ファミリーマートの総菜「お母さん食堂」のネーミングがジェンダーロール(社会的性差)や偏見を助長する――として昨年末から関西地方の高校生らが商品名の変更を求め署名活動を実施。これにメディア、活動家らも追随して7576人の署名を集めた。今後、企業活動にとって「ジェンダー平等」は命取りになりかねない。そしてそのノウハウはすでに社民党・福島瑞穂党首が男女共同参画担当大臣時代に教示していたのだ。「企業を殺すにゃ…」で始まる福島節はまさに“ フェミナチ”勃興の萌芽だった!
またファミリーマートがターゲット
またファミリーマートが餌食になった! 2014年に「ファミマプレミアム黒毛和牛入りハンバーグ弁当~フォアグラパテ添え」の販売をめぐって抗議が殺到。製造中止に追い込まれたのは大きく報じられた。フォアグラはガチョウなどに強制給餌を施し「脂肪肝」にした食材だ。無理やり口ばしを開け食べさせるのが虐待というのである。確かに海外でも反対運動があれば、考えてみれば決して健康的な食品でもない。
ただ国内外、フォアグラを提供する飲食店はいくらでもある。それを一つ一つ抗議していくのかと言えばそうでもない。単に何らかの抗議の矛先を探していて見つかったのがファミマの弁当、というのが真相だろう。こうした抗議というものは逆に大企業の方が抗議が容易で、なおかつ先方が「折れやすい」ものである。それでいて「有名企業」だから屈服させたという満足感も高い。
こうした過去を算段した上でか今回は同社の「お母さん食堂」がターゲットになった。同社HPによると2017年9月からは”お母さん食堂”シリーズとして発売された。元SMAPの香取慎吾さんがイメージキャラクターを務めるCMも知る人は多いだろう。
ここで重要なのは署名の成功/不成功に関わらず多くの企業に「性差別」「人権」をごり押しすれば企業を屈服できると印象付けられたことだ。「お母さん」と商品に込められた意図やコンセプトとは無関係。使用したこと自体が問答無用で性差別のレッテルを貼られてしまう。
企業関係者の中には「性差別」をイメージさせない商品名を考案すればいい。こう考える広報、宣伝、販促担当者もいるかもしれない。だが活動家特有の「気づき」にご用心だ。ここで指摘した「気づき」とは従来、ごく普通に存在した言語、習慣、文化、形状、意匠の中から「差別的要素」を見出すこと。そして“ 気づけない人”は「差別者」とする。
考えてもらいたい。発売からすでに3年間が経つが今になって「お母さん食堂が性差別」と言い出した。ロジックや理念というよりも「気づいた」のだろう。なぜかと問われたら「気づいた」としか説明のしようがない。正確に言えば「差別的要素」というよりも「ツッコミどころ」というものだが。
それは「ジェンダー平等でよい社会作り」といった発想ではなく「敵愾心」と言ってもいいだろう。ジェンダー平等で企業を屈服させるという考え方はあの福島瑞穂氏がすでに教示していたのである。
福島瑞穂「企業を殺すには…」
今にして思えばフェミ活動家のオールスターであった。2010年3月13日、奇しくもあの日本学術会議シンポジウム「日本のジェンダー平等の達成と課題を総点検する」で時の男女共同参画担当大臣、福島瑞穂参議院議員は企業における男女平等の達成についてこう訴えた。
「内閣府で業務委託をするときの公共入札のときに女性の雇用率やワークライフバランス、労働条件を組み込んでいることを入札の加点理由にすることを決定し発表しました」
そして
「企業を殺すに刃物はいらない、入札条件を変えれば、公共事業まで変えればいい」
企業を殺すとは饒舌な福島氏らしい。ただこれは単なる“ 言い回し”ではない。活動家というものはとにかく民間企業に対して異様なまで敵意、あるいは規制をかけようとするものだ。その割に人権研修会や協賛金を求めるのが不思議でもあるが…。
ともかく女性の雇用率=ジェンダーバランスを持ち出せば企業が屈服すると福島氏は教示していたわけだ。まるで今のフェミ運動を予見したかのようである。
福島氏が言うところの内閣府限らず、人権研修などの受講を入札条件の加点にする自治体は少なくない。
産業基盤、生活基盤関係など多く市民の生命、経済活動を左右する事業の場合、適正な技術や経験、ノウハウが有する企業にお任せしたいが…。まさかそんな分野にまで「企業を殺すには刃物はいらない」という理屈を持ち出されてはたまらない。もちろんこれを聞いたフェミニストの面々は拍手喝采であろうが。
企業活動への規制、レッテル貼り、抗議活動、こうした行為に烈々たる間には全く気付かないだろう。しかしより社会が活力を失いやがて自身の不利益につながることを助言しておきたい。