河村氏も今日、離党か「9・1河村‐維新会合」から新党結成へ〝百田&有本ファースト〟で日本保守党は分裂寸前⁉(後編)

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By Jun mishina

安倍元首相亡き後、保守派の期待を受けて人気作家、百田尚樹氏が2023年に日本保守党を結党したが、内紛続きだ。中でも前回記事でレポートした河村たかし共同代表へのペットボトル投げ事件、昨年、衆院補選に出馬した飯山陽氏との法廷闘争は象徴的なトラブルである。対外的には沈黙を続ける河村氏だが日本保守党を離脱し、新党を結成する可能性が出てきた。

武田邦彦氏が河村氏を慰留してきた

百田氏が議員控室で河村氏に対してペットボトルを投げ「俺が殴ったら死ぬぞ」などと恫喝した一件。党本部に事実関係について質問状を送付していたが結局、返答はなかった。仮に事実ではないならば百田氏はYouTubeなどで怒りに露わにしたことだろうが、そうした話は聞かない。

SNSを見ると本来は日本保守党の支持者だったユーザーらも百田氏の振る舞いに対して不快感を示していた。当初、熱狂的な支持で発足した日本保守党だがまるで良い話題がない。そして――。

9月19日、日本保守党の竹上裕子衆院議員が離党届を提出したことが判明した。竹上氏は名古屋市長時代の河村たかし氏(衆院議員、日本保守党現共同代表)に共鳴し2022年、愛知県議会補選に減税日本から立候補し当選。

その後の県議選では落選したものの、昨年の総選挙で日本保守党の比例東海ブロックで当選した。新人議員の離脱は党にとっても大きなダメージだ。

竹上氏は離党の理由を明かしてはいないが、党運営への不満があったとみられる。〝政治の師〟河村氏が百田氏と対立していることは竹上氏も心労があっただろう。

離党を受けて百田氏は20日、動画を配信。

「あんた私と河村さんの間に挟まって、なんか困ったことあったか。一回もないやないか。適当なこと言うなよクソババア、と思わず言ってしまいました。ごめんなさい」

百田氏らしい暴言だ。竹上氏が離党に至ったのは〝こういうところ〟だろう。議員の離党は他党でも起こることだが、この物言いは公党のトップに相応しくない。結党以来、人が離れていくことに不安を覚えるのは仕方がないことだ。

では河村氏の進退は今後どうなるか、だがブレイン役のアドバイスが大きいという。

「河村氏のブレインは武田邦彦氏(工学者、参政党元党アドバイザー)なんですよ。武田氏からは〝離党はいつでもできる。自民や維新の連立や次期総選挙のタイミングをみた方がいい〟などと助言されてきました」(河村氏知人)

竹上氏が離党したとなるともはや河村氏が日本保守党に留まる理由もなくなる。どのような判断をするのか。

幻の河村氏&愛知維新連合は白紙になったが…

2019年の百田氏。現在は保守を冠した政党の代表者。

百田氏と対立しても党は離れず様子見の河村氏。しかし水面下では新しい勢力を模索する動きがあった。その舞台は愛知県だ。7月の参院選後、愛知維新の会の若手メンバーが一斉に離党するという情報があった。参院選では女子プロレスラーの広田さくら氏を擁立するも8位という惨敗。この結果に対して山下幹雄幹事長ら執行部に責任を求めたのであった。党運営に不満があるため離党を考え中には減税日本入りを考えたメンバーもいたという。

しかし「維新の場合、身を切る改革で議員報酬から2割の寄付が求められます。対して減税の場合、半分もカットですよ。より厳しい減税に行くとは思えません」(地元市議)

おそらく離党、減税入りをチラつかせて党執行部に再編を求めたと考えられる。また2022年に減税日本と愛知維新は選挙協力が白紙になったという経緯があり、維新から減税入りというのもハードルが高い。

ところが河村氏が百田氏らとの関係が悪化し出した頃に減税と維新の間で雪どけが始まったという。先日、離党を発表した当時の愛知維新の会代表の守島正衆院議員と河村氏の間で再度、協力関係を模索する動きが出てきた。

そして9月に入ると両団体は具体的に動き始めたのである。

「9月1日に名古屋市内で減税から河村氏、大谷智洋名古屋市議ら4人、愛知維新の会からは守島氏、杉本和巳衆院議員ら4人が会食して今後の協力関係について意見交換をしたのです。維新からは山下幹事長も参加予定でしたが〝4対4〟というのが減税からの条件だったので外れました。もとは維新から提案され減税の大谷市議が調整しました。この協力関係については吉村代表も認めており反党行為ではありません」(地元紙記者)

出席者の一人に話を向けると「難しい話ではなく、単純に協力しましょうというだけです。これぐらいにしてもらえますか」と口を閉ざす。しかし一度は関係解消した河村氏をテーブルにつかせて「仲良くしましょう」だけでは済まないだろう。

守島氏も8月の新体制に不満を抱いた維新関係者の一人。また杉本氏(愛知10区)は前回衆院選、からくも比例で復活当選だから安心できない。「杉本氏は内々で参政党入りを打診したところ宗教を理由に断られた」(維新関係者)。宗教という点では参政党も無関係とは思えないが、杉本氏の信仰は度を超えたものだろうか。

大阪府以外の維新議員にすれば今のままの維新では〝次はない〟と不安を覚えるのも無理はない。

しかしその後、状況は一変。守島氏は9月8日、斉木武志、阿部弘樹両衆議院議員と共に日本維新の会に離党届を提出した。

これを受け日本維新の会は守島氏らを除名処分。その上で愛知維新の会の執行部を大幅に刷新。新代表には浦野靖人衆院議員、代表代行に杉本氏、また幹事長には名古屋市・大島英勲市議、政調会長にあま市・毛利尚義市議が就任した。

「大島氏は藤田文武共同代表が連れてきた人物。非常に藤田色が強いメンバーです。浦野氏は自民党の連立を見据えて愛知維新に関わっている余裕はないと思います。実際は杉本氏が主導するでしょう」(前出地元紙記者)

新体制では減税‐維新連合を進めた役員が外されたのが大きい。また守島氏と違い浦野氏は河村氏との関係が薄い。現状では減税‐維新連合は白紙、保留になったというのが専らの見方だ。

だがこのような状況の中で降って湧いた竹上氏の日本保守党離党。そこで現実味を帯びてきたのが〝河村新党〟である。

「河村氏と竹上氏、そして維新を離党した守島氏、斉木氏、阿部氏らを加えた5人。これなら政党要件を満たせます」(維新系議員)

「河村氏がみんつくと合流」有本事務局長がYouTubeで反撃

竹上氏の離党は党幹部が反応しないはずがない。20日には「22日(今日)にも日本保守党は河村氏を除名する」(永田町関係筋)との情報も舞い込んだ。

有本香事務局長がYouTubeで「【緊急】河村たかしさんの死に場所はいくつあるの?!」を配信。

この中で有本氏は河村氏が反党行為をしていると指弾。皮肉を交えながら淡々と語るが内心は怒り心頭であるのが伝わってくる。

今後の動向を読み解く上で、重要となるのは18分頃からだ。

有本氏が話したところ「維新のお三方が離党される前に河村さんは会ってますよね。維新の人たちと。地方議員の方もいらっしゃるようですけど食事されていますよね」と言うのが先の9月1日会合だ。有本氏は河村氏と竹上氏、そして維新の離党組3名が合流する可能性を指摘した。

さらに有本氏は「そして何やらそこにですね『みんなでつくる党』って言うんですかね、大津(綾香)さんという方がいらっしゃいますね。あの方の『みんなでつくる党』も合流するのではないか」という情報が広まっていることを明かした。

通称「みんつく」。NHK党の立花孝志党首と大津党首が代表権をめぐって法廷闘争を続けてきた。2024年に政党助成法上の政党要件を喪失し、この夏の参院選で公職選挙法上の政党要件も失った。2024年3月には東京地裁により破産手続開始が決定されており、仮に国会議員5名が合流すれば政党要件も復活し、再び政党交付金が得られる。みんつくにとっても河村氏らの合流は渡りに船だろう。

減税日本がみんつくと合流するという根拠は乏しい。それにもはや政党要件を満たしていないみんつくに5人の国会議員が合流するというのは相当、無理がある話。ただ一部でみんつく合流説が広まっているのも事実なのだが、噂の出所というのがこれだ。

「みんつくが政党要件をかけて擁立した酒井智浩氏(東京選挙区)の応援演説に2012年総選挙愛知5区で減税日本の公認候補になった前田雄吉元衆院議員がやってきたのです。このことで減税がみんつくとつながったと広まっているようですが、無理がありますね」(ウォッチャー)

前田氏が減税とみんつくを仲介したというのだ。だが同氏はすでに減税から離れており、なおかつ「夏の参院選で前田氏は愛知維新の会に公認を依頼していました」(維新議員)と政治活動は一貫しない。前田氏が仲介者というのは無理がある説だ。またみんつくは多くのリスクを抱える。

「みんつくとの合流はイメージが悪くなる。破産手続きに入った政党にあえて合流する意味がない」(河村氏周辺)という方が自然だろう。

いずれにしても近日中に日本保守党は河村氏を除名ないし離党勧告を行うだろう。

経験、人脈、強固な地盤では百田氏を上回る河村氏が日本保守党に見限ったのか。あるいは百田‐有本両氏による〝河村切り〟なのかは双方の支持者の間で意見が分かれるだろう。

これまで石破政権の中で自民党に対する不信感が募り〝日本人ファースト〟を掲げた参政党が躍進したのはご存知の通り。本来は日本保守党が「保守とは何で、何を保守するのか」を問い続け、有権者に示すべきだった。しかし現状、党の話題と言えば昨年4月の衆院東京15区補選に立候補したイスラム学者の飯山陽氏との法廷闘争だ。

日本保守党の支持者にも問いたいところ。現在、保守派議員に対して憎悪むき出しで活動家たちが直接行動を続け、イスラム住民の土葬問題、不法滞在者、中国韓国は歴史認識で圧力、問題は山積している。その一方で本来、日本保守党はこうした難題に向き合うべきなのにミニ政党のコップの中の争いに終始してきた。

結局、日本保守党は百田氏の私党であり〝百田&有本ファースト〟という内情を軌道修正するのは不可能だろう。いずれ残るのは百田&有本コンビという顛末になりかねない。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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