「金が出えへんかったら分かってるんやろな。差別するんか」(2020年5月21日『神戸新聞』より)。今時、これほどステレオタイプなえせ同和行為も珍しい。昨年5月、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を受けようと公庫職員に対する職務強要の疑いで、自由同和会兵庫県本部の前会長で山崎晃平容疑者、奈良県在住の男性が逮捕された。また山崎はインドネシア投資詐欺でも逮捕されたが、兵庫県警灘署刑事が山崎の同兵庫県本部幹部に捜査情報を漏洩した事件も起きている。「山崎晃平」とは当サイトが2017年から取材してきた大阪府四条畷市のトトロ御殿の家主で自由同和会元四条畷支部・支部長だった人物。その後、自由同和会兵庫県本部会長として活動していた。また「自由民主党兵庫県同和会支部」代表という肩書きも注目すべき点だ。
四条畷市田原、西宮市剣谷ともに部落と無関係
このところ自由同和会関係者の不祥事が相次ぐ。同会和歌山県支部代表、自民党自由同和会和歌山県支部代表の北橋雅也が給付金詐欺で逮捕されたと当サイトは3月に報じた。共同通信は4月7日、自民党支部代表を見出しに同様の内容を報じた。ひと月前に判明した内容をマスコミが報じるのは“ 周回遅れ”と論じても誤りではなかろう。ただ同報道については教訓もあり、主語は「自由同和会支部代表」ではなく「自民党支部代表」の方が関心を引くものだと理解できた。
山崎容疑者についても自由民主党兵庫県同和会支部代表として紹介しておこう。
自由民主党兵庫県同和会支部は西宮市剣谷にある。部落どころか阪神港が一望できる高級住宅街だ。付近には立派な家屋が多く並ぶ。洗練された土地柄にあって同支部の家屋前には巨大な狛犬がある。「剣谷の狛犬」と言えば地域のワケありスポットとして有名だ。興味本位で訪れる人もいたが事情を知って青ざめるというのが定番らしい。とにかく住民らも関わりたくないという様子だ。現在はこの狛犬も撤去されており、現物を拝めなかったのが残念だった。
それにしてもごく普通の家屋に狛犬を設置するセンスに驚く。といっても同氏ならばさもありなん話。山崎容疑者は先述した通り大阪府四条畷市田原のトトロの館の主。自由同和会元四条畷支部も所在地は同家屋だ。トトロのレリーフと巨大な狛犬、個人宅に置くにはあまりに壮大すぎるモニュメントである。情報バラエティや街歩き番組で扱った場合、さぞかし映像映えするであろう。これらの家屋が表のメディアに登場しないのはトトロの場合、権利関係の問題があるにしても最大の理由は「同和絡みだから」に違いない。
現在のトトロ館を訪問すると玄関口に「当家に御用のある方は、下記までご連絡下さい」との貼り紙が。そこには弁護士事務所の連絡先が掲載されていた。おそらく債権関係なのか、あるいはマスコミ対応の窓口かもしれない。強要や詐欺で逮捕されている自民党支部代表の自宅がトトロ館というのは特にテレビメディアには格好の材料だ。それでも報道しないのは繰り返すが「同和で暴力団絡み」だと推測ではなく「断定」してもいい。
メディア、政治家ともに忖度の極み
おかしなことにメディアはもちろん普段、権力の監視を自負する野党の面々も自民党支部代表がコロナ融資で強要や詐欺、警察の情報漏洩という事態に沈黙している。警察の情報漏洩という点については政治案件として追及されるべきではないか。無論、同和絡みが要因だが、もう一つの背景として報道側が核心部分を伏せる、他事件との相関性を指摘しないので事件概要が把握しにくいかもしれない。
主要メディアの報道の仕方を区別してみた。
NHK「捜査情報知人に漏らした疑い 警部を書類送検 兵庫県警」2021年3月26日
人権団体の元会長と「自由同和会」を示唆する記述はあるが、全て匿名。また漏洩先は自由同和会幹部であることも言及なし。
朝日新聞「捜査情報漏洩の疑い、警部を書類送検 男性は聴取後死亡」2021年3月26日
同和団体、自由同和会を示す記述はなし。全て匿名。また漏洩先は自由同和会幹部であることも言及なし。
産経新聞「同級生に捜査情報漏洩、兵庫県警、灘署刑事2課長を書類送検 」2021年3月26日
関わったのは「同和団体」とした。全て匿名。また漏洩先は同和関連団体の県本部の幹部としている。またインドネシア投資詐欺や元幹部らが起こした窃盗なども説明している。
3メディアの中では最も産経が詳細だが、それでもこの内容では山崎晃平と関連付けられることはできない。警察が同和団体役員に捜査情報を漏洩する異常な事件にも関わらずなぜ匿名報道なのか不思議だ。しかも事件が複合的で、関与した人物も多数、その上で匿名かつ素性が知れないから各記事を単独でも読んでも事件概要、異様さが全く伝わらない。
そんな中で当サイトは
山崎の後任の会長、八代一士という人物に注目している。この人物が一体、どうなったのか。すでにこの番号は使用されていないが、一体兵庫県本部で何が起きているのか今後、取材・検証を続けていく。