「排除」され一時は、政界の荒波に溺れかけた民進党リベラル系議員だが、藁をも、とばかりつかんだ「立憲民進党」は、藁どころか安住の地だった!? ここにきて立憲民主党の支持率が伸長著しい。JNNの世論調査によれば同党が希望の党の5・2%を上回り、7・3%と自民党に次ぐ支持率を記録した。一部からは、旧民進党議員との再合流まで取り沙汰されているが、一度売った魂は、そう簡単に“チャラ”というわけにもいくまい。特に永住外国人の地方参政権に賛同していた希望内の旧民進グループの方々、かつての同志のお言葉をお贈りしよう。
希望の党の公認候補の条件として、同党が外国人参政権を反対する旨を含めた政策協定書の署名を求めたのは周知の通り。参政権問題については先日もお伝えした通り、民進党・前原誠司代表も推進派。また希望の党内の民進出身議員を見ても賛同議員は少なくない。逆に立憲民主党の議員の場合、参政権問題については賛同議員がズラリ。中でも愛知県5区の赤松広隆元農水相は、筋金入りの推進派。農水相時代の2010年、民団新年会でも赤松氏は、こう挨拶している。
公約を守ることは政党、議員として当たり前のことです。必ず通常国会で地方参政権法案を成立させ、皆さんの期待に応えていきたい。日本の民主主義が本物かどうか、日本が本当に共生社会になっていけるのかが問われている。日本国民の良識、議会の良識を信じながら、その実現へ先頭に立って頑張ります。
なにしろこの赤松氏、旧社会党時代から熱烈な親半島派。朝鮮銀行(総連系)、商銀信用組合(民団系)がまだ勢いがあった時代のこと。
「在日コリアンの経営者たちは、金があれども、国籍の問題でゴルフ会員になれないことがあった。そこで赤松さんが尽力し、ゴルフ場の国籍条項を撤廃させた」(在日韓国人の経営者)
というお方。またパチンコ業界とも関係が深いのも有名だ。赤松氏の政治献金リストを見ると、名うてのパチンコホール、メーカーがズラリ。パチンコ産業の保護は、民団の強い要望でもあり、同氏が参政権を推進するのも単に“人道的”な配慮であるのか疑問ではあるが…。
そんな赤松氏、参政権を反故にしたかつての同志たちをどう思うのか? 18日、愛知県清須市内で街頭演説に立った同氏を直撃した。通常、この参政権問題、推進派議員は、民団や関連団体のシンポジウムの“お仲間うち”で気勢を挙げるもの。ところが一般メディアや公開討論会など公の場で問われると、逆上するというのがお約束の光景。ところが赤松氏は違った。街頭演説でも開口一番、参政権問題を挙げ、希望の党批判を展開した。
「私どもが多様な社会を認め合っていく、国籍、肌の色、宗教、自分と違うからといってその人たちを排除したり、差別したりしないその一つの象徴的な法案であります、永住外国人の地方参政権の付与も問題、それについては反対に断固反対、というわけです」
逆に堂々と賛同を示す赤松氏には“清々しさ”すら感じてしまう。もっとも参政権問題など、地元の有権者がどの程度、関心を寄せるか謎ではある。それでもこうした主張で長年、国会議員としてこの地に根差してきたのも地元に対しては利益誘導型、国政ではリベラルという“顔”を分けてきたがためだろう。
そのため赤松氏の献金リストを見ると、パチンコ業界以外の商工業者も並ぶ。声の大きないわゆる“市民派”系の旧民主党議員とは異なる政治的背景を持つ。
さあ、赤松氏、かつての同志をど思うのか直撃してみると―――。
―前原さんは推進派なのに参政権反対を含めた政策協定書を交わしましたが?
どうして賛成したんでしょうね(笑)
―やはり許せないという思いがありますか?
いやいや それはそれぞれのこと。僕はできないですよ。あの人たちは平気でやる、ということですね。
そう言い残し、赤松氏は、足早に次の演説会場に向かった。
かつては社会党きっての政策通と言われた赤松氏も御年69歳。対応こそにこやかだが、「あの人たちは平気でやる」とは手厳しい。希望内の民進出身者の諸氏、今さら立憲民主党に秋波を送ってもかつての同志からは「逆排除」を食らうかも!?