「出会い系バーで貧困調査」でお馴染み元文部科学事務次官の前川喜平氏を次期NHK会長に!? 市民団体の呼びかけの下、11月4日、衆院第二会館の記者会見で前川氏は不偏不党のNHK運営を訴え意欲を見せた。報道の中立を訴える一方で団体の背後にはあの「女性国際戦犯法廷」の関係者がいるのだ。
ビーチ前川と 呼ばれた人物が NHK会長!?
出会い系バー「ラブオンザビーチ」に通ったことからSNS上などでは“ ビーチ前川”の名がネットスラング化した。
そんな人物が市民団体から次期NHK会長に推薦との報はシンパ・アンチ入り乱れてSNS上で話題沸騰だ。
「前川喜平さんを次期NHK会長に!」との呼びかけを行うのが市民団体「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会」(小滝一志事務局長)。
11月4日、同会の呼びかけの下、記者会見に応じた前川氏は
「私がNHK会長になったあかつきには憲法と放送法を遵守して市民とともに歩むNHK、不偏不党で真実のみを重視するNHKを追及していく」
と抱負を語った。選挙になれば野党候補の応援演説に立つ前川氏から「不偏不党」というのも妙な話。
ご存じの通り、前川氏は事務次官辞任後は反安倍、反自民の頭目と化した。元文科事務次官という肩書き上、文教政策または宗教法人の管理指導といったテーマになるとマスコミは前川氏に殺到する。それは旧統一教会問題でも同様の現象だった。
しかし奇妙なものだ。もともと前川氏は文科省の違法な天下り斡旋に関与して、事務次官を引責辞任した過去を持つ。本来、行政監視を是とする左派にすれば「天下り斡旋」した過去は相容れないはず。ところがまるで反体制スターの如き扱いを受ける。この理由は単純明快だ。
反安倍、反自民になれば“人類皆兄弟 ”といった左派の行動原理がある。
ただ反安倍、反自民というだけで前川氏を歓迎しない左派活動家も存在する。出会い系バー通いという過去は一部だが左派からも嫌悪感を抱かれる。
現在、東京都若年被害女性等支援事業の委託費用をめぐり杜撰な会計報告が指摘される一般社団法人Colabo・仁藤夢乃代表理事。エキセントリックな言動はSNS上でもたびたび話題になるが、左派が前川氏を賛美する中で仁藤氏の評価は辛らつだ。
駒大陸上選手が17歳の高校生と性行為に及び逮捕されたことについて前川氏が大学生を擁護したところ仁藤氏から「まじでキモい」ときつい一言。無論、仁藤氏の強烈な批判は出会い系バーを含めてのことだ。
痛い過去を持つ前川氏だが左派団体、活動家、マスコミが持ち上げるのは先述した通り、安倍批判、自民批判で“有用 ”と判断されたからだろう。
場合によってはいわゆる「ブーメラン」になりかねない人物にすがる。これは同時に左派の人材枯渇を物語ってはいないか。前川氏の次期NHK会長という活動は余裕と人材のなさの裏返しかもしれない。
前川氏推進の 裏に女性国際 戦犯法廷の 活動団体
本件はマスコミ各社が報じており主催団体については先述した通り「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会」と紹介されている。
また前川氏自身も「市民とともに歩む」と訴えているが、果たして一般的な「市民団体」なのか。
前川氏を推す「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会」の署名返信先は「NHK問題を考える会(兵庫)気付」となっている。
NHK問題を考える会(兵庫)はかつての「女性国際戦犯法廷」のメンバー、賛同者がズラリ。女性国際戦犯法廷問題はNHKと浅からぬ因縁がある。
女性国際戦犯法廷とは2000年12月、VAWW-NETジャパン(「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク)が開催した民間の模擬法廷のことだ。無論、左派プロパガンダの色が濃い取り組み。
模擬法廷で北朝鮮側検事役を務めたのは北朝鮮の工作員認定を受けた人物。こんないわくつきイベントをNHKが2001年1月30日、ETV特集(NHK教育テレビ)4回シリーズ「戦争をどう裁くか」の「問われる戦時性暴力」として報道された。しかし内容が中立性を欠くとして抗議を受ける。
その後、事前に聞かされた放送内容と異なると模擬法廷出演者が主張。いわゆるNHKの番組改編問題だ。活動家に応じるかのように朝日新聞が2005年1月12日、「NHK『慰安婦』番組改変 中川昭・安倍氏『内容偏り』前日、幹部呼び指摘」との見出しをつけ報道。番組改編には中川昭一経済産業相(当時)と内閣官房副長官職にあった安倍元首相の圧力を指摘した。
安倍・中川両氏が否定したことから政治問題化したのは覚えているだろうか。
「NHK問題を考える会(兵庫)気付」は改編問題に端を発した団体で、現在の代表者はVAWW-NETジャパンの西川幸氏だ。
先の前川氏記者会見でも関係者から「NHKはアベチャンネル」と訴える。早い話が女性国際戦犯法廷問題の残党と思しき面々。女性国際戦犯法廷時代から安倍憎しである。
こうした団体をバックにした前川氏が訴える「不偏不党で真実のみを重視するNHK」とはうすら寒い。
前川氏の記者会見には大手メディアも取材し“後方支援 ”のように報じるが、「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会」の小滝事務局長の呼びかけは閑散としている。これもありがちな現象だ。
ウォッチャーはこう失笑した。
「この団体はこれまでも次期NHK会長を推薦する活動を行ってきましたよ。ただ一般的に誰も知らない人ばかり(笑)。今回は知名度がある前川氏だから報道レベルでは盛り上がっている雰囲気があるのでしょう」
それにしても前川氏推薦をめぐって浮上するのは高齢の活動家たち。
攻撃対象は「故人」という点に虚しくないものか。勇ましいアジテーションの一方で活動家たちも相変わらず「アベロス」にあるのだ。アベガーにすがる高齢者の悲哀というものだろう。
「NHK」って、「日本貧困問題調査協会」だったのか?