立憲民主党の街頭演説が活況だ。都内各地で大勢の支持者を集め、その様子は、ツイッター、FBなどSNSでも話題になっている。また漫画家・小林よしのり氏も応援演説に立ち、支持を呼びかけている。10月14日、新宿駅東南口広場で開催された同氏の演説を聞いてみたのだが、小林氏、支持者ともに疑問を感じざるをえないのだ。
14日14時過ぎ、新宿駅南口には共産党の支援者らもビラ配布などを行っていたが、通行人たちはほぼスルー。人だかりができていたのは立憲民主党の候補、海江田万里元経産相の街頭演説。もともと海江田氏は、選挙に弱い。集まった支持者は、応援演説に立つという小林よしのり氏と枝野幸男代表がお目当てなのだろう。
新宿東南口から階下に向かう階段がまるで観客席のように支持者で埋まり、東南口広場を囲んでいる。まるでローマの半円形劇場のようである。そして小林氏の登場で聴衆はさらに熱気を帯びた。もともと希望の党の支持を表明していた小林氏だが、民進党左派を排除したことを理由に立憲民主党の支持に鞍替えした。
開口一番、同氏はこう訴えた。
「この希望の党はね、リベラルを排除すると聞いた時になんじゃこれはと思った。だってねえ自民党の中にもリベラルの議員はいるんですよ。リベラルの議員は排除するといったらこれはもう極右政党になっちゃうじゃないですか。基本的には立憲民主党の仲間ですから、彼らは希望の党を悪く言うことはできない。わしは立候補しているわけじゃないから、一国民としての感覚を言えば希望の党はもう未来はない、希望はない」
ここまでは”想定の範囲内”という内容だが、徐々に「?」と思う発言が増えていく。同時に聴衆の反応も疑問を感じるのだ。
「辻元清美が希望の党から排除された時に、電話がかかってきた。それで”私はどうすればいいの”
と相談してきた。枝野幸男を代表にして絶対に新党を作れ。これは絶対に成功する。待ち望んでいる国民は絶対に多い。枝野はやれると言ったんです。ただ金の問題があるからクーデターを興して
前原を追い出して金庫を奪え、と言ったんだけどこれは失敗に終わった」
辻元氏が希望の党から排除されたのはすでに周知の通り。しかし従来の辻元氏の主張を考えれば、むしろ彼女が問答無用で、希望の党へノーを突き付けるべきではないのか? 小林氏に泣きついている時点で、リベラルどうなったの? と言いたくもなる。
「立憲民主党この党名がいい。立憲主義で民主主義の暴走を防ぐ。素晴らしい党名ですよ。わしは勝手なことを言うけど、民進党という名前に戻してはならん」
こうエールを送り、「自民党は保守でない。あれは単なる対米臣従主義。なぜ自衛隊を自衛隊のまま集団的自衛権に参加させるんですか」
聴衆からも「そうだーー」の声が起きる。
「枝野さんは安保法制の議論の時に”個別的自衛権を強化しろといった”これが保守の考え方なんですよ」
拍手。
「我が国を個別的自衛権で守れ、これが保守の考えなんですよ」
そうだーの声とともに拍手。
「これが集団的自衛権を認めないと希望の党に入れない。なぜなのかと、あやつらは自民党も希望の党も対米臣従保守ですよ」
その通りだ―。の声あり。
「枝野の方がわしから見れば保守なんですよ。リベラルと保守は対立しません。経済政策も枝野氏が出した公約はほとんど賛成できますね。小池百合子と前原誠司は腹を切れ!これは枝野さんには言えんことだからわしがいうよ。安倍一強を食い止めるのは枝野氏しかいない。立憲民主党しかない。圧倒的な勝利を立憲民主党に捧げなければならない」
最後はこのような趣旨で演説を締めた。小林氏らしい内容と言えば、それまでなのだが、どうも腑に落ちないのである。
枝野氏、確かに従来のリベラル像とは異なるが・・
確かに枝野氏自身、単純な保守/リベラルで割り切れるかと言えば難しい。2010年10月、埼玉県内の講演会で尖閣諸島中国漁船衝突事件を受け、中国を「悪しき隣人」と評した。これは旧民主党リベラル派として異例の発言だった。
また2015年、安全保障関連法案で紛糾している最中、枝野氏は「私こそ日本流保守!」と訴えたのも記憶に新しい。有権者の意思とは別に本人のアイデンティティは「保守」にあるようだ。しかし立憲民主党に集まった聴衆たちは、まずリベラルを志向する人々なのだろう。
だから小林氏の「個別自衛権で守れ」という件に拍手喝采を贈る、というのは集団的自衛権は認めずとも、個別的自衛権を有する、と考えているのだろうか? また枝野氏が個別自衛権を強化しろ、との訴えに賛同の拍手や歓声が挙がったのも不思議だ。ならば日本独自に自衛権を強化して、北朝鮮のミサイルにも対抗する、これは許容できるのだろうか。
むしろ味方になる著名人ならば、とりあえず賛同しておく、あの立憲民主党の街頭演説に集まった人々からそんな悲しい意図すら伝わってくるのだ。
*なお枝野氏本人の主張とその人脈、カネについてはまた別稿でお伝えしたいと思う。
小林よしのり氏、すごい人気ですね!
選挙に出たら当選しそうです。
確かに下手な候補より人気ですが、左派の人たちってあれだけ小林さんを嫌っていたのに・・まあ3か月ほどたったらまた主張も違っているでしょう
3か月で主張を変える! (≧▽≦)
志位和夫も小林よしのりと同じことをしているんでしょうか?
>味方になる著名人ならば、とりあえず賛同しておく
これはどこの党も全く同じでしょう。著名人から応援されて「お前の応援は受けない」と拒否した政党の例は聞いたことがありません。
もちろんそれは立場を問わず起きるうることですね。
ただそういうことではなくあそこにいた人たちは「枝野は保守だ」と
言ったことに対して聴衆たちは喝采していました。ではあの場の支持者たちは
「保守」なのか、あるいは「保守」を志向しているのか、と。
それからこれは保守・リベラル双方に言えることだけど
とても浮ついた感じがするのです。
もちろんこれはいわゆる保守右派にも言えることだけど。
なるほど、改革では生き残れない改革派のイメージ戦略! (≧▽≦)
最近は、枝野ばかりでなく福島瑞穂一家も保守と宣伝している団体があり、時代は変わったと感じました。