永住外国人地方参政権推進を “スルー”する前原誠司の姑息人生

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By 三品純

すっかり当初の勢いを失った希望の党。賛同していた政界関係者、首長、文化人といった類の面々も徐々に“梯子外し”に走り出した感すらある。そんな中、本来は同党の中心になるはずの民進党・前原誠司代表もまるで存在感を発揮できていない。あの屈辱的とも思える公認候補との政策協定書まで交わして望んだ総選挙のはずがこの有様。しかも協定書の中には積極的に賛意を示していた「永住外国人地方参政権」も「外国人に対する地方参政権の付与に反対すること」と盛り込まれている。あれほど熱心だったのに一体、前原サンどうなっちゃったの? と思うわけだ―――。

『産経新聞』(10月5日)によれば、政策協定書に外国人地方参政権が盛り込まれたことについて前原氏は、沖縄や長崎の離島で外国人の地方参政権を認めれば、地域が支配され、行政がゆがめられる懸念がある。慎重であるべきだ」と記者団に語った。また同記事によると「もともと私は外国人の地方参政権について賛成の立場だ。在日の方々には日本で生まれ育ち、言葉もしゃべれない人もたくさんいる。そういった人には参政権を認めるべきではないか」とも語ったという。慎重と言いつつ一方で賛意を示す、この主張自体、破綻してはいないか? 過去の言動を辿っても熱心な推進派だったことは明らかだ。

旧民主党代表時代の2005年、民団中央本部団長らの訪問を受け、地方選挙権付与の法案を促された際は、「私は(代表就任の)前から賛成の立場だ。この問題でスタンスは変わっていない」(『民団新聞』2005年12月7日)と語っている。

また印象的だったのは2010年、韓国文化院ハンマダンホールで開催された韓国大使館主催の「新たな100年に向けた韓日協力の方案」というシンポジウムだった。当時、国交相だった前原氏を筆頭に、長島昭久氏、市村浩一郎氏ら当時の与党だった民主党の議員も多数出席した。前原氏は中座したものの参政権について賛意を示していた。

多くの国会議員が参加した2008年2月8日の参政権院内集会。

議員もタジタジ、地獄の質問を前原氏にぶつけみたい

ところで少し前原氏から話がズレるが、在日コリアンの運動家のなんたるやが分かるエピソードがあるので紹介しておこう。このシンポジウム、なぜこの文脈で紹介したかというか事実上、永住外国人地方参政権の“踏み絵”のような様相だったからだ。前原氏が中座した後、このような一幕があった。通常、こうしたシンポジウム、集会では、最後に会場からの質疑応答で締める。この際、参政権の問題で質疑に立ったのは、偶然なのか予定だったのかナゾなのだが、民団地方参政権獲得専門委員会委員長を務めた時悦しよる氏だった。会場には、多くの在日コリアン、運動家、民団関係者が揃う中で議員一人ずつ、参政権についての賛否の意思を問われるという状況。この場で反対の意思を示すのは、想像以上に過酷なものだ。現に「慎重」の立場を取った市村氏は、柳氏から執拗に問い詰められ回答にも苦慮していた。

しかもこの柳氏というのがなかなかのクセモノである。

2007年10月、東京都北区で参政権獲得に向け開催された「日本の内なる国際化」で司会に立ったのが柳氏。旧民主党、公明党、共産党の都議、区議をパネリストに参政権問題などについて問う集会だ。

柳氏が「あなたにとって在日とは?」と各氏に問う場面があった。出席者の一人、公明党の大松あきら都議はこう語った。

「私は神戸の長田区生まれ。ここは高度成長を支えた工場群があって私の母もおばもゴム会社で働いていたが、この経営者は在日の皆様。学校にも在日の皆様がいた。こうした生い立ちだが在日ということを特別、意識したことはありません。私も歴史は詳しくないが韓国は文化の恩人。このご恩にどう報いていくのか考えていきたい。また国家を乗り越えた人間同士のつながりや世界市民という意識が必要である。その先頭を走っているのが在日の方々ではないか」

大松氏の話自体、本来“満額回答”という気もするが、柳氏は納得しない。

「意識がないという意見があったが半分良くて半分悪い。戦後、在日が食べていけない状況、制度上、排除されながら生きてきた。意識がないというのは苦労が分からないというのに等しい」

その結果、

「在日の皆様のご苦労の意識が足りないことについて本当に謙虚に受け止めなければいけない。在日のご苦労に対しては意識が足らないことをお詫びした。秀吉の時代にまでさかのぼってどれほど残虐なことをしてきたか真摯に受け止めたい」

大松氏は、命乞いのような状況にまで追い込まれてしまう。

実は、この質問手法、在日、同和問題でも頻繁に使用されるものだ。例えば「差別があるか?」と問われた場合、「ある」と答えると「いまだに根強い差別がある」という結論になる。逆に「差別はない」と答えると、「まだ意識が足らない」というもの。つまり賛否どちらの回答であっても恣意的に解釈できるというもの。これは、人権問題における行政や運動体の常套手段なのだ。当時、参政権が共生社会に貢献すると民団は訴えていたが、果たしてこのやり取りに「共生」があるのか疑問だった。

かつて前原氏、そして民進党(旧民主党)を支持してきた民団の幹部、柳氏は、あの政策協定書について何を思うのか興味深いところである。そこで前原事務所に今後、参政権について今後、どういうスタンスを取るのか尋ねてみたが結局、反応はなかった。

王将社長射殺事件で浮上した福岡センチュリーゴルフクラブの事務所前にも前原氏のポスターが。

三品純 について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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