親中派・二階元幹事長が 訪中断念! 中国側「台湾問題」と「遺棄化学兵器」以外は 拒否

カテゴリー: 中国, 政治 | タグ: , | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

福島原発の処理水排出をめぐり中国が水産物の輸入禁止、中国本土から日本への嫌がらせ電話など圧力や妨害が続く。中国に理解を求めようと岸田首相は政界きっての親中派、二階俊博元幹事長に訪中を要請したが中国側が拒絶。逆に中国側は「台湾問題」と「遺棄化学兵器処理」を持ち出し強気な姿勢を崩さないという。

親中派の 筆頭、二階氏も“お客様”だった

大阪万博の視察をする二階氏。

今年4月、超党派の日中友好議員連盟会長に就任した二階氏。2015年には政界、実業家など3000人からなる訪問団を率いて訪中したのはまさに圧巻だ。中国政界と最もパイプが強い政治家、と目されてきた。特に2015年訪中は二階氏と習近平国家主席が揃って会場に入場。この時の「熱烈歓迎」ぶりは話題になったもの。

この蜜月関係にも関わらず9月の二階訪中は叶わず。一部マスコミは「習近平国家主席とパイプがある二階氏ですら交渉を閉ざされた」といったニュアンスで報道していた。しかし実際は「二階氏が近いのは曽慶紅元国家副主席、そして王毅外相」(中国通)で習近平の歓待はあくまでサービスに過ぎない。

自民党には親中派とされる議員は数多く存在したがその一人、故・野中広務元官房長官は二階氏らを「お客様」と評したという。野中氏周辺が明かしたエピソードを以前、紹介した。

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「生前、野中先生は二階(俊博)や古賀(誠元幹事長)に自分が築いた中国とのパイプを引き継いでもらおうと思ったが、あれはいつまでも中国のお客様だ、と言われていた。所詮、秘書上がりだから大所高所から物を見ることができないし、人脈作りが分かっていない、と。こういうことを言われていたよ」

もっとも仮に野中氏が健在だったとしても中国と交渉はできなかっただろう。しかし本来の人脈、パイプとは両国間に摩擦が生じた時に対話できることではないか。そういう意味ではこの難局で対話ができない二階氏はやはり“お客様”に過ぎなかったことになる。

こうした指摘は著者のみならず有識者からも。YouTubeでも人気の嘉悦大学教授・高橋洋一氏が旧Twitter「X」で親中派・二階氏を皮肉った。

結局のところ親中派・中国とのパイプといった存在は平時に「友好」「未来志向」「共栄」などと手をつなぐセレモニーの範囲であって真の「外交」ではなかった。しかし今回の訪中拒否によって中国外交の最前線、対日戦略が読み取れる。この点は見過ごしてはならない。

中国側「処理水の話は できない」と通告

二階氏は日中友好議員連盟会長として訪中する予定で岸田首相から処理水をめぐる摩擦解消を期待された。しかし中国側は妥協しない。党関係者によれば中国側から「処理水の話はできない。話し合いをするとすれば台湾問題と遺棄化学兵器の処理だ」と告げられたという。「7月から始めた日本半導体製造装置の輸出管理強化も中国にとってダメージでした。訪中が暗礁に乗り上げた原因の一つでしょうね」(前同)。

そして中国側が持ち出したのは台湾問題と旧日本軍が中国に遺棄したとされる化学兵器処理事業。中国側が話し合いに応じるとしてもこの2点のみと強気の姿勢だ。なにしろ中国にとって台湾は核心的利益。要するに日本に口出しするな、ということである。

近年、中国の太平洋進出は顕著。特に台湾問題は習近平体制になってから野望を隠さなくなった。中国の軍事力に関する年次報告書「中共軍力報告書」で2027年頃までに台湾統一問題の解決を推し進める可能性があると明記。

日本が台湾問題に言及することに不快感を示す。特に昨年5月、中国国防省の呉謙報道官が「台湾問題はあくまで中国の内政であり、日本側が口出ししたり手を出したりすることは許されない。日本が台湾を植民地支配した50年は筆舌に尽くしがたく、台湾についてあれこれ言う資格はない」(朝日新聞5月26日)と批判したのは印象的だ。

そして押せば日本があっさりと引くのが歴史認識問題。遺棄化学兵器処理で揺さぶりをかけるというのは常套手段といってもいいだろう

さらに習近平体制に詳しい在阪華僑は「遺棄化学兵器処理は中国高官の序列、昇進にもつながる」と指摘する。日本の自虐史観を利用した単なる交渉材料だけでもないのだ。

遺棄化学処理担当は 出世コース

それには「伏線」があるという。習近平体制の意向を最も強く受ける中国駐大阪総領事館の公式発表にそのヒントがある。今年3月16日の総領事館ニュース「歴史を心に刻み、平和を大切に――魔窟毒ガス島探訪」での薛剣総領事の挨拶」で化学兵器について言及した。薛剣総領事の発言を引用しよう。

私たちは改めて日本側に責任と義務を着実に履行し、各種投入を全面的に強化し、各方面が一丸となって作業を加速させ、一日も早く日本の遺棄化学兵器の毒害を徹底的に取り除き、中国人民に綺麗な土地を返し、中国人が受けていた戦争の痛みを鎮めるよう強く促します。

全体的に強い表現で日本を非難し対応を求めた。遺棄兵器処理も中国の情報戦の一つ。1997年に「日本国政府及び中華人民共和国政府による中国における日本の遺棄化学兵器の廃棄に関する覚書」を交わし処理事業が始まった。

覚書を交わしたのが他でもない当時、「外交部部長助理」の職にあった王毅外相だ。日本では内閣府に遺棄化学兵器処理担当室を設置し、また中国は「外交部日本遺棄化学兵器問題処理弁公室」で対応してきた。

遺棄化学兵器処理担当室HPより。

処理事業は年々、進んでいるがここにきて中国側がさらに予算の増額を要求しているという。一つには経済成長の停滞、また不動産バブル崩壊で“金回り ”も悪くなった。そこで手っ取り早く歴史認識問題で日本からカネを引っ張ろうというわけだ。

さらに先の中国通は「遺棄化学兵器問題は中国高官にとって出世の糸口なんです」と指摘する。何より1999年の覚書締結に関わった王毅外相は今や中国外交のトップだ。

中国駐大阪総領事館12代目総領事の劉毅仁はかつての旧日本軍遺棄化学兵器問題弁公室の元主任。また同館14代目総領事の何振良は外交部日本遺棄化学兵器問題処理弁公室元主任。総領事は「大使級」。化学兵器問題処理弁室は出世コースと言えるのではないか。

現総領事の薛剣氏が強い言葉で日本を非難するのも歴史認識、また日本マネーの獲得、また自身のキャリアアップも関わってくる。

二階氏との交渉で「遺棄化学兵器問題」を持ち出したのも最も有効な圧力であり、また中国高官にとって最も見えやすい成果なのだ。処理水に加えて遺棄化学兵器を訴えればプレッシャーの上積みになる。正直、今の日本の政治家・外交官で対応できるとは思えない。

中国高官「親中派議員は 使えない奴だ」

日本の政治家、要人といっても二階氏ですら“お客様”。その上、「遺棄化学兵器」という非難材料がある。今の現状で仮に対話したところで日本の利はまずないだろう。

日中友好という名の下、いわゆる土下座外交を続けてきた結果、本物の外交ができなくなってしまった。親中派議員の罪深さ、である。

マスコミやリベラル系の議員の間では「親中派議員」という存在は評価されるものだ。しかし実際に外交に貢献したことがどれだけあったことか。日中の要人と親交があった先の在阪華僑は秘話を明かす。

「親中派として有名な河野洋平氏。1975年に議員の立場で東南アジア諸国連合外相会議に参加した時に途中、飛行機のトラブルで台湾に緊急着陸しました。そして後に中国の高官と面談すると『私は台湾の空港から一歩も出なかった』と言ったのは有名な話です」

そして同氏は「さらに後日談がある」と続けるのだ。

「中国の高官は河野氏の話をにこやかに聞いたそうです。ところが側近に“あれ(河野)は役立たずの男だ。台湾側と意見交換してその様子を教えてくれたら良かった”と周囲に漏らしたと伝わります」

河野氏としては“中国様”とばかりに最大限の配慮をしたつもりだろう。しかしテーブルの上では談笑し、下で蹴りあう外交はできない。河野氏の必死の親中アピールも中国側からは値踏みされたにすぎなかった。

こうなってしまうともはや“お客様”ですらない。訪中といっても国際交渉ではなくて単なる国際親善程度。とても政治家の仕事と言えないだろう。台湾問題、歴史認識問題にせよ結局、中国の増長を許したのはこうした無定見、無責任な親中派の面々ということになる。処理水をめぐる中国の圧力は当分、続きそうだ。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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