学術・研究:部落探訪(170) 神奈川県伊勢原市板戸大塚戸

カテゴリー: 部落探訪 | タグ: , | 投稿日: | 投稿者:
By 宮部 龍彦

今回訪れた部落は1934年の記録では18戸。場所は現在の伊勢原市板戸にあり、大塚戸という名前で記録されている。大塚戸は現在も公園の名前として残っている。

2008年11月15日の神権連の機関紙『人権のとも』に伊勢原市C地区として紹介されている。目印となるのは、江口次郎人じろひとの記念碑である。

この伊勢原市中央公民館から探訪を開始する。人権スローガンがあるが、同和施設ではない。

住宅地に入っていくとその石碑があった。江口次郎人は山形県の士族の家に生まれたが、医師免許を取り、医師の娘と結婚し、この地で眼科医院を開業した。その直後に部落の全戸が火災で消失し、復興に尽力した。

石碑の内容は伊勢原市のウェブサイトで解説されている。

『人権のとも』によればここに稲荷神社があった。

神社は土台だけになってしまっているが、それ以外は『人権のとも』の写真と一致する。

2014年のストリートビューには神社と鳥居があるのが確認できる。

土台の上には馬頭観音と、観音像の破片のようなものが無造作に置かれていた。

道祖神と石碑の裏側には、菊村、菊川という名字の人物が並ぶ。江口姓も見られる。

晴れていれば大山が見えるはずだが、今日は雪。

この道の向こうに国道246号がある。ゆるい下り坂になっており、ここが部落のメインストリートと考えられる。

同和地区指定はされなかったと考えられ、部落の面影はない。

古くからの住民は大きな家が多い。敷地内にアパートが建っている家も多く、新住民の家やアパートも、もとは古くからの住民の土地と考えられる。もはや部落からは貧困は消えている。

住民に話を聞いてみたところ、昔のことを知っている人はほとんど亡くなってしまい、残る人も高齢で施設に入っているような状態だという。江口次郎人の子孫も比較的最近まで住んでいたのだが、藤沢方面に引っ越してしまったという。

稲荷神社を世話する人もいなくなり、2015年に伊勢原大神宮に遷座された。

よく見ると、古くからの住民の家だったと考えられる空き家がいくつかある。若者は出ていってしまい、残された人も高齢化して、そして家を継ぐ人がおらず空き家になってしまうということが起こっているようだ。

ここは、かつての地名を残す公園。

公園の隣には立派な児童館が。

最後に伊勢原大神宮に行ってみた。

外見からは全く分からないが、ここに稲荷神社の合祀されている。「板戸太郎稲荷」という名前の神社だったそうだ。

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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学術・研究:部落探訪(170) 神奈川県伊勢原市板戸大塚戸」への8件のフィードバック

  1. 酒匂太郎右衛門

    他所で書いたら怒られましたけど(笑)、
    白山自体は八雲神社に合祀されてますね。

    個人的には、土着は”村”の姓の方ではないかと推測してます。

    返信
    1. 酒匂太郎右衛門

      「あ」の次は「さ」ですか(笑)
      この件は、現地行けば分かります。

      岡田の三島神社も同様ですが、
      ネット上では白山を合祀した事を書かなくなっていることが多い様に思えます。

      返信
  2. ん?

    板戸といえば鳥取ループもネタ元として重宝している森岡忠生さんですな。
    かなり離れて場所に家があるが。

    返信
  3. 昔は江口次郎人と検索しても出て来なかったんだよな。
    一発で分かってしまうだろ。
    人権板が廃れた結果だな。

    返信
  4. それ見逃したわ。
    関西の被差別部落ならばあまり面白そうではないから別にいいか。

    返信

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