訴訟進行状況 2025年7月13日現在

カテゴリー: 全国部落調査事件, 訴訟 | タグ: | 投稿日: | 投稿者:
By 宮部 龍彦

定例の訴訟進行状況報告である。画像は屈辱の差し押さえ。

大阪地裁、さいたま地裁、新潟地裁の裁判が本格的に動き出している。

全国部落調査事件

4月28日、東京地方裁判所の強制執行により普通預金口座から7,898,447円が差し押さえられた。屈辱的な結果ではあるが、これで全国部落調査事件は一通りの決着を見た…わけではなく、まだ続いている。

戦後処理として、相手方が自動車に対して行っていた仮差押えを取り下げた。それに伴い、筆者が法務局に供託していた解放金について、「供託原因が消滅したことの証明申請書」および「解放金取戻許可の申立て」を提出した。6月17日、解放金1,000,000円と利息21円が口座に返還された。

横浜地方裁判所では出版禁止仮処分の範囲の緩和を申し立てており、7月7日を期限として解放同盟側が反論書の提出を予定していたが、現時点で提出は確認できていない。

大阪地裁

6月11日に大阪地裁でリモートでの弁論が行われた。解放同盟側は、相変わらず部落探訪は差別されない権利の侵害という主張である。なぜ部落解放同盟が部落地名を様々な出版物に掲載することは許されるのかということについては説明がない。

次回期日が9月24日 15:00で、弁論はリモートで行われる。

さいたま地裁

次回弁論は9月10日 13:00で、それに先立って6月23日に原告が、8月31日に被告が書面提出する手筈となっている。原告は度々書面の提出を遅延させており、「今度出すのが遅れたら、原告の書面提出を認めないという反論だけ出す」と通告していたので、さすがに今回は遅れずに提出された。次回に主張を持ち越すような記述もないようである。やればできるのである。

原告側は第4から第7までの準備書面と意見書を出している。筆者が一番気になったのは、なぜ解放同盟埼玉県連に埼玉県全体の部落の探訪記事を差し止める権利があるのかという点である。原告は、埼玉県内の部落同士が婚姻で広く結び付いており、どこか一地区が晒されれば県内の親族ネットワーク全体が差別の標的になり得るといった趣旨の主張をしている。これに対して筆者が反論することになる。

2025-04-16-第4準備書面.pdf
2025-06-23-第5準備書面.pdf
2025-06-23-第6準備書面.pdf
2025-06-23-第7準備書面.pdf
2025-06-23-証拠説明書.pdf

そして、証人尋問が申し立てられている。原告と、解放同盟埼玉県連の片岡委員長、そして私が対象となる。

2025-06-23-証拠申出書.pdf

また、閲覧制限が申し立てられているが、何度か訂正されて迷走気味だ。閲覧制限の正式決定はされていない。

2024-2-22_閲覧制限等の申立て.pdf 
2024-12-04_閲覧制限等の申立て(訂正).pdf
2024-12-06_閲覧制限等の申立て(訂正2).pdf
2024-12-06_閲覧制限等の申立て(訂正3).pdf

なお、以下の画像は解放新聞埼玉版。「裁判長 被告を叱責」と書かれているが、逆である。原告側が書面の提出を遅延させ、主張を持ち越す行為を繰り返しているのに、裁判長が適切な訴訟指揮をしないので筆者が抗議したというのが本当のところだ。バックナンバーを一通り読んだが、解放同盟の機関誌なので解放同盟の都合の悪いことは書かれておらず、解放同盟役員のパワハラが原因で久喜市から関係断絶された件は書かれていなかった。

新潟県情報公開審査会

新潟県情報公開審査会では現在、筆者側が公開範囲の拡大を求める審査請求のみが係属中となっている。5月29日に口頭意見陳述が行われた。

口頭意見陳述は非公開であり、内容を詳細に報告することは出来ないのだが、各所が黒塗りにされている解放同盟と教育委員会でやりとりされた文書について、情報公開条例上の「事務事業支障情報」という理由は排除し、非公開理由は個人情報のみにせよというのが、筆者の一貫した主張である。

新潟地裁

まず裁判官が坂本浩志から鈴木拓児に変更となった。年度をまたいだので通常の異動であろう。

傍聴席には約50人が並び、僧侶の姿もあった。前回問題視された手荷物預かりは今回は行われず、原告側の長谷川委員長が10分超の意見陳述を行い、超過分と同時間を被告にも認める形で終了した。

2025-03-11-閲覧制限.pdf   
2025-05-09-上申書.pdf

相変わらず閲覧制限が乱発されているが過剰警備は解放同盟側が上申書で苦言を呈したことから緩和された。裁判官が変わったことで閲覧制限の乱発が止まるのかどうかも注目される。

2025-05-09-準備書面1.pdf 
2025-05-09-証拠説明書.pdf

今回は筆者のターンなので様々な反論をしたが、特に問題としたいのは1988年1月26日の「神林村裁判」の判決である。これは解放同盟が同和対策の個人給付を求めて当時の神林村を提訴したものだが、新潟地裁はその判決文で湯の沢地区は同和地区に該当すると明示した。判決文は解放同盟の機関誌に掲載されており、また新潟地裁で請求すれば原文をそのまま見ることができる。これは閲覧制限されていない。

つまり、解放同盟と新潟地裁は過去に具体的な地名を出して同和地区であると認定することを行っており、そのことは今回の裁判で同和地区の地名を出させないようにしていることと、閲覧制限の乱発は整合していないのではないかということだ。

裁判所は今回、2回分の期日をまとめて設定している。詳細は後の一覧表を参照のこと。

横浜地裁

結論から言えば筆者の全面敗訴である。その論理は予想通りのもので、同和団体の関係者を特定すると「部落差別解消推進法の趣旨に照らし、依然として差別や中傷の対象となるおそれが高い」というものである。そして、相談事業を利用するなら上部団体に連絡すればいいだろうという考えである。

2025-05-28-判決.pdf  
2025-05-28-目録.pdf

地裁の審理では、実際に上部団体に連絡して確認すること、関係者から聴取することを申し出たにも関わらず裁判所に認められなかった経緯がある。当然、不服なので控訴した。

2025-06-11-控訴状.pdf 

相模原市

裁判など前回のイベント今後の予定
東京地方裁判所(原審)
2016年4月19日 提訴
平成28年(ワ)第12785号 他
原告 解放同盟 外211名 他
最高裁判所(係属)
2024年11月24日 記録到達
令和5年(オ)第1710号
令和5年(受)第2187号
原告 解放同盟 外234名
関連文書
2025年4月28日
強制執行で789万8447円を差し押さえられた
2025年5月20日
自動車仮差押取下げ
2025年5月28日

供託原因が消滅したことの証明申請
2025年6月17日
解放金100万円+利息21円返還完了
未定
横浜地方裁判所-出版禁止の仮処分取消し申立て
裁判所が検討中
2025年7月7日
解放同盟反論書提出予定 → 未着
大阪地方裁判所
2023年11月6日 仮処分命令申立
関連文書
2024年7月8日 提訴
令和6年(ワ)第6807号
原告 解放同盟大阪府連 外1名
関連文書
2025年6月11日 15:00
大阪地方裁判所 1009号法廷
第2回口頭弁論
被告はリモートで参加
2025年9月1日
被告書面提出予定
2025年9月24日 15:00
大阪地方裁判所 1009号法廷
第3回口頭弁論
被告はリモートで参加
さいたま地方裁判所
2023年12月6日 提訴
令和5年(ワ)第2913号
原告 解放同盟埼玉県連 外1名
関連文書
2025年6月23日
原告書面提出済み
2025年8月31日
被告書面提出期限
2025年9月10日 13:00
さいたま地方裁判所 101号法廷
新潟県情報公開審査会
2023年8月15日 審査請求
目的:解放同盟が新潟県立高校を糾弾した関連文書の公開範囲の拡大
2025年5月29日 9:30
口頭意見陳述(非公開)

未定
新潟地方裁判所
2024年1月24日 提訴
令和6年(ワ)第23号
原告 解放同盟新潟県連 外3名
関連文書

2025年6月25日 14:00
新潟地方裁判所 1号法廷
第2回口頭弁論
被告はリモート参加
2025年8月29日
原告書面提出予定
2025年9月19日 11:00
新潟地方裁判所 1号法廷
第3回口頭弁論
被告はリモート参加
2025年10月28日
原告書面提出予定
2025年12月10日 11:00
新潟地方裁判所 1号法廷
第4回口頭弁論
被告はリモート参加
横浜地方裁判所
2024年4月6日 提訴
令和6年(行ウ)第19号
被告 川崎市
関連文書

2025年5月28日 13:15
横浜地方裁判所 502号法廷
判決
原告敗訴
2025年6月11日
控訴
審査請求-相模原市
2024年12月9日 審査請求
目的:横浜国際人権センターの財務状況を開示させること
関連文書
2025年6月16日 15:00
口頭意見陳述 実施済み
2025年7月4日
相模原市情報公開・個人情報保護・公文書管理審査会へ諮問通知
未定
審査請求-下妻市
2024年12月13日 審査請求
目的:部落解放愛する会の機関誌『荊棘』のコピーを認めること
2025年3月28日
口頭意見陳述
2025年4月30日
下妻市情報公開・個人情報保護審査会へ諮問通知
未定
審査請求-兵庫県
2025年1月24日 審査請求
目的:準学校法人神戸中華同文学校及び準学校法人兵庫朝鮮学園の状況調査票を公開させること
未定
本サイトに関連する裁判などの一覧

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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訴訟進行状況 2025年7月13日現在」への1件のフィードバック

  1. .

    『もう差別はないという人々に』(部落解放同盟大宮支部編、部落解放同盟埼玉県連合会大宮支部、1974)から引用すると

    「わたしが住んでいるのは三橋地区ですが、三橋地区の部落民は『山本』と『小林』という、二つの姓におおよそ二分されます。三橋の山本と名乗ればハハーン、とわかる仕組になっているわけです」

    これは、さいたま市大宮区三橋3丁目に関する山本文平(部落解放同盟埼玉県連合会大宮支部長)の暴露です。ハハーン、とわかる仕組を作っているのはエセ同和の解放同盟です。
    #9d3ad9e00f464e78be5486e112d3005a

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