夏休み特別企画として、示現舎では部落研究者との対談をポッドキャストとして配信します。今回の対談のお相手は、現役の民俗学者・神職の浅茅先生です。このままお聞きになるか、ダウンロードしてポータブルプレイヤー等でお聞きください。約50分です。
部落と言えば、お寺(特に浄土真宗)がよく見られますが、特に東海・関東では神社(特に白山神社)もよく見られます。そこで、あまり話題に上ることのない、神道と賤民の関係について語っていただきました。
また、部落の起源について、神道と民俗学の見地からも検証します。
出席者は鳥取ループさんと三品さんと浅茅さんですか?
その通りです。
部落の成立なんて、
別に古代に遡るようなものでも何でも無く、
案外身も蓋も無い位に単純なものでしょうね。
戦国期辺りは武具生産に関わる皮作りや産鉄民は
差別というよりは、むしろ重用されてたんじゃないか。
相州西浦賀の浦島一族なんて、あっさり退転出来た挙句、
天保の頃には大庄屋だからな。
畏怖され、同時に賤視が強まったのは
身分制の固定化が進んだ徳川の頃からじゃないかね。
おそらく、部落の由来のほとんどはおっしゃる通り単純なものだと思います。
差別のために貧しくなったとよく言われますが、逆でないと説明できないケースがあります。
貧しいから賎視されるようになったということです。
「日常生起する問題で、部落にとって、部落民にとって不利益なことは一切差別である」という、いわゆる朝田理論のために、
部落の歴史がかなり歪められてしまっていると思います。
例えば、「差別のために条件の悪いところに住まわされた」といった言説がありますが、
農家の末っ子だったり、災害から逃れたりした人が、やむなく条件の悪いところに住んで、
貧困から抜け出せないために賎視されるようになったと考えざるを得ない面があります。
白山神社の宗派仏教の立場から一言。白山神社には白山姫の命つまり白山妙理権現が祀られていることがあります。禅門の雲水は護法神として全員軸を授かります。特に曹洞では。伝法伝戒やご祈祷などに使用するほかは秘密であり、雲水の死とともに棺桶に入れられることもあります。この禅門における白山妙理権現信仰と部落の祭神に関係があるのか、関心があります。なお、雲水に知人はいますが、私は禅門ではありません。