今年1月9日、奈良県安堵町の同和地区産業廃棄物のために支出された補助金が目的どおりに使われた実態がないとして、西本安博町長に賠償させるよう安堵町に命じる判決が出された。
しかし、住民訴訟の対象となったのは、8ヶ月分の216万7200円の支出だけで、実際の不正はさらに長きにわたっていた。そして、役場の職員は不正な支出であることを分かっていたはずなのだが、その責任は追及されないままでいる。
そこで、役場の職員に背任の嫌疑があったものの不起訴になったことについて、4月1日に検察審査会に住民訴訟の原告であった池田忠春氏から審査が申し立てられた。
検察審査会への審査申立書の全文を入手したので掲載する。
代理人弁護士の部分が隠されているのは「某団体への対応が面倒なため」ということで、事情は察していただきたい。
これは、昨年4月7日に不起訴処分とされた件について、審査を申し立てたものである。不起訴とされたのは5人であるが、審査申立の対象となったのはそのうち「背任の主犯」とされるM氏1人である。
池田氏によれば、事情はもっと複雑である。
実際のところ、これは町から補助金を騙し取った「詐欺」に近い。この事件で直接金銭を得た受益者はO氏、でO氏を主犯とする詐欺事件との見方もできる。しかし、町の担当者は騙されていたわけではなく、産廃処理の実態がないと知りながら、補助金を支出していた。
すると、誰かが騙された訳では無いので詐欺ではない。町役場の職員が、意図的に町に損害を与えた背任事件ということになるので。直接補助金の支出を決定したM氏が主犯というわけなのだ。
なぜ利益もないのにM氏がO氏に協力したのか。これは安堵町の特殊な事情として言いようがない。
背後にいる同和の有力者に対する漠然とした恐怖、何かあれば協力しないといけない空気感がそうさせている。これを検察審査員に理解させるのは難しく、池田氏によれば、この申立てを通すのは正直かなり難しいということである。
弁護士への依頼にも費用がかかっている。住民訴訟前に検察が立件していれば、かからなかった費用である。
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