秘書採用に有本氏が介入「日本保守党9・24竹上事務所騒動」中川秘書(東海比例)の繰り上げ狙い⁉

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By Jun mishina

内紛が続く日本保守党(百田尚樹代表)で今度は〝監禁騒動〟だ。9月19日、竹上裕子衆院議員が離党届を提出したと報じられた。そして昨日24日、竹上氏が議員会館内で秘書らに解雇を通知したところ、秘書らは竹上氏の支援者らに監禁されたと訴えたのだ。これを同党・島田洋一衆院議員がXに投稿すると瞬く間に炎上。その内幕を追った。(写真は島田氏のX)

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今週月曜(22日)に日本保守党内紛に関する続報を出し動向を見守っていた。すると午前中、同党の島田洋一衆院議員が突如、Xにこのような投稿を行った。すでに多くの人がご存知だろう。

いま議員会館の竹上事務所に竹上議員が取り巻き4人の男を連れて訪れ、秘書たちに解雇通知を突きつけるとともに、パソコンのパスワード等を教えるまで部屋から出さないと監禁。 中川健一秘書が何とかドアをこじ開けて廊下に向かって助けを求める。 他の議員事務所のスタッフらも廊下に飛び出してきて、衛士が駆けつけるなど大騒ぎに。 まともな手続きを一切踏まず、非常識極まりない。 私は竹上議員に対し、一体何をしているのかと注意したが無言。 議員の資格なし。

離党表明した竹上氏が秘書に解雇通告を行ったところトラブルに発展。竹上氏側の関係者が第一秘書の中川健一氏と政策秘書の笠松正憲氏を監禁したというのだ。周辺には衛士まで駆け付け大きな騒動になった。

これに百田氏が「竹上裕子、狂ったか! とにかくこれは警察案件」と反応。

有本香事務総長も「今、連絡を受けて大変驚きました。中川、笠松両秘書が無事で良かったですが、監禁未遂の疑いがありますので、党として警察に相談します。駆けつけてくださった島田先生、冷静にご対処くださりありがとうございました」と続く。

また昨日25日、笠松氏が監禁事件として警察に相談に行ったとの情報も入った。

SNSに控える〝百田信者〟たちはもちろん同調して竹上バッシングを繰り広げている。同日、午後に竹上氏が記者会見に臨み離党の理由について「河村氏を無視した意思決定」「党本部が支給するポスターの枚数が少ないなど不公平な扱い」「立法事務費が支給されない」「有本氏が推薦した秘書が従わない」といった理由を挙げた。

また先述した秘書との騒動は「解雇通知を渡そうとしたら大声をあげてやめないから衛士を呼んだ」などと説明していた。となると島田氏による上記の投稿とは随分、印象が異なる。

島田氏がいきなり〝監禁〟という言葉を用い、百田氏も例によって強い言葉で竹上氏を罵倒。また有本氏も動画で河村、竹上両氏を批判した。百田‐有本両氏が強い言葉で発したことで、支持者たちも焚きつけられていく。既視感に満ちた光景ではないか。

昨年衆院選東京15区補選に日本保守党から立候補したイスラム学者、飯山陽氏もかつては党のホープだったが、百田氏らと袂を分かつと同様に支持者からの攻撃対象になっている。いつも不思議でならない。新興の少数政党である日本保守党は少しでも味方が必要のはず。それが影響力がある著名人ならなおさらのことだ。仮に党執行部内で対立があったとしてもむしろ支持者たちは諫めるべきではないのか。つまり公党というよりも、百田氏の私党に近いのだ。

だから外部からこうした内部闘争がどのように映っているのか想像もできない。Facebookでは島田氏が竹上批判を投稿すると、なんと自民党の大物、古屋圭司衆院議員までが「目を覚まして下さい」などとコメント。すると秘書の笠松氏をはじめ支持者らが嚙みついた。

保守派の有名議員からの諫言すらも反発してしまう。本来、内輪の争いは恥ずべきこと。しかし百田氏と有本氏の闘争自体が支持者らにとって「成果」になってしまっている。

本当に監禁だったのか?竹上サイドの視点

島田氏の投稿によってすっかり「監禁」が定着してしまった。しかし竹上氏側の証言は異なる。竹上氏は秘書を解雇したことが問題視されているが、党を離れる以上、やむを得ない。詳細は後述するが秘書たちは有本氏の人脈だからだ。竹上氏周辺の話。

「もともと記者会見(24日)の前に中川氏ら秘書に解雇通告をすると決めていたのです。竹上氏とS氏、別の候補者の選対本部にいたS氏、地元豊橋からF氏、Y氏の4人で対応しました。解雇通知を渡されると笠松氏はすんなり従いましたが問題は中川氏。パソコンの管理を任せていたからIDとパスワードを聞こうとしたところ〝不当解雇だ〟と言い出しました。そこで〝パスワードだけでも教えてください〟と言っても応じません」

竹上氏側は解雇は法的にも問題がないことを説明したという。すると

「中川氏はトイレに行きたいと言うのです。竹上氏スタッフが〝トイレに行く前にパスワードだけでも教えてください〟とドアに立ちふさがってもみ合いになりました。中川氏は非常扉から出て島田氏の部屋に飛び込んだというわけです」(同前)

島田氏が言うところトラブルには違いないが、「監禁」とはまた違った雰囲気である。そもそも竹上氏が党を離れると決意した以上、党から紹介された秘書の解雇は仕方がないことだ。加えて筆者の眼には島田氏の投稿が不思議でならない。

トラブルが起き中川氏が島田事務所に逃げ込んだという一連の流れ。衛士まで来た議員会館内での大立ち回りにも関わらず妙に冷静な態度ではないだろうか。しかも「いま議員会館の竹上事務所」と切り出した通り、起きたばかりだ。ところがXの文面は淡々としたもので、早々に解雇通知やパスワードのことまで詳細を把握している。

この間、中川氏が竹上事務所での出来事を説明できたのか。しかもいきなり島田氏は「監禁」という言葉を用いた。双方の言い分を聞かない内に「監禁」と断じてしまうのは国会議員として軽率だ。実は「竹上事務所で監禁されたという筋書き」が出来上がっていた、こんな推測が起きるのも理解できる。

中川、笠松両秘書の過去を追ってみると…

どちらにしても立法府の中心たる議員会館で相応しい行為ではない。

なぜこのようなトラブルが起きたのか。竹上氏が記者会見で語ったところでは秘書らに不満があったようだ。同氏と中川健一、笠松正憲両秘書の間に何があったのか検証する必要がある。追跡してみると、両氏は愛知政界人脈ということが分かった。

日本維新の会元代表の馬場伸幸氏。右隣に中川氏。

日本保守党自体が党歴が浅く、また竹上氏もまだ新人議員だ。昨年の総選挙で当選した後、竹上事務所にも秘書選びが始まったのだが、日本維新の会所属の元半田市議、河村たかし氏の秘書など経験豊富な中川氏が第一秘書に選ばれたという。

中川氏は昨年の総選挙で日本保守党の東海ブロック(名簿順位2位)に立候補するも落選。なおこの時に当選したのは竹上氏だ。両秘書について愛知政界通が詳しい。

「落選後、中川氏は今後の仕事について河村氏に相談し〝日本保守党の職員として働きたい〟と希望を明かしました。そこで河村氏が有本氏に〝この子、使ったってちょ〟と紹介しました。その上で有本氏と面談して合格までは良かったのですが、なぜか竹上事務所の第一秘書として採用になりました」

つまり中川氏は竹上氏が希望した秘書ではなく有本氏から派遣されてきた人物だった。事務総長の息がかかった秘書が第一秘書というのはまるでお目付け役のようだ。

さて次いで笠松氏の経歴も複雑である。

「元は皮膚科の開業医でしたが医療より政治に関心を強めたようです。名古屋市長選に立候補経験がある横井利明市議と懇意にしていましたね。ところが自民には枠がないものだから、維新に接近したのですよ。当初、愛知4区の支部長に決まりかけたのですが、杉本和巳衆院議員が猛反対した結果、白紙になりました。代わって現在、秘書給与詐欺の疑いがもたれる石井章参院議員が連れてきた女性候補が4区支部長に収まりました」(同前政界通)

監禁騒動で話題の笠松氏の過去には現在、疑惑の渦中にある石井参院議員が関係していたのだから愛知政界は面白い。この通り、維新でも立場を失った笠松氏。

そこで中川氏が〝拾う神〟になった。

「秘書がまだ必要だということで中川氏が愛知から連れてきたのです。確か淡路市長選挙(4月27日投開票)の頃でしたね。 最初は第2秘書になってもらい医学博士(ドクター)の資格があるからその後、政策秘書になりました」(日保関係者)

空席になった第2秘書。「竹上氏は別の人を採用しようとしたが、有本氏にはじかれたのです」(同前)となかなか要望が通らない。

さて一方、参院選後に島田洋一氏が雑務や身の回りの世話をしてくれる秘書がほしいと党にリクエストしたという。島田氏と言えば「Fさんという経験豊富で優秀な秘書がいますね」(政治記者)だから政策面のサポートは万全。そこで政務以外の世話係用の秘書を採用した。

「しかしこれでは島田事務所の第2秘書だった小柳岳史氏の立場がなくなります。そこで小柳氏を竹上事務所の第2秘書にねじ込みました。もちろん有本氏の意向ですね」(日保関係者)

小柳氏はSNS上で「通称Oさん」として有本氏とのツーショットが公開されたことがある。

小柳氏は有本氏のお気に入りという。つまり小柳氏についても竹上氏が望んだ人材ではなかったのだ。もちろん新人議員だから党がサポート、指導することはあるだろう。しかし有本氏は議員ですらないし、政治の実務のプロではない。その有本氏がここまで介入する必要性があるのか疑問だ。

立法事務費をプールしたと認めた有本氏

また党から「立法事務費」など政治資金が交付されない点についても竹上氏は記者会見で疑問を呈した。立法事務費とは議員個人ではなく「会派」で1人につき月65万円(年780万円)が支給される制度だ。

ところが竹上氏どころか河村氏にも支給されていないという。「おそらく島田氏ももらっていないと思いますよ」(前出日保関係者)

ではこの金はどこにいってしまうのか。この点については図らずも有本氏がYouTube番組『あさ8!』で明かしている。

有本「会派を組むと、どういういいことがあるのか。立法事務費というのが出ます」
百田「お金かあ」
有本「議員1人頭60万ちょっとだったかな、出ます」
百田「月?」
有本「はい」
百田「毎月180万入ってきた。その金、どこに入ってます?」
有本「プールしてます」
百田「有本さんが?」
有本「有本さんが?じゃない、日本保守党がですよ」
百田「さすが」
有本「当たり前です、そんなのプールしてますよ」
百田「その金くれえ言う、名古屋弁のおっさん?」
有本「言ってますよ」
百田「言ってるやっぱり」

なんと自身がプールしていたことをあっさり認めたのだった。しかも百田氏が「名古屋弁のおっさん」と明らかに河村氏に一刺し。

「有本氏にとってはあまり都合がいい話ではありません。しかし〝金に手はつけていない〟という説明をしたかったのでしょう。普通ならプールはおかしいはずですが、これをもって〝有本さんは公正だ〟と考えてしまう支持者もよく分かりません」(前同)

まだ疑問は尽きない。

有本氏とのトークからすると百田氏は立法事務費の存在を知らないようだ。事務総長といっても要は一般人に過ぎない有本氏がここまで政治資金を管理してきたことに驚く。

「実は河村氏が昨年の総選挙に当選後、会派を組んだ時に代表だから立法事務費の口座を作ろうとしました。ところが議会事務局からは〝有本さんがもう口座を作られました〟というのです。事務局も会派の代表者の同意なしでよく了承しましたね。どうなっているのか謎ですよ」(同)

党の政治資金はこれまでも河村氏が支給を促してきたが、立法事務費の口座まで有本氏が抑えていてはどうしようもない。

以上のことを踏まえ①竹上事務所騒動の真相②竹上氏秘書の採用について③立法事務費のプール問題について中川氏経由で日本保守党に取材とコメントを申し込んだ。

「取材については広報担当の有本事務総長が対応させて頂きます」(中川氏)。しかし秘書に決まった経緯や議員会館でのトラブルは当事者の中川氏からも証言を得たいものだ。中川氏にもコメントを求めた。

「秘書になったのは有本さんも知っていると思います。有本さんが決めていることなので」(中川氏)

やはり中川氏の採用は有本氏ということか。秘書の採用について竹上氏の意向が反映されなかった点も騒動の発端だ。有本氏の権限があまりに強すぎるのではないか。

先の日保関係者が言う。

「島田氏の投稿はご覧になっていますよね。必死で竹上氏を攻撃しているように思えませんか。しかも〝監禁〟なんて言葉を使ったら後で名誉棄損と言われかねないですよ。彼も比例だから〝逆らったら次はない〟と言われていると思います。竹上批判で懸命にアピールしているのでしょう」

確かに当事者でもない島田氏が異様に攻撃的だ。他党の議員からも苦言されたように冷静さを欠いていないか。百田氏が河村氏に対してペットボトルを投げた騒動を思い出して頂こう。

竹上氏は会見でペットボトル投げ事件について言及。しかし当時、竹上氏は『週刊文春』の取材を受けた際、「見ていない」と回答した。この対応について百田氏や支持者たちはやり玉に挙げている。

確かに回答としては矛盾している。しかし当時、まだ竹上氏は日本保守党の議員。代表が起こしたトラブルには迂闊に証言できないだろう。特にマスコミを相手にした場合、慎重になって当然だ。それとも「ペットボトルを投げた」と正直に回答したら満足なのか。ならば当時、竹上氏に対してYouTubeで罵倒大会が起きたに違いない。

それにしても不思議だ。普通、政党とは極力内部のトラブルを隠すものだが、なぜ日本保守党は代表&事務局長までが内実をさらけ出してしまう。党にとって何らメリットはない。これは「情報公開」「情報開示」ではなく単にアンガーマネジメントの欠如という人間臭い理由に尽きる。

日本保守党は支持率も伸び悩む。仮に減税組が党から離れれば支持者も減少していく。百田氏人気といったところで12万票。有本氏の票を合わせても約22万票。この票数が劇的に上昇するのは考えにくいし、また支持者が大幅に増加する可能性も低いだろう。

百田、有本両氏がYouTubeで見せる威勢に反して党勢は芳しくないのだ。政党支持率も振るわない。

「少なくなった票を仲間内で固めたいのでしょう。そこで竹上氏を失職させ、有本氏の息がかかった比例2位の中川氏を繰り上げ当選させたい、こういう推測が出るのは自然なことです」(前出日保関係者)

ますます私党化に向かいそうな状況なのだ。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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秘書採用に有本氏が介入「日本保守党9・24竹上事務所騒動」中川秘書(東海比例)の繰り上げ狙い⁉」への2件のフィードバック

  1. Đồng hồ đếm ngược 5 phút

    面白いですね、日本保守党の内情はまるでテレビドラマのようです!百田氏と有本氏、お互いの支持者も感情に流され、炎上騒ぎを繰り広げています。秘書採用の件から始まったトラブルが、いきなり「監禁騒動」に発展するとは驚きです。島田氏のX投稿が事件の火付け火だったのかもしれませんね。立法事務費のプール問題も、まるで政治資金のヒーロー番組みたいです。政治の世界は本当に面白いですわ。

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