示現舎は1935年の全国部落調査を公開して出版禁止にされてしまったが、一方で部落解放同盟大阪府連合会が一昨年も昨年も部落調査を実施した。示現舎では、その結果概要を入手した。
文書のタイトルは「暮らしのアンケート調査報告書」。部落の調査と明示されていない所に配慮が感じられる。
対象者は「部落解放同盟大阪府連合会傘下の各支部の支部員及び本調査に協力していただく地域の世帯の世帯主」とされる。要は部落の中でも解放同盟員と、その協力者を対象にしたということである。
調査は2回に分けて行われており、今回の結果は「第2次調査」のものである。
そして、これがアンケートの配布と回収の状況だ。これを検証すると興味深いことが分かる。
大阪の部落に同盟員は多いのか少ないのか? 筆者は非常に多いのではないかと感じた。ただ、地域ごとのばらつきが非常に大きい。
大阪市内の部落の世帯数は「50年のあゆみ」により2000年頃のものが分かっている。
それと比較してみると、例えば生江地区では2000年に736世帯であり、現在もなお300世帯にアンケートが配布され、216世帯分回収されたということは多いように思う。ちなみに、2015年の国勢調査によれば、同和地区とされた生江3丁目の世帯数は968世帯なので、「50年のあゆみ」の世帯数が同和関係世帯に限ると考えても、やはり多い。
一方、加島地区は「50年のあゆみ」の世帯数が353世帯、2015年の加島1丁目の世帯数が1757世帯であり、もともと地域全体の世帯数と同和関係世帯と思われる世帯数の乖離が大きい。ただ、それでも186世帯にアンケートが配られ、166世帯から回収されたということは、少なくないように思う。
極体に少ないのは西成地区である。「50年のあゆみ」によれば10443世帯で、アンケートが配布されたのは450世帯、回収されたのは250世帯に留まる。西成地区ではもともと解放同盟の組織率が低いと考えられる。
ただ、繰り返しになるが調査対象者は「部落解放同盟大阪府連合会傘下の各支部の支部員及び本調査に協力していただく地域の世帯の世帯主」なので、地域全体の状況を反映したことにはならない。もちろん、中津、舟場、長柄、日本橋といった、同和地区指定がされず、解放同盟も組織されなかった部落は調査の対象外である。
調査結果よれば、回答者の2人に1人が高齢者で、大阪府全体の高齢化率の2倍になっていることを指摘している。ただ、それは解放同盟員の世帯が高齢化しているということを言っているだけで、部落や同和地区が高齢化しているというわけではない。
もちろん、調査結果には部落とか同和といったことは書かれていないのだが、それにしても、何のために何を調査したいのか、よく分からないものであることは間違いない。
現在同和地区指定されてない峯地蔵も載ってますね
高槻の春日って元々同和地区に指定されていたり、解同が結成されていたんでしょうかね
人権ふれあいセンター的な施設ならありますが
峯地蔵というのは淡輪支部のことでしょうか?
地区指定されていないというのは初めて知りました。
参考文献等あれば教えて下さいませ。
北芝、浪速など表記されていない所はなぜなんでしょう
運動自体が下火になっているからでしょうか。
残念ながらそれは分かりません。
これは2次調査なので、単に1次調査でやったからということかも知れません。
こんなのみつけました。
【大阪の街探訪】大阪府泉南郡岬町淡輪 消滅した同和地区(部落)
ttps://matome.naver.jp/odai/2150142764555647801
ありがとうございます。
実際、淡輪ってどういった扱いなんでしょうか。
解放同盟は組織されているものの、正式に同和事業は実施されなかったということなのでしょうか。
峯地蔵は戦前堀田又吉って人が主導して融和事業が行われてたようですね。
「大阪の同和事業と解放運動」には峯地蔵の名前が挙げられてるますね。
鳥飼とか林みたいな地区ですね。解放同盟も結成されていたようですし、小規模な改善事業が行われていたのかもしれませんね。
結構若い人でも子供の保育なりで有利になりやすいといった理由でも同盟員でいることに繋がるようですね。団地とかは公明支持者が多くても同盟員が多いことも珍しくないとか。