朴槿恵大統領も降参した!?
韓国の「同盟休校」ってなんだ

三品 純 By 三品 純

※写真は日本で労働争議をする韓国サンケン労組。デモの余波が日本にも。

昨年11月から12月、100万人を動員したとも伝えられた反朴槿恵大統領デモ隊。12月9日、韓国国会で朴大統領の弾劾訴追案が可決されたが、デモ隊の勢力が後押しを
したことは言うまでもないだろう。12月に来日した韓国の労働党の重鎮、ホ・ヨング氏によれば「デモは、暴力的ではなくお祭りのような感じで、家族の参加も目立った。中高校生が自分たちの枠を作ってスピーチしたり、小学校5、6年生たちもマイクを握り“なぜ朴槿恵は退陣しなければならないか?”について熱弁をふるった」とデモの様子を振り返る。子供まで積極的に政治闘争に加わるとは、さすがに“デモ大国”韓国である。

反朴槿恵デモが激化していく最中の11月12日、全国民主労働組合総連盟(民主労総)がソウル市内で開催した「民衆総決起大会」でこんなアジテーションがあった。

「青年学生は同盟休校で、自営業者は同盟休業で、試験を終えた中学生・高校生まで、民主労総とともに巨大な国民ストライキを!」

同盟休校? まさか韓国でも狭山闘争? まさか韓国人が「石川(一雄)兄ちゃんは無実だ」とでも言うのか? と思うのは早合点で認識不足! 実は韓国における「同盟休校」とは日本の部落解放運動で使われる「同盟休校」とは、似て非なるもの。というよりも韓国の同盟休校の方が本来の意味で使われているのだ。通称“盟休”または“学校紛擾がっこうふんじょう”とも言われるこの「同盟休校」は、戦前、日本の大学などでごく普通に行われていた。例えば教員の指導方法が悪い、態度が悪い、試験が難解すぎるなどの理由から学生側が団結し、授業をボイコットするというものだ。

対して部落解放運動の「同盟休校」の場合、1976年の第二次狭山闘争頃から特に西日本を中心に行われた。もちろん戦前の解放運動でも「同盟休校」は各地で頻発していたが、全国的な規模で一斉に行われたのは第二次狭山闘争からだ。同盟休校になると同和地区に在住する子供たちは、自分たちが部落出身であることを宣言し、学校を早退する。そして地元の教育集会所などに集結し、解放教育を受けるのだ。狭山事件への抗議や権利闘争という以上に、部落民であるという連帯感を植え付ける意味でも重要な活動なのだ。

では現在の韓国版「同盟休校」はどんなものなのか? 韓国人研究者が解説する。

「大学生の自治会が決めたり、または交流のある大学間で話し合って同盟休校を決めるが、12月の反大統領デモは、左派の教授が授業よりデモと学生たちに勧めたケースも多かったそうだ。逆に商工業者の場合、どちらかと言えば労働者同士、鼓舞しあう”スローガン”の意味合いが強い」

現在の日本ではほとんど聞かれなくなった「同盟休校」だが、韓国では現在でもその伝統が続いているようだ。その歴史は古く日本の統治時代でも当時の行政は、同盟休校に手を焼いていたようだ。朝鮮総督府が1929年に発行した『朝鮮に於ける同盟休校の考察』によると当時の韓国の学生たちは、アメリカ第28代大統領、ウッドロウ・ウィルソンが提唱した「十四か条の平和原則」「民族自決主義」に影響を受けたという。「十四か条の平和原則」とは、民族自決、民族独立の指導原理になったもので、朝鮮の学生たちの独立意識を高めたのである。

ではどんな理由で当時の朝鮮の学生たちは「同盟休校」に踏み切ったのか? 本書で報告された同盟休校の実例を見ると、「生徒がチョーク箱にカエルを入れたので教員が叱責したことへの抗議」「長髪の学生に対して教師がバリカンで二分刈りにしたことへの抗議」「農業の授業中に教師に難問を尋ねたことが挑発的だと注意されたことへの抗議」などが挙げられている。

イデオロギー闘争というよりはバンカラ風、牧歌的な理由の同盟休校が目立つ。むしろ本来の同盟休校は、学生たちの“お祭り”という側面の方が強かったのかもしれない。日本の文化の模倣や“パクリ”が目立つ韓国だが、「同盟休校」については本来の伝統を貫いているようだ。

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韓国の「同盟休校」ってなんだ
」への4件のフィードバック

  1. 匿名

    現在でも、この国で同盟休校をしている地域ってありますかね。全国連のHPをみると、同盟休校について書いてあるような気がするのですが。

    ちなみに、鳥取ループのツイッターアカウントの写真でつかわれいる狭山闘争だか、同盟休校だか知らないが、どこの学校の写真ですか?「清水小学校」でgoogle検索すると、すごい件数が該当するので、絞り込めません。

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  2. 匿名

    清水小学校の教育目標は、解放同盟のスローガンの丸写しじゃないか。いまでも、解放同盟の支配下にあるのかな?

    「学校教育目標」

    差別の現実に学び、人権教育を実践する ~人権教育を基盤に、一人ひとりのよさや可能性をのばし、「生きる力」を育む教育活動を推進する~

    ○ 現実を正しく見つめ、差別を許さない子どもの育成
    ○ 自分のものとして学力をしっかり身につけていく子どもの育成
    ○ 一人ひとりのことをみんなで、みんなのことを一人ひとりが考える集団の育成

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