池袋暴走事故遺族が 厳罰求め署名活動

カテゴリー: 社会 | 投稿日: | 投稿者:
By 三品純

今年4月、池袋駅周辺で自動車暴走死傷事故を起こした旧通産省工業技術院元院長・飯塚幸三氏に厳罰を求め遺族男性や支援者が立ち上がった! 8月3日、事故現場近くの南池袋公園で署名活動を行った。飯塚氏は事故当時、自らも負傷したがその後、逮捕されておらず(叙勲された元官僚だから)「警察が優遇している」「忖度した」という批判も根強い。署名活動は同事故により妻と娘を失った松永さん他、交通事故被害者団体、ボランティアらにより真夏日ながら多くの人を集めていた。署名はこの日までに郵送で約5万筆を集めていたが、この日16時までに約15000人が署名に参加。事件の関心の高さを物語っていた。

慰霊碑設置の募金。ぜひご協力を。

署名活動と同時に事故現場となった豊島区も慰霊碑設置のための募金活動を行った。ここで募金をすると趣意書が配布される。その中に被害者の松永さん遺族のメッセージがあった。

この度、豊島区長高野様、関係者各位の皆様のご尽力により慰霊碑の設置活動をしてくださるとい温かいお心遣いをいただきまして、心より感謝いたします。悲しみや悔しさに苛まれる日々の中で、力強い後をして頂いたと感じました。妻と娘も天国で喜んでいると思います。妻と娘のような交通事故による犠牲者と、悲しむ遺族がいなくなることを心より願っております。交通事故の根絶とこの度の事故で犠牲となった2人を忘れないでほしいとの思いを込めて慰霊碑建立へのご協力を皆様どうぞよろしくお願い致します。(松永家遺族一同)

今回の事故を通して、慰霊碑を建ててくださるお話を聞き、感謝の念に堪えません。この慰霊碑を見ることにより、二度と同じような事故が起きないよう願っております。(松永真菜父)。

ある日、突然、かけがいのない家族を失う。そんな悲しみが伝わってくる。会場の南池袋公園は被害者、松永真菜さん、莉子ちゃんがよく訪れていたという。このため親子で署名に訪れる人も少なくなかった。また自動車事故で肉親を失った遺族も訪れ松永さんを激励する姿も印象的だ。

被害者軽視の風潮ともつながる

日本は本当に不思議な国だ。公共スペースで「人権絡み」の落書きが見つかっただけで、地元首長、自治体幹部職員、施設責任者までが引き吊り出されることもある。広島の駅で落書きが見つかると、なぜか大阪で公共事業が増加する奇妙な現象すらあった。

ところが報道、行政、政治は交通事故被害者、犯罪被害者に対して実に冷淡だ。あるいは特に冤罪の疑いもない死刑囚に対しても救援の声は強い。そんな人々は「厳罰社会にノー」と叫ぶ。ところがヘイトスピーチになると今度は厳罰を求める。「殺人」よりも定義が曖昧なヘイトスピーチやどなたが書いたか不明な落書きの方が凶悪で巨大な罪と言いたげだ。

それから本件についての報道を検証してみるとある特徴があった。陰惨な事故だが加害者が高齢者であるせいか、記事内容によっては「高齢者叩き」という逆批判になりかねない。報じる側も保身が必要だ。そこでインターネット上で高齢者ドライバーをバッシングしている意見を取り上げ、「ネットが、ネットが」と問題をネットに押し込む傾向が見られた。これも今のご時世ありがちなことだ。

支援者や激励に来た人に応じる松永さん。涙を浮かべ感謝する時もあった。

考えてみれば自動車事故についてあまりに対応が甘すぎた。本来は悪質な運転などによる死亡事故に対して厳罰を求めた危険運転致死傷罪も実際に適用されるケースはまれだ。飲酒死亡事故ですら立証が難しく適用されることは少数である。

そんなもどかしさを一般の人々も感じていたに違いない。今回の署名活動の主催者の一人、遺族の松永さんは

「あおり運転や飲酒事故ともつながっています。(危険な運転は)生活や命を奪うという考えを持ってほしい」と訴えた。また事故以来、数千枚の激励の手紙が来たことも明かし特に印象に残ったものとして「田舎にいると高齢者は車がないと暮らせない。何歳になったら運転をやめるつもりです、という手紙を頂いてそういう苦労もあるものだと気づきました」と述べた。

取材に応じる松永さん。悲劇に見舞われたにも関わらず気丈な態度だった。

そして松永さんは厳罰化を求めることで危険な運転の抑止になり自動車事故被害を防げるという考えを示した。

では今後、飯塚氏の処遇はどうなるのか? このまま全く「無罪放免」というのはどう考えても不公平。そもそも問題は飯塚氏が逮捕されないこと以上に、人身事故における警察の対応が不透明な点も問うべきだ。現に今年5月、滋賀県大津市で幼稚園児の死傷事故が起きたが運転手の一人は過失運転致死傷罪に問われている。飯塚氏が特別扱いされているという疑問は払拭できない。

署名活動の主催者の一人、犯罪被害者支援弁護士フォーラムの事務局長、高橋正人弁護士は「本来、刑事訴訟法の原則で考えると(飯塚氏が)逮捕されないのは妥当でしょう」とした上で「しかし同種事案と比較すれば(逮捕されないのは)明らかにおかしいです」と疑問視した。

やはり専門家の視点からしても不自然な扱いのようだ。それから飯塚氏が事故後、家族に電話していたことについて「義務である負傷者救護を怠った」との批判も一部であった。この点について尋ねると「法律論で言えばその通り。ただ実際の人身事故は気が動転して家族などに連絡をするケースがほとんどです」(同)というのが実態のようだ。この点については我が身にも起こりえることとして考えておかなければならない。

また今後は「秋に書類送検されるという話も出ている。まずは署名は秋までやる。もしされない場合は秋以降も継続してやっていく」(高橋弁護士)との見通しだ。

猛暑だがたくさんの人を集めた。
大津市で発生した幼稚園児死傷事故。この加害者は逮捕されたが違いは何?

三品純 について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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池袋暴走事故遺族が 厳罰求め署名活動」への9件のフィードバック

  1. 豆太郎

    >「殺人」よりも定義が曖昧なヘイトスピーチやどなたが書いたか不明な落書きの方が凶悪で巨大な罪と言いたげだ

    これは面白い指摘だと思います。

    思うに、いわゆるヘイトスピーチを過剰に非難する人たちの心の底にあるのは「自分は差別意識を持つ人間ではない」と内外にアピールしたい欲求ではないでしょうか。ヘイトスピーチに対して寛容さを求めると「お前もヘイターの一員だな」と分類されかねません。実際問題、人間は多かれ少なかれ誰かを差別して生きているものですから、日頃の言動を細かく自己検討すれば必ず思い当たる点があり、それを自分で否定したいから反ヘイトスピーチの合唱に対して過剰に同調するわけです。

    一方、凶悪犯に対してはどうかといえば、殺人犯に寛大であれと求めても「お前も殺人者の一員だろう」と分類されることはまずありません。差別と違って、殺人などの凶悪犯罪は「多かれ少なかれ誰でもやっていること」ではありませんから。だから「人権派」としては安心して死刑反対論を唱えられるという側面があります。

    返信
    1. 三品純 投稿作成者

      するどい分析ありがとうございます。その通りだと思いますよ。
      「差別をしない」ということは当たり前で心の中に宿せばいいものを
      彼らは誇大に喧伝するのは結局自分たちを守っているということだと思います。

      返信
  2. 音野

    飯塚幸三(87)という元官僚、クボタの元役員で、瑞宝重光章を叙勲されるといった輝きしき経歴をお持ちの爺。
    マスコミのニュースを見ていると加害者を「さん」付けしたり、あるいは元院長といった肩書をつけたり、またなるべく実名報道を避けるなど忖度している様子が伺えます。
    逮捕されない理由として加害者がけがをしていること、逃亡や証拠隠滅する恐れがないことがあげられ、警察がかなり忖度してる様子での現場検証と事情聴取が行われたようです。
    元アナウンサーの千野志麻のときと同様に権力やお金名誉のある上級国民は人を轢き殺しても逮捕されないみたいですね。(千野志麻の旦那は福田元首相の孫でゴールドマンサックスに勤務するエリート。千野志麻が死亡事故を起こしたときも逮捕されず罰金と裁判で終わっている。)
    飯塚氏は事故直後被害者を救助する様子もなく、息子に「人を轢いてしまった」と電話し、さらに自信のFBのアカウントも即刻削除。「アクセルが戻らなくなった」と言い訳までしています。
    また事故現場に警察がかけつけたときも、普通ではありえない黒スーツの集団がいたそうです。(警察庁官房長の中村格と内閣情報官の北村滋と考えられるとのことです。)
    こんな小賢しい保身を考え付くのに証拠隠滅の恐れがないから逮捕されないと考えると遺族はどんな気持ちになるのでしょうかね。亡くなったのはまだまだ未来のある母娘。ご家族は老い先短い爺に未来ある子ども、家族の命が奪われるとは思いもしませんね。
    世の中敬われる爺ババアが本当に少なくなった気がします。皆すぐキレたり自分勝手で、保身や権力にすがり付く者ばかり。高度経済成長期に好き勝手に暴れてきて、若者にそのつけが回ってきてます。
    この事故が起きた次の日に神戸市バスが1人死亡、5人を重軽傷に負わせる事故を起こしてますが、バスの運転手はマスコミに容疑者呼ばわりで即刻逮捕されてます。同様の高齢者が起こした交通事故でも加害者は「さん」付けされることなく逮捕されてます。
    死亡事故を起こしても逮捕されない世の中になったんでしょうか。それともご高齢の上級国民様が運転されるお車の目の前に出てきた平民が悪いのでしょうか。仲間が事故を起こしたなら、司法をねじ曲げて良いのでしょうか。
    戦後の憲法で身分制度はなくなったはずですが未だに職業の貴賤があるように思われます。
    免許の下限があるように上限も設けるべきです。高齢者は鉄道やバスの割引きパスを配布されてると思いますのでもっと活用するべきです

    返信
    1. 三品純 投稿作成者

      自分も運転する時はヤンチャ車よりも黒いプリウスともみじマークは警戒しています。
      いつだったかもみじマークが国道の真ん中で急停車してハザードランプをつけるから
      何か病気でSOSということかと心配して見に行ったら高齢女性が電話していました。
      注意したらハザードをつければOKという理屈をつけていましたので呆れたものです。

      返信
  3. 斉藤ママ

    この事故の漫画が出版されたようですが、
    上級国民は本当にいて、「私が法律」と思っているのですね!

    実際逮捕されていないのは、ナカマが沢山いるからですよね。

    上級国民は、きっと人の財産奪ってもいいし、
    人は轢いてもいいと思っているんですね。

    思っている事をそのまま書いてしまってすみません。

    返信
    1. 三品純 投稿作成者

      それは知りませんでした。読んでみます。近く上級国民を特集する予定です。

      返信
      1. 豆太郎

        上級国民リスト(五十音順)

        ・荒船清太
        ・飯塚幸三
        ・石川達紘
        ・小渕優子
        ・粂原研二
        ・ジャニー喜多川
        ・竹田恆和
        ・千野志麻

        返信
        1. 三品純 投稿作成者

          自分が取材してる上級国民は本当に貴族的というか代々引き継いだ人びとです。同和絡みではありませんがお楽しみに

          返信
          1. 斉藤ママ

            ここだけの話ですが、私は上級国民のような国家公務員に、
            ブランドショップに連れていかれたり、
            自動車が故障したのは私のせいだと何度も言われたり、
            したことがあります。本当です。

            たぶん沢山の公務員がやっていて誰も逮捕されていないのですよ。

            賄賂を受け取らない、真面目な国家公務員が、ばかばかしく
            なるでしょうね。

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