金正日の料理人の店、航空ショー カラオケ大会、北朝鮮ツアーが熱い!?

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By 三品純

早朝、北朝鮮がミサイルを発射し、目覚まし時計の如くJアラートが鳴り響く。北の暴挙と言いつつ、もはや日常風景の感すらある。制裁、圧力の声も強まるが、彼の地は、どこ吹く風、実は意外と国内の景気は良好との分析もある。しかも今、北朝鮮では様々な趣向を凝らしたツアー旅行が実施され、これがマニアに注目され、密かなブームになっているというのだ。

故・張成沢(右)と会談する松浪氏。日本体育大学『朝鮮民主主義人民共和国第二次遠征報告書』より。

普通、「訪朝」と言えば観光というよりも、シンパの政党、学術団体、人権・支援団体による親善活動のイメージが強い。こうした訪朝に是非はあるが、要人らと対面できるなど皮肉にも情報源になっているのも事実だ。元文科副大臣で、日本体育大学学長、松浪健四郎氏を団長とする日体大は、2013年11月、訪朝し朝鮮体育大学とスポーツ交流を行った。この際、日体大の遠征団を出迎えたのは、故・ちゃん成沢そんてく国防副委員長、国家体育指導委員長。その一か月後、張氏は「国家転覆陰謀行為」を企てたとして処刑されたのは、記憶に新しい。この通り、特定団体の訪朝団になると”いわくつき”になりがちだが、「北朝鮮ツアー」となると娯楽色が強まる。しかも旅行者によれば意外な発見もあるようだ。

日体大訪朝団の保護者の同意書。親も不安だったに違いない。

将軍様の料理人、藤本健二氏。バンダナにサングラスというスタイルで、北朝鮮関連の報道番組の常連コメンテーターだった藤本氏を覚えているだろうか。ここ数年、藤本氏のメディア露出がなくなり、もしや身辺に異変が!? と囁かれていた。ところが今年2月、平壌市内で日本料理店「たかはし」を開店していたことが報じられた。同店は、金日成広場や平壌駅近くのビルに入居(観光地図中央下部参照)。そして「たかはし」の飲食を含む北朝鮮のグルメツアーまで売り出されているのだ。ツアーを企画したJS TOURSの担当者によると、「もちろんツアーに参加したお客様はいらっしゃいます。私も写真を見せて頂きました。天ぷら、お寿司などが出され、カウンター越しに藤本さんとビールで乾杯されていました」と説明する。

『平壌にある日本グルメを食べに行こう!』と冠した同ツアーの価格は202,000円(3日間・2人分)。同社HPを見ると、トレードマークのサングラスではなくメガネ姿だが藤本氏と思しき料理人の姿が確認できる。ただし「※職業が報道関係者、公務員の方はお申込み不可です」という但し書きもある。ツアー旅行と言えども”ワケあり”感が漂う。

AKBまで歌えるカラオケツアー

こうしたグルメツアー以外で、注目されているのが、北朝鮮の航空ショー。旧ソ連と関係が深い国々で長らく運航されていたAn-24の遊覧飛行や、“骨董品”と呼ばれる旅客機や戦闘機のショーが観覧できる。航空マニアにとっては、垂涎の的ということだ。

また日本人の間で人気があるのは、カラオケツアー。「メアリという北朝鮮製のカラオケ機を使ったカラオケツアーもあります。プロの楽団がバックで演奏してくれるからちょっとした歌手気分になれます。日本の曲? いろいろありますよ。確かAKB48の曲も入っていました」とツアーに参加した男性は話す。

さらに男性は、こんなエピソードも明かす。「2004年に起きた『龍川駅列車爆発事故』の跡地も何事もなく見てきました。普通、ああいうものは隠すような気もしますが…もちろん規制も多いけど、意外な写真が撮れますよ」

この通り、一般メディアでは見られない珍しい写真が”ざくざく”状態なのだ。「インスタ映え」などと言っているネットユーザーはいっそ訪朝すれば? とさえ言いたくなるニッチな北朝鮮のツアーなのだ。日本政府のミサイル対応も後手に回り、Jアラートへの批判意見すらある一方で、北は日本人向けのツアーを供する。こんなところにも北朝鮮の外交巧者ぶりを感じざるをえない。

三品純 について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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