木原誠二官房副長官の妻(X子さん)の元夫・安田種雄さんが2006年4月に不審死したのは「他殺」として「週刊文春」が7月13日号から連続的に報じてきた。7月28日には元警視庁捜査一課殺人犯捜査第一係・佐藤誠氏が記者会見に応じたが説得力に欠ける。当然である。本件は政争ネタに過ぎないのだ。
文春の後追いをする 簡単なお仕事です な人々
約1カ月前に始まった木原官房副長官報道。2014年頃に結婚した木原氏の妻(X子)さんの元夫・安田種雄氏が2006年4月10日に不審死していた。一度は「自殺」として捜査は終了したものの、警視庁は2018年に再捜査を開始。またこの年10月にX子さん実家に家宅捜査が入ったことが週刊文春の取材で報じられた。
これまでの記事で「Z氏の犯行説」、木原氏による捜査への介入などが浮かび上がっている。
例によってSNSでは声の大きな人々たちが木原氏に「説明せよ」との大合唱だ。しかしそうした面々があの長期レポートを正確に読んでいるとは思えない。インパクトがある報道になると即座に飛びつく面々である。
7月28日に元警視庁捜査一課殺人犯捜査第一係・佐藤誠氏による記者会見が開催されたが、佐藤氏は2006年の段階で捜査に関わっていない。
ところが佐藤氏の会見には東京新聞・望月衣塑子記者を筆頭に朝日新聞元記者・佐藤章氏、鮫島浩氏といった独自報道というよりも文春報道に便乗したい面々が集まった。また会見場には月刊HANADA編集長・花田紀凱氏の姿も。左右の人脈が横断したのが特徴的だ。
つまり左派は木原問題を自民党攻撃に使いたい、一方の右派はLGBT法など岸田首相に対する不満が高まり側近の木原氏を失脚させたい、2つの思惑があるのだ。
しかし不思議ではないか。平素は警察の不祥事、不当捜査、冤罪を訴えるメディア関係者もいるがなぜ佐藤氏の主張には同調するのだろうか。しかも佐藤氏が本件に関わったのは2018年からだ。
さらに佐藤氏には地方公務員法の守秘義務違反という疑いもある。捜査上で知りえた情報を数年後に公の場で暴露することについて会見場に集まったメディア関係者は疑問に思わないのだろうか。
例によって立憲民主党は“公開アリバイ仕事 ”というべき国対ヒアリングを行ったが、警視庁・内閣官房を相手にわずか15分の間にどれだけのことが聞きだせるだろう。
文春さん、Z氏とX子父を 使い分ける意味は?
そもそも本件に血道を上げる面々がどれだけ事実関係を把握できているのか謎、である。
文春が報じた「他殺説」のざっくりした流れはこうだ。
種雄氏が暴れる→X子(木原妻)が刺す→死んではいなかった→Z氏(X子の父親)に電話する→Z氏が種雄氏を殺害→アリバイ工作のためにY氏(証言者)に連絡する
というのが文春報道の「他殺説」だ。記事中では説明はないものの「Z氏」とはX子の父親である。
Z氏については佐藤氏も会見場で関与を示した。ただこの説について根拠として「感触と勘」としたのはSNS上でも失笑を買った。同誌8月10日号「木原事件全ての疑問に答える」でも感触と勘としたことについて「だが、その発言はネット上で「根拠がない」と批判を浴びた」との記述がみられる。
Z氏の扱いをめぐって自民党内からこんな疑問が浮上しているという。
「もともと文春はX子さんの調書まで報じているので、Z氏が誰なのか丸分かりです。事件を描写する時はZ氏という表記。ところがそれ以外の場面では『X子さんの父親』という表記です。つまり人物の特定性を下げるという目的があるのでしょう。しかし佐藤氏にあそこまで会見場で話させておいて、それで記事ではZ氏(X子さんの父親)に配慮するのは矛盾しています」
つまり地方公務員法の守秘義務違反の可能性すらあるにも関わらず会見、また記事でもZ氏犯行説を主張してきた。一連の記事を精読すればZ氏=X子さんの父親であるのは明らかなのに核心部分で妙な配慮感がある。
X子さんの父親にすれば使い分けされたところでZ氏と同一人物と喧伝されているようなものだ。
自民党の 最高幹部とは…
木原問題に詳しい政治記者は8月10日号の後半部分に本来の目的があるという。まずはこの一文を引用しておく。
そんな木原氏をめぐり、自民党内からも厳しい意見が噴出している。自民党の最高幹部の一人は、小誌の取材にこう言い放つのだ。「この事件は“疑惑のナイフ”だよ官邸の危機管理を担う副長官が疑惑に関わっているうえ、対応も稚拙。副長官失格だ!」
「自民党の最高幹部とは森山裕選挙対策委員長でしょう。次期総選挙に向けて準備が進む中で政権中枢にいる木原氏に文春砲が直撃したのだから選挙責任者としてはお怒りでしょうね。木原氏本人の問題ではないとは言え大きなスキャンダルに違いありません」(政治記者)
同記者は記事中の最高幹部を森山選対委員長だと指摘した。
「記事では続いて岸田首相と木原氏の蜜月関係が説明されています。要するに木原氏は岸田首相の番頭格で党内にその不満が渦巻いてきました。不審死報道も政争で木原潰し目的だったはずが“犯人捜し記事 ”になってしまったんですよ。引っ込みがつかなくなったので佐藤氏を引っ張り出したのも失敗でしょう。本来は真犯人探しではなくて“捜査介入”の線でいけばより共感が得られたはずです」
こうした経緯からスキャンダルは選対周辺から出た情報という見方が強まる。
つまり木原報道の本質は政局ということなのだ。
なにしろ反自民を鮮明にする朝日新聞の記者ですら佐藤氏の記者会見について疑問を投げかけた。
これも記事の趣旨が「犯人捜し」になったがゆえだろう。仮に「捜査の不当介入」であれば、仮に物証がなくても「疑惑」で押し切ることができた。
いずれにしてもすでに記事の方向性は犯人捜しになっており、世間の関心も不審死の解明になっている。加えて根拠も知見もないが、声だけ大きい一味がまるで文春を後押しするかのよう。
文春砲と言われスクープを連発してきた百戦錬磨の「週刊文春」だが犯人捜し記事にしたのは明らかにミスだ。果たしてどんな落としどころが待つのか。
いつも貴重なお話ありがとうございます。
元反社の田中正道にはお気をつけください。
田中正道が起こした未亡人詐欺事件判決文です。
https://daihanrei.minorusan.net/l/%E5%90%8D%E5%8F%A4%E5%B1%8B%E5%9C%B0%E6%96%B9%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%89%80%20%E6%98%AD%E5%92%8C%EF%BC%96%EF%BC%90%E5%B9%B4%EF%BC%88%E3%83%AF%EF%BC%89%EF%BC%91%EF%BC%91%EF%BC%99%EF%BC%93%E5%8F%B7%20%E5%88%A4%E6%B1%BA
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「平素は警察の不祥事、不当捜査、冤罪を訴えるメディア関係者もいるがなぜ佐藤氏の主張には同調するのだろうか。」
とあるが、佐藤氏が警察庁長官の「事件性なし」に異議を唱えているからでしょう。矛盾はしていません。
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