立憲民主党‐公明党まさかの魔合体 令和の新進党「中道改革連合」で囁かれる〝F票〟の皮算用

By Jun mishina

「立憲民主党と公明党が新党結成で調整」。1月14日に報道各社が一斉に報じた。衝撃的な一報の後、翌15日に立憲民主党・野田佳彦代表と公明党・斉藤鉄夫代表が会談し新党名を「中道改革連合」とする方針を固めた。今日午後に両党から正式な発表があるとみられるが、立憲主義を掲げてきた立憲民主党が創価学会を母体とする公明党と合流することに議員、支持者は納得できるのか不思議だ。立民にとってのメリットはいわゆる〝F票〟(フレンド票)効果しかないだろう。

令和に蘇った新進党

90年代初頭に「新党ブーム」が起き、1993年8月に細川連立が発足。わずか1年程度で瓦解したがその後、新生党・公明党一部が新党結成に動いた。公明党の一部は「公明新党」を設立しその後、新進党に合流した。地方議会で公明党議員は自民党と会派を組んでいたことから、地方議員らは「公明」として分党し活動を続けた。

立民・野田佳彦代表、公明党・斉藤鉄夫代表も新進党出身。こうした背景から「中道改革連合」構想は「令和の新進党」との声が起きている。高市早苗首相、茂木敏充外相、石破茂前首相も新進党出身。今では袂を分かったが次期総選挙は元新進党人脈の対決という見方もできる。

その後、新進党が分党し、1999年に「公明党」として再結成し、2000年に自公政権が発足。これ以降、25年間、自民党と公明党の共闘が続いた。自公政権以前、両党は対立関係にあったが、連立に至ったのは2人のキーパーソンが欠かせない。1997年5月27日決算委員会第二分科会で後に首相になる人物がこのように創価学会批判を展開した。

巨大な宗教団体であります創価学会、私は、この団体はまさに政教一致の団体そのものである、こう考えておるものであります。 私は、私自身の選挙戦をこの組織に所属している方と戦ったわけでありますけれども、それは大変熾烈な戦いでありまして、何でここまでするのかなとさえ実は思ったわけであります。 

当時、まだ当選1回目の菅義偉元首相だ。ところが菅氏は創価学会の政治部門トップ、佐藤浩副会長と関係を深め、その後は菅氏が公明党・創価学会とのパイプ役になる。ところが佐藤氏の後任、西直木副会長が「反自民」を打ち出した。公明党の連立離脱騒動の際、菅氏の存在感が薄かったのはこのためだ。

斉藤代表「集まった人は立憲民主党ではない」

そして驚天動地の立憲民主党‐公明党の新党「中道改革連合」である。一部の立憲民主党議員から今回の新党構想について不満の声が起きた。

特に1月15日、記者会見に応じた公明党・斉藤鉄夫代表の発言からは公明主導がにじみ出る。会見動画は17分頃から必見だ。

「公明党が掲げた綱領に基づく5つの政策も公明党が作った中道主義を具体化したものでございます。そういう旗の下に集まってきた人に対しての支援のご理解については一生懸命説明をしていただきたいと思います。集まった人はもう立憲の人じゃないです。公明党が掲げた5つの旗に集まってきた人です。立憲の人ではありません」

5つの旗とは「①現役世代も安心できる新たな社会保障モデルの構築②選択肢と可能性を広げる包摂社会の実現③生活の豊かさに直結する1人あたりGDPの倍増④現実的な外交•防衛政策と憲法改正⑤政治改革の断行と選挙制度改革の実現」のことだ。

斉藤氏は「立憲の人ではありません」を繰り返したのが強烈だ。曲がりなりにも野党第一党だった立憲民主党の議員にとって面子を潰されたのではないだろうか。

「そもそも『中道改革連合』という名称自体、昨年公明党が発表した党の骨子、中道改革ビジョンが由来でしょう。党名からして公明党主導ということがよく分かります」(立民関係者)

いち早く新党計画を批判した原口一博衆院議員は「無血開城」「降参宣言」と論じたが、原口氏以外でも同様の思いを抱く議員、党員は少なくないだろう。

それでも野田氏が「中道改革連合」に踏み切ったのは間違いなく創価学会の「F票」(フレンド票)だろう。裏返せば学会票に頼らざるを得ないほど立憲民主党は危機的な状況だったかもしれない。

公明党票が野党に影響する観測

公明党を創設した故・池田大作名誉会長。

俗に学会票は1選挙区で約2万票と言われる。特に常勝関西と言われた大阪府内で「学会票は人口の10%とされてきた」(自民党員)という。だが高齢化などもあり自治体によっては半減したとも囁かれる。それでも一人区、首長選においては強さを誇ったのがF票だ。

連立離脱によってこの票が宙に浮いたところで立憲民主党が便乗してきたのだろう。一部では公明党票が野党に流れた場合のシミュレーションが広まっている。各選挙区で想定されたF票を野党候補に上積みしたものだ。

2024年の総選挙小選挙区で自民党が勝った132選挙区のうち、仮に①自民党候補への投票から離れた場合、29選挙区で野党系が逆転する。そのうち21選挙区が立憲民主党の候補。

②公明票が自民党の対立候補に流れた場合、54選挙区で野党系が逆転。そのうち41選挙区が立憲民主党の候補。

③公明党の比例票が自民党から離れた場合、52選挙区で野党系が逆転。そのうち39選挙区が立憲民主党。

④公明党の比例票が対立候補に流れた場合、なんと86選挙区で野党系が逆転。58選挙区が立憲民主党。

もちろん25年間もの自公政権という関係がある以上、中道改革連合が発足したからといって単純に立民に流れるわけではない。だが少なからずF票の効果はあるだろう。特に大手メディアでは時事通信がこうした観測の下、自民党大敗のシナリオを報じている。

だが立憲民主党の支持者、特に左派層が中道改革連合を容認できるのか未知数だ。単なる選挙協力という見方をする有権者は少なくないだろう。

「どちらにしても斉藤氏は賞味期限切れ。また立憲民主党にも顔になれそうな人材はいません。将来的には公明党・竹谷とし子現代表代行を中道改革連合のトップに据えるでしょう。選挙の主力、学会婦人部も歓迎するはずです」(ジャーナリスト)

立憲民主党内には声の大きな議員たちが控える。実質、第2公明党の「中道改革連合」で票が引き換えとはいえ大人しく振る舞えるのか。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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