【内閣改造】小渕優子抜擢は 参院ドンの 遺言? 首相補佐官に 元国民… 岸田首相は 策士だった

カテゴリー: 政治 | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

13日、第2次岸田再改造内閣が発足した。初入閣が11人、女性閣僚は過去最高数といった陣容。注目は2014年に政治資金規正法違反で経産相を辞任した小渕優子氏が選挙対策委員長に、また首相補佐官に元国民民主党議員の起用だ。今回は総選挙を見据え内閣改造、党の内幕から岸田首相の策士ぶりをお伝えする。

一部で囁かれる臨時国会→総選挙の日程

秋で解散か、それとも来年、総裁選後の解散か、諸説が入り乱れる。現状、党関係者・メディア関係者で出回るスケジュールが以下の通り。特徴的なのは7月頃から取沙汰された解散・総選挙10月22日説が衆参補選で、11月総選挙とされていることだ。

①10月16日(月)臨時国会召集→総理演説 
②10月18、19、20日衆参代表質問 
③10月20日(金)経済対策・補正予算案公表 
④22日(日)衆参補選
⑤10月最終週~11月上旬:補正予算案審議と成立 
⑥11月上旬:解散 
⑦11月14日(火)公示
 ⇒26日(日)投開票

マイナ問題、自民党女性局のフランス研修、秋本真利衆院議員の逮捕などで岸田内閣の支持率は低迷している。内閣改造でも回復は容易ではないだろう。自民にとって好材料がない中で秋解散がありえるのかどうか。

難題は続く。その一つが閣僚の女性枠の確保だった。閣僚の男女比をめぐり野党、マスコミからは確実に揚げ足取りが起きるものだ。ジェンダーバランスを調整するならば閣僚経験者を入れるという手段もあった。経験重視でいけば稲田朋美元防衛相の名前が挙がっても不思議ではないが「LGBT法成立の中心人物。保守系支持層が再度、炎上しかねない」(党関係者)という事情もあるようだ。

当の稲田氏、9月8日に大阪リーガロイヤルホテルでセミナーを開催した。その模様は自身の「X」で報告しているが、しかしある登壇者については触れられていない。マスコミ関係者はシャットアウトした中でフランス視察の炎上主、松川るい参院議員が登壇した。

同会で松川氏は稲田氏に謝意を述べたという。

エッフェル姉さんのご近影。

しかし本来、松川氏は自民党大阪刷新本部のメンバーで当地の有力者。地元の講演会で登壇した以上、稲田氏が報告しても良さそうなものだ。やはり今のタイミングで松川氏を公にするのは避けたのだろう。稲田氏自身もかかる火の粉を避けたとしか思えない。

女性議員は鬼門。仮に一般メディアがこう表現したらバッシングされることだろう。しかし現に火種になっているのは否めない。そんなお騒がせ議員が党役員に起用された。“ ドリル優子”こと小渕優子衆院議員の選挙対策委員長就任である。

参院のドン・青木幹雄氏の 遺言!?

2014年、小渕氏の政治資金規正法違反が報じられたが、警察が家宅捜索に入った際、パソコンのハードディスクをドリルで破壊。これにちなんで“ ドリル優子”のあだ名がついた。エッフェル松川、ブライダル森、華々しいものだがこれでは女性枠に頭を抱えることだろう。

なぜ小渕氏が選対委員長なのか。

「森喜朗元首相のごり押しとされていますが、その殺し文句というのが“参院のドン”こと青木幹雄参議院議員会長の“小渕さんのお嬢さん(優子氏)を要職につけてほしい”との遺言なのです」(政治記者)

仮に小渕氏を閣僚で起用した場合、確実に国会で追及される。これは火を見るよりも明らか。そこで党役員4役への起用でギリギリの花を持たせた格好だ。

しかし13日の会見で過去の不祥事について問われた小渕氏は涙をこらえ「忘れることない心の傷」と語った。そもそも自身の問題だから「心の傷」という表現が適当なのか疑問だ。さておきすでにこうした指摘が入るのは岸田首相も想定していたはず。にも関わらず「青木氏の遺言」という理由で起用するのだろうか。

実はその裏にはポスト岸田をにらむ茂木敏充幹事長へのけん制という見方が強い。

茂木幹事長への けん制か

都内、神奈川など高級住宅街を抱える選挙区で応援演説に入る茂木幹事長。

「ここは私と違って上流の方々が住む地域ですが、私も上流(足利市、関東の上流の意)の生まれです」

持ちネタなのだろうか。こう挨拶すると微妙な笑いが起きる。特定地域を上流・下流と捉えることについてある層からは批判が起こりそうなものだ。朴訥とした風貌だが、「怒りやすい」「パワハラ体質」といった評価が強い。そんな茂木氏のリップサービスはこの程度のものだ。

そんな茂木氏だが茂木派の長としてポスト岸田を狙う。「周辺には幹事長在職中は総裁選を狙わないと漏らしています」(前出記者)という話が専ら。しかしいずれ総裁選に立候補するのが濃厚だ。

「次期総裁選になった際、平成研(茂木派)参院が茂木氏支持とは限りません。そこで岸田首相は小渕氏を要職に就けることで派の分断を狙ったという見方が強いです。しかも青木氏の遺言という大義名分があるから茂木氏としても公に不満を表せません」(前出党関係者)

だとすると想像以上に岸田首相は策士ということになる。

元国民民主党・矢田氏を 首相補佐官起用は?

もう一点、岸田首相の狡猾さが表れたのが国民民主党元副代表兼両院議員総会長、元参院議員・矢田稚子氏の首相補佐官起用だ。矢田氏はパナソニックグループ労働組合連合会出身、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会(電機連合)で男女平等政策委員長を務めた。そして電機連合の支援を受けて2016年の参議院選で初当選した経歴だ。そして矢田氏起用は国民民主党と連携、連立する伏線と見られる。

国民民主党との協力はすでに政界関係者、メディアでも取沙汰されているのは周知の通り。国民民主党・玉木雄一郎代表は4日、「深層NEWS」(BS日テレ)で自公政権に加わる可能性について「選挙区調整が最大のハードルだ」と述べた。

さる選挙プランナーによると

「玉木氏は選挙区調整といいましたが、具体的には茨城5区のことなんですよ」

と指摘する。補足をすると同区は国民民主党・浅野哲衆院議員が当選2回で議席を守ってきた。2021年総選挙では自民党・石川昭政衆院議員(比例で復活当選)に競り勝った。

「浅野さんは日立製作所出身で連合傘下の電機連合の組織内候補です」(同)

そこで玉木氏が「最大のハードル」と評したのは自民・石川氏が比例で当選していることにある。仮に石川氏が比例復活もできない状況ならば浅野氏一本化で済む話だが現状では共存が難しい。

しかも各労組の自民党へのスタンスも影響しているという。

先のプランナーは「あくまで一般論」とした上で

「連合でも旧同盟系の自動車総連、電機連合は自民党とも相性が良いのです。逆にUAゼンセン、電力総連は保守系であっても自民党への抵抗感があります」

と説明する。こうした背景を考慮すると浅野氏は自民党とも手が合うようだ。石川氏の処遇以外は本来、連携のハードルはそう高くもない。

そこで電機連合出身の矢田氏を政権に取り込んで、組合丸ごと自民の支持団体にする狙いがあるのだ。仮に浅野氏の公認を下げれば「電機連合への大きなお土産になります」(同プランナー)というシナリオも選挙巧者の自民ならありえることだ。

今回の内閣改造は様々な疑問が投げかけられる。だが実は岸田内閣を維持するため随所に巧妙な仕掛けがあることをご理解頂けただろうか。策士・岸田首相という訳だが、それが政治、国民生活の向上、経済の回復に繋がるのかは別問題だが…。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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