千葉県各地にある“同和の盛り土” 「部落解放同盟役員だから」やり易かった

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By 宮部 龍彦

今から6年前の2016年、千葉県酒々井町しすいまちで、盛り土が崩れたことにより水路が閉鎖され、住宅地に浸水被害が出ていた。原因となった盛り土を行っていた業者を直撃すると、町に無許可で盛り土をしたことを認めた。しかも、当時業者は部落解放同盟千葉県連合会の役員で、筆者の取材に対して、「解放同盟役員だから町が一歩下がって対応してくれた」と話した。

現在でも盛り土は放置されたままで、周辺の住宅地の危険な状態は続いている。

熱海土石流の原因となったことで注目されている建設残土等による盛り土。危険なことは明らかなのに、なぜ盛り土が放置されたのか。その背景に、盛り土を行った業者が自由同和会役員であり、「同和」だから行政が及び腰だったことは熱海市の会議録からも明らかであるが、そのことを報じたメディアは弊舎の他には週刊新潮くらいである。

そのような中、本サイトに千葉県酒々井町でも違法な盛り土が問題になっており、そちらは解放同盟関係者によるものではないかという情報が寄せられた。そこで、筆者は調査のために現地に向かった。

バブル期に 開発頓挫した土地が やりたい放題に

6年前に浸水被害にあったのは、同町馬橋まばしの開運団地という所だ。住宅地は緩やかな斜面になっており、当時は道路に水があふれ出し、低い部分の住民は避難しなければならなかったという。

上の写真は開運団地から盛り土の方向に撮影したものである。沼地のように見えるのは馬橋川で、写真奥の方が下流になる。盛り土の下が暗渠の排水路になっており、通常はそこを通って水が下流に流れている。

しかし、2016年9月に長雨が続いた上に崩れた盛り土が暗渠の入り口を塞ぎ、川の水が溢れ出てしまった。

「ここはバブルの時に開発業者が地元の人からどんどん土地を買って、そこを造成して住宅地にしようとしていたの。だけど、採算が取れないことが分かって、その土地がいろんな人に渡って今みたいなことになっている」

問題の盛り土をした業者は同町本佐倉もとさくらの有限会社藤田興業。住民によれば一時期は近くに事務所があったという。しかし、その後に土地は別の業者に渡っている。藤田興業は今どうなっているかは住民が知らず「当時の経営者は亡くなっているのではないか」ということだった。

この藤田興業は千葉県議会議員の県議会レポートでも名指しされている。

伊藤とし子千葉県議会議員の県議会レポート2020年4月号より

レポートに書かれているように、同じ県内の成田市でも違法な埋め立てをしており、2017年に県から土砂の撤去命令を受けたものの従わず、2019年に県による行政代執行より撤去されている。東京新聞等の報道によれば撤去費用は5000万円以上で、費用は藤田興業に請求されたものと思われる。

さて、酒々井町の件はどうなっているのか。町の担当者に聞いてみると「(藤田興業の)経営者が亡くなった?そんなことないですよ、藤田興業は今もしっかりありますよ」とのことだ。

町が公表している経緯によると、排水路が出来たのは1985年頃。そして、1995年頃から業者が排水路を暗渠にしてその上を埋め立て、最終的にその用地は酒々井町に帰属される約束は果たされず、その上で無許可で不法投棄が行われた。業者名は伏せられているが、これが藤田興業である。

2016年9月の浸水被害の直接の原因となった盛り土は同年3月に別の業者によって行われたものであるという。

排水路が暗渠になっている場所を訪れると、町からの委託で掘削作業が行われている最中だった。根本的に解決するにはこの土地を町が買い上げ、町の責任で整備するべきなのかも知れないが、それはつまり後始末は全て税金で行われ、業者は逃げ得になってしまうことから、議会の同意を得られない状態だという。

現在の土地所有者に話を聞いてみると、藤田興業が造成した後に畑にしようと土地を買ったが、別の業者に勝手に土砂を捨てられてしまったという。その業者は夜逃げしてしまったようで、業者の名前も分からないということだ。

さらに、排水路の反対側に行ってみた。ここにも土が盛られており、その上にごく最近作られたと思われる太陽光発電所があった。現地の登記簿を少し確認しただけでも、次々と分筆され、所有者が変わっている。現地の住民や所有者に話を聞いても情報が錯綜しており、どこが誰の所有で、実際の管理者は誰なのか、おそらく町でさえ把握しきれない状態になっているのではないかと思った。

藤田興業に直撃してみた

藤田興業はまだ存在しているということなので、会社の登記場所となっている家を訪れてみた。高齢の男性が出てきたので、馬橋の土地のことを聞いてみた。以下は筆者とのやり取りである。

―馬橋の土地のことについて聞きたいのですが

「全然わからない」

―当時の経営者の方は?

「私だよ」

―あの土地は今も持っているのですか?

「持ってない」

―町からは残土を片付けるように言われているのですか?

「言われてない」

―成田の行政代執行の件はどうなったのですか?

「あれは弁護士さんと一緒に話をしたよ」

―土砂は撤去しないのですか?

「いや、私は今生活保護をもらっているから」

―無い袖は振れないということですか?

「そうそう」

―部落解放同盟の役員はされているのですか?

「今は支部員です」

―あそこに置くときに町から許可を取ったんですか。

「無許可だと思うよ」

―え、ご自身でやったんですよね。

「俺がやったよ」

―どうして無許可でやったんですか。

「町が許可くれないから」

―良くないことだと思いますが。

「分かっててやったよ」

―警察には摘発されなかったのですか?

「印旛署も佐倉署も来たけど話しただけで終わりだよ」

―解放同盟の役員をしているとそういうことがやり易いというのはあるのですか?

「そう。解放同盟の役員やっているということで、町も一目…一歩下がって対応してくれたから」

特に最後の一言のように、藤田氏が悪びれずに素直に答えるので拍子抜けしてしまった。

本人が言っている以上、酒々井町側が藤田氏を解放同盟役員と知っており、特別な配慮をしたと見るべきだろう。最初の不法投棄が行われてから数年後の町議会会議録を見ると、竹尾忠雄議員(共産党)に、なぜ企業名を言えないのかと問いただされる場面が記録されている。さすがに熱海市の会議録のように「同和系列だから」とは書かれていないが、むしろ実際に同和地区が存在する酒々井町だからこそ、そのような事はとても事務方の口からは言えないだろう。実際、藤田氏は部落解放同盟千葉県連合会書記次長の立場にあった。

黒服の6人で住民を恫喝

藤田興業による盛り土や不法投棄は酒々井町や成田市だけではない。千葉県や周辺自治体の会議録を見ると、現在の山武さんむ市や茨城県鉾田ほこた市でも同様の問題を起こしていたのが確認できる。

特に鉾田市烟田かまた地区における不法投棄の事例は凄まじい。2009年3月の会議録にはこう書かれている。

この事件は、平成16年5月19日千葉県印旛郡酒々井町本佐倉695番地-12、有限会社藤田興業、代表取締役藤田治代が、当時鉾田町土採取事業規制条例第5条第1項の規定により、採取計画書を届け出たときから始まりました。計画書によると採取面積は9,092.2平米となっているが、1万平米を超えると県への届け出が必要になるため、少なく届けを出しております。総採取量は5万9,607立方メートルとなっていたが、土を採取して運び出したのは数台であり、当初から産業廃棄物を入れるための計画であった。私も、今までに何回となく議会で取り上げさせていただくとともに、住民の皆さんと県、市に一日も早い解決の要請を行ってきましたが、当事者である藤田武夫が千葉県残土条例違反で逮捕されており、その後どのようになっているのか伺います。

また、産業廃棄物を入れられてしまった原因は行政側にもあると思いますので、当時鉾田町がどのようなことをしてきたのか、事の真相を明らかに多くの皆さんにしていただきたく、住民9名によって告発してありましたので、長くなりますが、告発状をもとに話したいと思います。

告発の趣旨。被告人藤田治代の下記の行為は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条第6項に反する犯罪行為であり、かつ被告人藤田治代の行為は、被告人かつ有限会社藤田興業の業務上なされたものなので、速やかに捜査され、藤田治代については、同法第25条第1項第1号に基づき、有限会社藤田興業については、同法第32条第1項に基づき、それぞれ処罰されるよう告発します。

告発の事実。被告人藤田治代は、産業廃棄物の運搬処分業として行う被告人かつ有限会社藤田興業の代表取締役であり、同人は法定の除外理由がないのに、茨城県知事の許可を受けないで、業として平成16年7月20日ごろから同年8月20日まで、第三者から収集した木くず、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、廃プラスチック、ビニール類の廃棄物を茨城県鉾田町大字烟田字内野1866番地10、同番地12、同番地14、同番地31、同番地32、同番地33、同番地34、同番地35、同番地36、(以下「本件土地等」という)運搬して埋め立て、もって許可を受けないで産業廃棄物の処分を行ったものである。

被告人らの手口の巧妙さ、狡猾さ、被告人らの無許可での産業廃棄物の処分の手口は、要約すると次のような巧妙かつ狡猾な手口である。被告人らはまず、本件土地等の土採取事業だけ届出書を鉾田町長に提出し、同町から受理書を受け取る。次に、土採取事業によって、土の流出、地滑り等の被害を防止することを口実に、堰堤構築に再生改良土を搬入することを鉾田町に認めさせた。堰堤構築の事業区域の面積が500平米以下の場合には鉾田町の許可が不要なことから、鉾田町土採取土砂等による土地の埋め立て、盛り土及び堆積の規制に関する条例の第3条に、同町には面積を498平米と説明した。しかし、実際の事業面積は1,600平方メートル以上であり、許可に必要な事業量の面積の3倍を超えるものであった。

最後に、改良土の搬入を許された有限会社藤田興業は、改良土と称するものの搬入と一緒に、第三者から収集した木くず、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、廃プラスチック、ビニール類の産業廃棄物を本件土地等に運び込み、同地に埋めたのであった。産業廃棄物を埋めた方法は、土の採取で生じた穴に上記産業廃棄物を不法に投棄し、その上を山土で覆い、さらにその上に改良土と称する堰堤を構築するという悪質きわまりない方法で行ったのである。

被告人らの手口について、以下、系列に従って詳細に説明します。藤田興業は、平成7年5月30日に設立された会社であります。代表取締役は藤田治代。ほかの取締役は吉野勝治である。

(中略)

8月9日、玄生地区の住民25名、新宮地区の住民15名は、鉾田町の都市計画課、環境課へ約束違反の改良土搬入に対して抗議に行きました。住民が抗議に行ったのは、8月2日に有限会社藤田興業との協定を交わした後も、藤田興業が改良土と称する搬入を控えるどころかますます大量に残土と称する改良土を搬入したので、住民の不安は募るばかりであったからです。住民が抗議に行ったとき、鉾田町役場において総務課長、都市計画課職員4名、環境課の職員2名と有限会社藤田興業の関係者6名で話し合った。住民は改良土の搬入中止を求め出たが、有限会社藤田興業は、中止はしないと6名が一斉に立ち上がって威嚇行為に及んだ。6名は黒色の服を着ており、当初から住民をおどかす様子であった。

藤田興業を連呼し、実質的経営者だった「藤田武夫」を始め、関係者の実名を出していることからも、当時質問した友部政徳議員の怒りが伝わってくる。この時は、当時の鉾田町が藤田氏を警察に告発したことから立件され、藤田氏は実刑判決を受けている。会議録の中では、藤田氏の長男も刑務所に収監されていることが指摘されている。

しかし、本人が言っている通り、酒々井町内の件は立件された様子がない。馬橋の土地が未だにやりたい放題の状態になっているのは、藤田興業がおとがめなしだったのだから、「俺も俺も」とモラルが崩壊してしまっていることが想像できる。

過去の経緯を見れば、とても藤田氏がカタギとは思えないのだが、藤田氏はれっきとした解放同盟員であり、会社がある酒々井市上本佐倉地区は同和地区であるから、ある意味本物の「同和」である。死者こそ出ていないものの、部落や同和行政に対する悪印象を自己補強しているという面では闇が深い。

なお、藤田氏が過去に投棄した土砂等は摘発されたものを含め放置され続け、現在それらの上にはことごとく太陽光発電所が作られている。

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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千葉県各地にある“同和の盛り土” 「部落解放同盟役員だから」やり易かった」への3件のフィードバック

  1. 名無しの示現舎ファン

    藤田興業、Googleストリートビューでみたら、酒々井町隣保館の隣りなんですね。
    偶然とは思えませんけどw

    返信
  2. 菅四ジャイアンツ

    http://sawayama.cocolog-nifty.com/blog/cat11680914/

    沢山保太郎が藤田敬一『同和こわい考』について長々と反論しています。

    朝田理論について「朝田氏や京都府連、解放同盟が、この理論を基にして差別でもないものを差別だといって糾弾闘争をしたという話は聞いたことはない。同和利権の連中が朝田理論を利用して、利権を拡大したというわけでもない」と言い張っている沢山の主張は本当でしょうか? 意見をお聞かせください。

    返信

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