本日19日早朝、津市中央市民館の松下哲也館長(臨時職員)が防犯灯及び街灯補助金詐欺の疑いで逮捕された。また田邊哲司被告、端地満被告も同容疑で再逮捕 。松下氏は3月15日の津市百条委員会の参考人として出席しており、津市共同浴場さくらゆの指定管理、自治会との関係について証言した。田邊被告らとの関係について「寄り添ってしまった」と行き過ぎた関係を認めた。松下氏の逮捕について同館に確認したところ「今朝、警察に呼ばれて行きました。それ以上のことは分かりません」と応じた。
松下氏は元人権担当理事
これまで市役所からは逮捕者が出ておらず地元住民からも不満が募ったが、ここに来て突然の松下氏の逮捕。しかも月末には百条委員会も控えている。
「キーパーソンの一人。(松下氏の逮捕で)全て明らかになりますわ」とある取材協力者は語る。
市政関係者によれば「田邊被告と最も近い立場が人権担当理事。今春、退職した南勇二氏の前任が松下氏です。田邊被告が自治会長に就任したのと同時に中央市民館館長になりました。さくらゆの業務委託にも関わっており、田邊被告の奥さんに代わって風呂を焚きに来ていたこともありました」と振り返る。
一方で「(松下さんは)ただ田邊にこき使われただけ」(相生町住民)という証言もある。
松下氏については同情する声もあったが、さくらゆに限らずごみ箱、環境パトロール、その他公共事業や補助金などについて内情を把握する立場なのは否めない。これまで警察は市に“ さわらず”かのようだったが、松下氏の逮捕でその他職員に波及する可能性は否定できない。
なお5月11日に開催された津市の幹部会議資料によると前葉市長は責任問題についてふれ
「全職員の管理監督責任は組織のトップである私にあります。ですので今回の発表については、皆さんにこの構図を理解していただくということ以外には何も踏み込んでいただく必要はないということです」
と述べた。
前葉市長は「責任は私」を強調している。ところが最後まで読めば「私(前葉市長)以外は他言無用」という解釈も成り立つ。特に「以外にには何も踏み込んでいただく必要はない」とは語感こそ穏やかだが「余計なことはしゃべるな」という念押しにしか見えない。しかし松下氏逮捕となった以上、もはや市庁内でのかん口令など無意味だろう。
中央市民館とは?
そもそも、自治会長による補助金詐欺に中央市民館館長・元人権担当理事が加担することになったのか。これは同和行政を知らなければ理解できないことなので、特に解説する。
中央市民館という名称から、公民館であるかのように勘違いされてしまうかも知れないが、その設置管理条例は「津市隣保館の設置及び管理に関する条例」である。つまり、位置付けは「隣保館」であり、津市内には12施設存在する。
隣保館は本来はスラム等の貧困地域に対する積極的福祉施策の拠点となる施設だが、日本において公営の隣保館は北海道のアイヌ対策のものを除けば、全て同和対策のために設置されたものである。
ただ、2002年度をもって国の同和対策事業が終わってからは、既に同和対策施設としての役目も終わっているはずなのだが、隣保館に対する運営補助金を所管する厚生労働省は、隣保館が事実上の同和対策施設であるとの見解を変えていない。
中央市民館は本来であれば、通常の公民館等と同じく、貸し館業務がほとんどとなるはずだが、実際は地元の自治会のやるべき業務を館の職員が代行している実態がある。例えば地域の行事の準備等だ。そして、相生町の場合はそれだけではなく、既に報道されているように職員があたかも自治会長の使い走りのようにさせられていた。今回の館長の逮捕は、その中でも自治会が市から補助金を受けるための書類の作成の代行業務も中央市民館で常態化していたことが背景にある。
同和行政について詳しい方であればご存知かと思うが、特に西日本の行政において「人権」という言葉は、そのまま「同和」を意味することがある。松下館長は元人権担当理事であるが、この人権担当理事というのは、端的に言えば「同和地区に奉仕する役職である」とある職員は表現した。
隣保館等の同和行政に関係する施設や部署が、「人権」という名目で、実質的には同和地区の自治会や、あるは部落解放同盟等の同和団体に奉仕している実態は、未だに地方行政や国政においても見られる。その中で行政と民間団体の間に癒着が生まれたり、行政が同和地区や同和団体に関係する民間人の言いなりになってしまい、そこに悪意を持った人物が現れる度に、ありえないような不祥事が繰り返されてきた。
今回の津市相生町自治会長事件も、繰り返されてきた同和行政に関係する典型的な不祥事の一例と言うことができる。
「責任がある」、と市長は認めているのだから、どう「責任をとる」のかを述べてもらいたい。
国政もそうだが、責任を認めておきながら責任をとらない政治家ばかりで嘆かわしい。
絶対にそんな奴には投票しない。そうだろ、みんな!