奈良市環境部は永遠に“清美”されないのか!?(後編)

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By Jun mishina

奈良市環境部レポートの最終回。前回までは、昨年夏に発生した職員の不祥事について迫ってきたが、今回は環境部全体にスポットを当て、検証していく。不祥事が相次ぐ裏に潜むものは何か?

職員用の駐車場。問題となったトレーニング施設はここにあった。

38名分の7が古市在住者は何を意味する!?

奈良市役所の北に位置する奈良市環境清美センター。施設内では、粗大ごみなどの持ち込みの自動車で列ができている。工場内では、とにかく職員たちは慌ただしく働いている。一部の職員による不祥事で、このような取材をするというのも心苦しい。森嶋が所属するまち美化推進課を訪ね、いくつか質問をしてみたが、担当課長はとにかく「市の人事に聞いてほしい」と繰り返していた。

もっとも気になったのは、環境部職員に「同和優先雇用枠」なるものがあるのかどうか、である。もちろん同課が答えられるはずもない。この雇用枠について以下のようなデータがある。今回、奈良市環境部を検証するにあたり、奈良市環境清美センターの職員名簿(全200名分)を入手した。

この200名分のうち住所が確認できたのは、38名分だ。そのうち同和地区在住者が14名。さらにそのうちが7名が「奈良市古市」だった。この住所については、もうご存知だろう。もちろんこの数字だけで「同和枠」が存在するとは断定できない。しかし見方を変えれば、38名を抽出しただけで、これだけ古市在住者が存在するのは決して偶然ではないと思った。

では不祥事との相関性はあるのだろうか。これは前編でも指摘したが、京都市の不祥事の場合、覚せい剤、暴力沙汰など非常に悪質な事件が目立った。そうした職員を生んだ背景に、同和雇用枠と杜撰な採用制度が存在したことも明らかにされている。しかし奈良市の場合、中川事件を除けば、不祥事といっても一般の公務員、一般企業の社員でもありえそうなものばかりだ。おそらく採用の問題よりも、その後の職員の勤務状況の管理、指導にも問題があったのでないか。それには、環境部に対する「配慮」や「遠慮」があったのではないかと想像してみた。

こうした背景について奈良市人事課に尋ねてみたが、これも明確な回答を得られず。どんなことでもいい。とにかく関係者からの「本音」が聞いてみたいが、とにかく口を閉ざすのみだ。

奈良県解放センターでようやく得た本音

ならばと何かの参考になるだろうと、奈良県解放センター(奈良市大安寺)内の部落解放同盟奈良県連合会に行ってみた。応対した職員はもちろん名刺を渡した瞬間“怒り心頭”という状態だ。

「よく来れたな。その神経が分からん。お前も宮部も憎いよ」

「そうでしょうね」

この様子なので、森嶋の一件も取り付く島もない。

「よう分かってるやん。だいたいお前らのやってることはなんや。地区名をばらまいてやな」

「解放新聞や機関誌にも書かれることもありますが?」

「あれは特定の人が読むものやん。一般の人には関係ないやん」

これはおかしいと思った。自治体の図書館に行けば、解放新聞など関連刊行物が閲覧できる。ただこうしたやり取りの中で、問題の本質を問う発言が得られた。

「ならあの事件(奈良市部落解放同盟員給与不正受給事件)はどうして発覚したか分かる?」

「分かりません」

「あれはもともと談合の問題やったやろ。俺らかてびっくりしたんや。このままではいかんという幹部の人がおったんや」

つまり解放同盟内部でも中川昌史が手に負えなかったから運動体内部から告発したのだと、そういう趣旨だった。運動体内部で浄化した、という考えのようだ。このやり取りの後、役員と思しき男性職員から「(示現舎とは)係争中のことやしもう出てってくれんか」と言われ退散せざるをえなかった。しかしこのやり取りの中は、ある意味で得心がいった。もちろん事件を起こした当事者が悪いに違いない。ただ同和事業の中で、不祥事を生む素地があることを認めるべきだ。ところが不祥事が起きるたびに何らかの“エクスキューズ”が用意されている。

普通、人権侵犯が起きると運動体もメディアも、例えば「日本人の差別体質」「地域全体の問題」と断じる。ところが同和事業における不祥事が発生し、批判が起きると「エセ同和行為を行った者」「団体や事業への偏見を助長する」という。問題が起きると全体の責任にし、自身の不都合な点は特定個人の責任とする。矛盾してはいないか。

これは環境部の不祥事においても同様だ。もちろん懸命に働く職員たちもいる。しかし不祥事が相次ぐのも事実。不祥事を起こした特定個人の責任で片づけるべきなのか。そうではなく、この際、背景を徹底的に調査、検証すべきである。そしてその背景が「同和」と無関係とはどうしても思えない。もし本稿が「偏見を助長する」というならば、それを覆すための検証作業を見せてほしい。このままでは、不祥事が起きるたびに嵐が過ぎるのを待つ、その繰り返しだ。これが出来ないのであれば、表題通り、奈良市環境部は永遠に清美されることはないだろう。(終わり)

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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奈良市環境部は永遠に“清美”されないのか!?(後編)」への10件のフィードバック

  1. 解放同盟にも浄化しようとする考えを持ってるいる人がいてるんですね
    ポルシェ中川がどうやって解放同盟に入り込んだか興味があります。
    係争中と発言ありますがまだ裁判をやってるんでしょうか?

    返信
    1. 三品純 投稿作成者

      係争中は私どもとです。浄化というよりも中川さんに問題の全てをなすりつけた気もします。

      返信
  2. .

    「よく来れたな。その神経が分からん。お前も宮部も憎いよ」
    「そうでしょうね」

    ここを読んで笑ってしまいました。三品さんの度胸は凄い。

    この件の取材では、同和会や人権連やその他の同和団体に行っても参考にならないものでしょうか。

    返信
    1. 三品純 投稿作成者

      東松山市の部落解放を愛する会に行ったことがありますが、記事にすべきことがないというか。逆に面白い団体があったら教えてください。

      返信
      1. .

        〝自称〟同和から出版社の弱点を巧みについた怒声「コンビニに圧力かけたるぞ!」|久田将義・連載『偉そうにしないでください。』第八回
        http://tablo.jp/serialization/hisada/news002807.html

        これは上原善広の記事が原因だと思いますが、「関西地方のある同和団体」とはどこなのか御存じありませんか。

        返信
        1. 三品純 投稿作成者

          団体は分かりません。同和団体なんていくらでもありますからね。

          久田さんと言えば私もナックルズに解放同盟滋賀県連の名簿流出を書いたことがあります。この時も「ああいうことを書いてもらっては困る」という電話が編集部と私のところにありました。抗議主は匿名で、謝罪要求などはありませんでした。

          ご提示頂いた久田さんの記事を見ると関西とありますね。上原さんの記事にクレームをつけたのも滋賀県内の同和関係者という話を聞いたことがあります。ひょっとしたらこの人のことですかね!?

          返信
  3. 奈良のひと

    「問題が起きると全体の責任にし、自身の不都合な点は特定個人の責任とする。」

    立花町や飛鳥会の件といい、結局はいつもこうなっていましたね。
    この点を改善するだけで少しはマシになるかもしれませんが、未来永劫無理でしょうね。

    返信
    1. 三品純 投稿作成者

      メディアの報道もそういうところあります。役所、報道、団体の3者があいまっていくつかの不祥事につながった気がします。

      返信
  4. a

    この神戸市環境局の弁当買い出しによる罷業も部落関係者でしょうか?

    https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180205-00000007-kobenext-l28

    >市立保育所で5歳の男児の頬を平手でたたき、鼻血を出させたとして、神戸市は5日付で、女性保育士(60)を停職1カ月の懲戒処分とした。また、勤務時間中に弁当を計92回買いに行ったとして環境局の男性職員(62)を停職1カ月に、勤務時間中にランニングを繰り返していた同局男性職員2人を停職15日間の処分とした。

    返信
    1. 三品純 投稿作成者

      どうでしょうか。単純に職員の管理がずさんかもしれないですね。

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