【津市】相生町事件で処分職員も関与! 前葉市長、連合の肝煎り団体の育休ハラスメントに批判殺到(前編)

カテゴリー: 地方, 行政 | タグ: , , | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

津市・前葉泰幸市長が理事長で〝労働者の味方〟連合幹部も理事を務める一般社団法人三重中勢勤労者サービスセンターに勤務するA氏が今年2月、育休を申し出たところ昇給・昇進の約束が反故にされたという。A氏がセンターと交わした合意書は前葉理事長名で作成され、職印も押印されたものだ。津市長として子育て支援を主要政策に掲げる前葉氏が「育休はノー」というのだろうか。(写真は同センター会報誌1月号)

百条委員会でも証言した商工観光部長が前事務局長

三重と言えば民主王国、そして連合が強い地域だ。労働運動が盛んな三重で起きた育休ハラスメントが本稿の主題である。

同センターが市から指定管理を受けるサン・ワーク津前。

三重中勢勤労者サービスセンターは中小企業向けの福利厚生サービスを提供する団体だ。津市が年間1300万円の補助金を交付しており、また前葉市長が理事長、部長級が理事、退職者が事務局長であることに加え、従業員の約半数が元市職員である。この組織形態からして事実上の市の外郭団体だ。対外的に市の一機関と目されてもやむを得ないだろう。

一見はセンター内で起きた労働紛争と受け止められるかもしれない。実は三重政界・連合との癒着を示すといっても過言ではないのだ。

本件を知る市関係者は「A氏の育休ハラスメントは9月定例会でも紛糾すると予想します」と明かす。それも単なる労働問題ではなく「政治問題」が絡むからだ。本件の第一報は地元タウン紙『三重タイムズ』(1949号)。相生町事件の当事者、田邊哲司氏の著作『津市役所の闇』の出版元である。

同紙記事とA氏知人の証言を元にトラブルの概要を追っていこう。

同センターは中小企業の労働者向けに余暇活動のサポート、共済事業、社員教育支援、会報誌の発行などを行う。A氏は2023年12月に採用され、主にWebサイトの管理、会報誌制作に関わってきた。

トラブルは昨年9月、A氏が事務局長の業務姿勢や待遇に不満を持ち退職を示唆したことが発端だ。A氏以外の職員ではサイト更新もままならない状況のため、事務局長はA氏の希望する待遇と職場環境の改善を約束し、退職を慰留したという。

「基本的にセンターは〝新しいことをやるな〟という雰囲気が充満していますね。サービスは窓口、FAXや郵送対応のみだったのがWeb申請できるようになったのはA氏がWeb開発、管理するようになってからです」(市関係者)

仮にサイト管理を外注した場合、外部委託費も高額だ。「他の職員では無理だから」と津市元商工観光部長、松田千秋前事務局長がA氏に昇給と賞与の支給率を市と同率にすることを約束。今年4月から基本給から約4万円を昇給することになった。

かつて津市を震撼させた「津市相生町自治会長事件」に詳しい人には旧聞に属する名であろう。脱線になるが、補足しておく。元自治会長が商店街振興を目的とした補助金で交際女性に飲食店Hを営業させていた。ところが女性から別れ話を切り出されると松田氏を含む理事3名と2019年9月17日、閉店を促すため同女を詰めた。その生々しい音声は現在も筆者の手元にある。

H店はその後、元自治会長の親密女性が「小梅」という飲食店を経営し毎月、市職員を集めて飲み会を開催していた。過去記事でその飲み会リストを掲載したが、松田氏も名を連ねていた。

元自治会長との飲み会リスト。24番目に松田氏、6番目にセンター現事務局長の松下氏。

津市で大きなトラブルが起きるとおおかた相生町自治会長事件の人脈とつながるのが不思議だ。事件後、松田氏は津市ビジネスサポートセンター(同市あのつ台)へ異動になった。主要人物に違いないが、大きな処分もなく難を逃れた一人だ。

「松田氏の妻は前葉市長と同級生で親しい仲。彼が重い処分を逃れたのもそんな関係だと囁かれています」(市OB)

退職後、「力が必要だから」と請われたのに…

今年2月、A氏の妻が育休明けで職場復帰が決まった。子供は保育園に入れられなかったため今度はA氏が育休する必要が出てきた。そこでA氏は育休を申請したところ松田氏から「育休を取得するなら基本給のままがいい。社会保険料が上がるから大変になる。復帰後は約2万円の増額で、育休をとらない場合にのみ約4万円の昇給」と育休を理由に当初の約束を撤回するというのだ。

A氏がパタニティ・ハラスメント(育児休業や時短勤務を取得した場合の不当な扱い)と反論したところ小一時間後には当初の昇給額に訂正された。

「明らかに不当です」と憤るのはA氏知人。

「実はA氏は2024年2月末に一旦、退職しているのです。ところが松田氏から〝やはり力が必要だ〟という連絡を受けて同年5月に復帰しています。復帰時には職場環境の改善が約束されていたのに、全く変化がなかったというのです」

約束を平気で破る職場なんだと痛感したのだろう。このためA氏は昨年9月に退職を示唆したのだ。

「今年1月にA氏は全国規模の大手団体からDX化推進職員としてより厚遇で内定を受けていました。その団体に転職することもありえたのに、松田氏が今年4月からの昇給・昇格を認めたからセンターに残ったのです。それが育休を理由に約束を反故されては生活設計そのものが狂ってしまいますよ」(同前)

それでもやむなく育休を取得するA氏に再び松田氏から連絡が入る。センターの職員ではサイトの管理ができないため、育休中にサイトの更新と会報誌制作を継続してくれたら今年4月から更に数万円程度、昇給するというのだ。

A氏は3月から育休に入ったがまるで外部委託のような関係は6月まで続いたという。育休中に「待遇」を盾に業務を強いるというのもおかしな話だ。

「この辺りが津市役所ですよ」(前出市関係者)という嘆きに尽きるのだが4月からの昇給は守られなかった。こうした対応に振り回されたA氏はうつ状態に陥り、通院する日々である。

事務局長が交代して解決合意書を

A氏は今年3月に「職場における育児休業ハラスメント(パタハラ)及び不当な人事処遇(パワハラ)に関する告発」を中勢勤労者サービスセンター側に提出。ところが4月からの昇給の辞令がないまま約束された処遇改善は実行されず。

一方、市役所内部は人事異動のシーズン。今年度から松田氏が転任して新たに元市民部人権担当理事の松下康典氏が事務局長になった。松下氏も上記飲み会リストに名を連ねた職員。相生町事件後は事態収拾のため地域対策に当たった。

どうやらこの人事には裏があるようだ。市関係者はこう解説する。

「松田氏のハラスメントが濃厚のため、松田氏の懲戒処分回避工作と考えられます。なぜなら同センターに松田氏が留任すると、同センターのハラスメント防止規程に抵触し、松田氏は懲戒処分の対象となるからです」

ここからが津市の狡猾なところ。

「しかし、あくまでもセンターと津市は対外的には別組織です。一般的には理解しにくい相関図と思いますが〝前葉泰幸理事長〟から〝前葉泰幸市長〟に対して人事異動の依頼をかけることで、松田氏の責任追及が困難となるんですよ。各団体や市関連企業のトップを前葉泰幸市長が兼任することで、問題の隠蔽や恣意的な人事異動による処分回避も可能になります。これが津市の現状です」(同)

A氏からの告発を受けセンター側は6月2日に第三者への当該ハラスメント事実を口外しないことを盛り込んだ合意書を提示し、一旦は告発書やその補助資料等A氏が提出した全ての資料を事実であったと認め、ハラスメント加害を謝罪。

松下事務局長は「本来は松田前事務局長が4月に行っておくべき約束された昇給・賞与の支給率改定であることから、合意に至らなくても本年4月に遡って実施する」などと誓ったという。口外禁止条項を盛り込んだという点も印象的だ。

前葉市長は子育て支援政策の重要性を強く訴えて、多額の子育て支援費用を本年度予算に盛り込んだ。ところが市長自身が「育児休業ハラスメント事案」に名を連ねた。このことは是が非でも隠蔽したい事実なのだろう。

一旦はセンター側は非を認めたのだが、6月19日には松下事務局長は態度を一変。同事務局長は前言を撤回し、「告発書やその補助資料等A氏が提出した全ての資料を事実であったと言った事実はない。合意がなければ処遇改善は行わない」とA氏に通告してきた。

また「前葉理事長(市長)との協議の中での最終決定であり、この判断の責任は前葉理事長(市長)と私(松下事務局長)である」と述べたというのだ。本来は本年4月に実施されるはずの昇給及び賞与支給率の改定をまるで人質にしてはいないか。前葉・松下両氏によるハラスメント事案隠蔽を目的とした合意署名捺印の強要行為とすら思える。

実際に前葉市長が直接的に「指示」したのかは不明である。しかし、松下事務局長の説明によると、この判断の責任者は前葉理事長(市長)と松下事務局長であり、前葉市長と協議のうえ決定していることから、前葉市長の「承認及び合議」はあったことは間違いなさそうだ。それにどちらにしても合意書は「前葉泰幸理事長」の署名職印の押印があるため、〝現場が勝手にやったこと〟という理屈は通らない。

疑問はまだ尽きない。

合意書によると、A氏の賞与は人事院勧告を基に決定される津市の賞与支給率(本年夏季賞与の場合2.3月分)を採用するとされている。ところが、賞与支給日の7月10日にA氏に支給された賞与は1.25月分であった。つまり、センター側がA氏に強要して締結させたにも関わらず、センター側が合意事項を反故にしたのだ。合意からわずか2週間余りの出来事。最初から約束を守る気がなかったのかと邪推したくなる。

A氏知人はこう説明する。 

「一旦は松下事務局長も謝罪した上で調整の上で後日支給するとA氏に告げています。ところが先に支給された賞与と合わせても、合意書に基づく賞与の6割しか支給されなかったのです。そこでA氏が同事務局長に事実確認をしたのですが、その対応はひどいものでした。〝A氏は育児休業を取得したので、合意書の約束の賞与額に0.6を乗じた額を支給している。賞与減額の法的根拠はないがA氏が法的手段をとるなら、当センターも法的対応をする〟というのです」 

一度は謝罪したのに「訴えるなら訴えてみろ」といった態度である。ここまでくると育休取得に対する報復行為かのようだ。

何より同センターは「勤労者の生活向上」を目的とした組織。ところが内部の職員の労働契約や守るべき法令処遇すら守れないのは問題だ。それも市からの補助金を受けており、連合三重の役員も運営に加わっている。

本来であれば、センターのようなハラスメント加害事業所や不当な賃金減額など労働契約違反などを糾弾し、立場的に不利なA氏をサポートする団体ではなかったか。それが連合自身も加害者であるセンター側の経営者的立場の理事として、今回のような事案を放置するのであれば連合にも責任問題が出てくる。

松下氏にA氏との労働問題について説明を求めた。

「A氏のやり方に対しては憤りを感じていますし、信用できません」と不快感を露わにし、A氏を強く批判。その上で「三重タイムズの記事には誤認があり、抗議文を提出する予定です。どの部分が問題なのかについてはコメントを差し控えます」とコメント。

通常、こうした場合、公務員とは感情的な表現は避けるものだ。しかしA氏を批判している点からしても『三重タイムズ』の記事は同氏が関与したと受け止めたのだろう。あるいはA氏に対して憤りを隠さない点からしてA氏に何らかの不正行為があるという見解なのか疑問は尽きない。

またここまで問題が複雑化したのは前事務局長・松田千秋氏の初期対応に不備があったがためだ。一連の発言等、また夫人と前葉市長との関係を問うた。

「質問は事象に関する経緯等の説明がなく個人に関するものであることから現時点ではお答えすることはできません。(妻は)市長と同級生だったというだけです」

という説明だった。

さて最も本件について説明すべきなのは前葉理事長(市長)である。なぜなら同センターは前葉市長の選挙互助会、応援団組織と言っても過言ではないからだ。後編では前葉市長とセンターとの関係に迫る。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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【津市】相生町事件で処分職員も関与! 前葉市長、連合の肝煎り団体の育休ハラスメントに批判殺到(前編)」への3件のフィードバック

  1. 匿名

    津市が腐っているのは承知しているが、当記事は経緯がわかりづらい
    #c887688620fd16f28cd982fad9cdc736

    返信
  2. 匿名

    ジョイフル中勢ですね。私も会員です。
    この被害者?のA氏が法に基づいて公益通報したことを逆恨みして、信用できないとか憤りを感じるとか言ってる感じですか。
    いじめを先生に告げ口した、いじめられっ子を更にいじめる構図ですねこれは
    #c329e56d7ca1a9cee5432a9f564d29f7

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