【三重県伊賀市】解放同盟による 市役所人事への圧力 癒着の実態

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By 宮部 龍彦

本サイトでは解放同盟三重県連委員長が地元の伊賀市八幡地区で、公有地で得られた駐車場収益の一部を自身の個人口座に入れていた問題嘱託職員の給与を不正に得ていた問題を報じた。

この問題を取材する中で、伊賀市が解放同盟の言いなりになってしまう背景として、職員人事への介入があるということを何度も耳にすることがあった。そのため、解放同盟の役員に行政職員が逆らうのは難しいという。そんなことがあるのか半信半疑であったが、その一端を示す文書を入手した。

行政交渉で毎度のように「アホ、ボケ、カス」の暴言

これは、5年前に部落解放同盟伊賀市協議会から伊賀市の同和行政関連の嘱託職員に出された文書である。「2016年度部落解放・人権行政の確立に向けた伊賀市行政交渉への参加について」というこの文書には、こう書かれている。

 日夜分かたぬ部落差別の解決に向けた取り組みに心より経緯を表します。
 さて、みだしのことにつき、下記の日程で開催します。
 昨年度までは、各支部からの参加要請において、参加していただいておりましたが、各隣保館・児童館・教育集会所の嘱託・臨時職員は、部落解放運動により配置してきた経緯と、過日の市協第26回理事会で、伊賀市協の一員という中で参加していただくことを確認しました。
 嘱託・臨時職員の配置は、部落解放運動を積極的に実施することを条件に雇用としていることと、伊賀市における今後の部落問題の解決のために重要な交渉であることを再認識していただき積極的に参加ください。
 交渉は、3日間開催します。
 基本的には全日程の参加としますが、都合により欠席の場合は、別紙の欠席理由書に記入の上、各支部事務局に提出してください。
 理由なき欠席の場合は、再雇用の継続も検討しなければなりません。
 各自自覚の上、ご参加願います。
 17日は、1日ありますので、市協から昼食(弁当)を提供させていただきます。

この文書から読み取れるのは、嘱託職員に行政交渉への動員がかけられていることだ。最も重要なのは「嘱託・臨時職員の配置は、部落解放運動を積極的に実施することを条件に雇用」「理由なき欠席の場合は、再雇用の継続も検討しなければなりません」という部分で、本来は嘱託職員の再雇用の継続は市の権限であるはずなのに、解放同盟側に権限があるかのような書き方だ。

なお、実際に行政交渉の場を見たことがあるというある地区の住民はこう語る。

「行政で部落差別の現状を周知し、啓発内容を報告せよみたいな内容でしたね。参加者は20人くらい。役所は言われるがままでかなりビビってましたよ。前川(支部)の堀忍と寺田(支部)の松村哲夫がよく発言してました」

また、交渉に参加したことがある別の関係者はこう語る。

「交渉? 内容は具体的に覚えてませんがとにかく怖かったです。松村(哲夫)さんが、「アホ、ボケ、カス」と繰り返してました。毎回交渉に出ている人に聞いたら、それがいつものことだそうです」

前出の住民に聞いてみると

「松村は暴言はきまくりでした。普段は物静かなのに交渉だとスイッチが入って、昔の部落のことを繰り返し話して役所の人を困らせてました」

この文書の内容について、松村哲夫氏本人に聞いてみた。解放同盟に協力することが嘱託職員の雇用の条件なのか問うと

「今はさ、会計年度任用職員制度になってるやろ、それまでの分や。解放同盟というより、過去の交渉のなかで、そういう制度を設けてもらってました」

「理由なき欠席の場合は、再雇用の継続も検討しなければなりません」ということは、嘱託職員の人事について解放同盟に権限があるのか問うと

「書き方はどうだったか知らんけど、そんな権限はなかった」

ということだ。

行政交渉の場での暴言については

「そういうことは、あまりないやろ」

と、あるともないとも取れるような返事だ。

ただ、一民間団体のために3日間も行政交渉が行われ、そのうち1日は休日返上で一日がかりというだけで十分に凄まじい。そして、交渉の場での「アホ、ボケ、カス」のような暴言があったことは間違いないだろう。しかもこれが毎年のことだ。

ここに、情報公開請求で入手した行政交渉の要求書と回答書がある。ご覧頂ければ分かるが、毎年これに対応する行政側の負担は相当なものだ。

部落解放同盟伊賀市協議会と伊賀市各支部との交渉.pdf

なお、前出の嘱託職員向けの文書は市役所には「存在しない」ということだった。実質的には行政職員に何かを指示する文書であっても、解放同盟から職員宛のものであれば、公にされないようである。

市有地の駐車場収益を 自治会と解放同盟で 分配する仕組みは 実質的に解放同盟だけで作ったのでは?

取材の中でもう1つ引っかかったのは、堀忍氏の名前が出てきたことだ。過去の解放新聞を検索すると、堀氏は2004年に解放同盟三重県連の書記長、2005年に副委員長であったことが分かる。

実は筆者は堀忍氏の名前を別の文書で見たことがある。以下の、八幡町の市有地の駐車場収益を自治会と解放同盟で分配することを決めた文書だ。

文書には

 八幡町駐車場土地賃貸料について
 伊賀市人権政策部堀忍次長より提案
 土地賃貸料に869000円は八幡町自治会が必要な時、自由につかえる。人権政策部で一時預かるだけ。
 この合意により八幡町自治会は土地賃貸契約書に調印する事に決定。後に解放同盟八幡町支部へ2000万円振り込みを決定する

松岡克己三重県連委員長は駐車場の収益の分配について「伊賀市が提案したこと」と言っていた。しかし、提案したのが堀忍氏であれば、事実として解放同盟の役員の立場にある人が提案したということになる。

そもそも、行政と強い利害関係にある団体の幹部が、その利害に直結する行政の部署の役職を兼ねるということが信じがたいが、伊賀市では当たり前のことのようである。

かつて、鳥取市の同和行政について取材した時にこんなことを聞いた。

「同和対策課長や中央隣保館(現・中央人権福祉センター)の館長には解放同盟員を就かせないことが暗黙の了解になっている。それだと癒着があからさまだから。代わりに、言うことをよく聞く穏当な人物を据える」

ここで、「言うことをよく聞く」というのは、あくまで「市の上層部の言うことを聞く」という意味であって、あまり解放同盟にシンパシーを持ちすぎる人も役職からは排除されたという。

そのような事例と比べても、三重県の解放同盟のお膝元とも言える伊賀市はあまりにも振り切れていないか?

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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