示現舎合同会社は4月1日付けで川崎市を提訴した。目的は、「川崎市・同和対策生活相談事業」の全容を解明することである。以下から訴状を見ることができる。
2024-4-2-訴状.pdf
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川崎市・同和対策生活相談事業というのは、川崎市の補助金による、川崎市内の同和関係者を対象とした相談事業のことである。
しかし、川崎市ではそもそも同和対策事業も同和地区指定も行っていない。歴史的な意味での同和地区は麻生区早野、宮前区馬絹、高津区下作延に存在するが、現地は開発や住民の入れ替わりが進み、古くからの住民の誰も相談事業を知らないのが実情である。
相談事業であるのに、相談員の氏名や連絡先が公開されておらず、市役所のインフォーメーションカウンターで聞いても、職員がそもそも事業の存在を知らず、相談事業の体をなしていないことが分かっている。
また、相談を実施しているのは部落解放同盟川崎支部と全日本同和会川崎支部であるが、いずれも同和地区外の民家にあり、代表者は「同和関係者」でないことが分かっている。
川崎市は当初「本件補助金の交付団体は、いわゆる同和三団体であり、我が国における人権侵害史上、最も過酷な差別を受けてきた個人や家族から構成されている団体であり、役員に関する情報も一般の団体等の情報と比べ、個人に対する人格的攻撃や差別的取扱い事件を起こしやすく、たやすく名誉や人格的利益が侵害されやすいセンシティブな情報である」と説明していた。
しかし、前述の事実を突きつけた結果、川崎市情報公開・個人情報保護審査会は「現在においても、同和団体を構成する者たちへの差別がなお解消されたとはいえず、部落差別解消のための取組を継続する要請が存続しているものというべきである」という言い回しに変えている。
当然、そのような理屈が通るのであれば、形だけ同和団体を名乗っておけば、補助金詐欺を隠蔽できるということになってしまうものと考える。そのため、まずは、いわゆる情報公開訴訟を提起した。