そしてもう一点、重要なのは戦時中の朝鮮人被害者の遺骨、遺品返還をめぐる「利権」目的も見逃せない。この点は後日、順を追ってお伝えしていこう。
伊豆市民事訴訟被告4人中 2人が死去
2020年6月頃、平和寺に投棄されたコンクリート片、プラスチック片などが混入した土砂が伊豆市所有の土地に流出。付近の柿木川にゴミが漂着した他、水が濁るなどが確認された。伊豆市は昨年4月、原状回復費用約1800万円の支払いを求め、平和寺代表役員、大野求実氏、元代表役員の大野和一氏、元役員O氏、右翼団体幹部I氏ら4名に民事訴訟を起こした。事実関係を確認しておく。
2020年6月3日、静岡県東部保健福祉センターが伊豆市所有地付近で盛り土造成工事があると同市に通報。
同年6月9日に伊豆市農林水産課が東部保健福祉センターと現地確認。ダンプ3台で土砂を投棄した他、整地作業を行ったのを目撃した。
同年6月24日、3000㎥の土地に土砂やがれきの投棄を確認。
7月には整地作業を行っていた被告I(故人)を事情聴取した。当時、Iはゴミについて「何者かが捨てた」と反論。またIは大野和一氏から「本堂再建に協力すれば戦没者供養石碑の場所を提供する」と提案され、自ら重機で整地作業を行ったという。だが当のI氏は今年1月にガンで他界。
さて一方、門徒・檀家というよりも古参の寺協力者である被告O氏だが、昨年6月自宅が火事になり焼死。原因は「漏電」ということだが、寺関連資料を多く所有しておりそれらも焼失したことになる。親族によれば「中曾根康弘元首相の揮毫など政界関係者ゆかりの品も燃えてしまいました」と話す。
こうした品々は平和寺の交流、交際で得た物だという。
平和寺現代表役員の大野求実氏は開祖・大野浩龍氏の娘で関係者からは後継者と目されていた。対して大野和一氏は本来「大野姓」ではない。周辺によれば「浩龍氏が体調不良の中で養子縁組をした」ということだ。現在のところ平和寺では求実派、和一派と分裂しており、両派の主張を聞いたがどうも和一氏の評判は芳しくない。この辺りは別稿での解説にしておく。
ともかく今回は静岡県の不作為疑惑に迫ろう。
実は平和寺の不法投棄、盛り土についても市側の初動ミスの疑いがある。というのは
「二〇二〇年の市議選前、平和寺の投棄問題を視察した議員に市側は“産業廃棄物ではない。県も同じ方針だ ”と説明したはずだが」(市政関係者)
との疑問が寄せられている。熱海市伊豆山造成でも約15年に渡り、盛り土が是正がされなかったのは明らかに行政の失態だ。こうした経緯から推察するに「産業廃棄物ではない」という市側の説明も納得できる。市担当者に確認したところ「係争中」を理由に詳細な説明はなかったが、こと産廃問題になると行政側が及び腰になるのは起こりえることだ。
行政の是正指導は 不公平だ!
さて平和寺には「責任役員」という肩書きがある。正式な宗教団体ではないので「信徒」「檀家」この表現が適当かともかくとして便宜上、「信徒」の一部から「責任役員」が選ばれる。それは市内外の一般人だが中には右翼団体関係者もいた。
そのうちの一人、伊豆市内の元責任役員、地元住民の西川(仮名)氏はこう訴える。
「昨年、突然、静岡県から事情聴取したいという連絡があったんです。なんのことかと思えば平和寺のことだけど、私はただの寺のボランティアみたいなものだから、盛り土や投棄なんて分からないのに」
と困惑していた。そして“ ある時期”から静岡県の通知文は断続的に送付されるようになったという。
「熱海の土砂災害ですよ。あの発災以来、急に厳しくなった気がします」
西川氏は火事で焼死した被告O氏と懇意にしていたという。そうした関係上からの事情聴取のようだ。
「昨年の夏に静岡県庁に呼び出されました。貴重品や携帯電話を預けられ、朝から夕方まで聴取は続きました。とても暑いので私は裸になってやって“無関係の高齢者になぜこんなひどいことをやるんだ ”と職員に言ってやりました(笑)」(西川氏)
その後も続く通知文。その文言はかなり厳しい。廃棄物処理についての除去費用を「当該措置に要した費用をあなたから徴収します」とある。なお参考に天野二三男氏にこうした強い文言の通知文を受け取ったことがあるのか、確認してみたが「全くない」との説明だ。これは天野氏のインタビュー動画でも紹介しているので視聴してもらいたい。
もちろん寺側の責任もあるが、しかしもし熱海土石流が発災しなかった場合、行政側はこのような“強気対応 ”に出たのか疑問が残る。
加えて熱海市が今年3月31日に送付した行政指導の通知文と比較してみよう。県と市の違いこそあるが、天野氏と西川氏では責任があまりにも違いすぎる。その割に西川氏への文言がひと際、厳格に映った。
行政指導をめぐってはある業者には甘く、別の業者には厳格。これは現在、熱海市議会で開催されている百条委員会でも同種案件を例にして問題視されたことだ。本来、行政指導は相手の地位、社会的背景を抜きに公平に行われるべきもの。しかし平和寺の是正指導についても不公平感は存在した。
県担当者は「あくまで書類上の役員への調査」と説明するが、やはり平和寺の不法投棄事件も県と市は十分な対応だったとは思えない。また行政指導で垣間見えるこの「不公平感」はどうしたものか。法律や条例の規制強化が進むが、本来は行政の適正な指導で事足りる気もしている。
伊豆の山の上にはほかにも怪しげなところがあります。
人目につきにくく不動産が格安でありながら一応は風光明媚だからでしょうか。
別荘地である天城ハイランドの一画、天城高原ふれあいの郷(国有林野内)の一画・・
そのほかにもおそらくいろいろあることでしょう。
納骨堂の文字は梵字
悉曇文字 /ka/
wikimediaに凡例があります
見た目が不思議な建物なんで調べてみました。
大野和一はある意味被害者。全ての根源は大野求実である。I氏もO氏も死人に口なしだが頼まれたと。内輪の揉め事の最中、火災。予想だにしない人物達が出てきます。冗談なしで殺されます。
良い所まで書いてますが中身が違う。
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