自民党‐旧統一教会の追及で攻勢を強める共産党。教団傘下の国際勝共連合とは60年代から対立を続けた怨念がある。あるいは歴史認識、人権問題、ジェンダー、反戦、こういった分野でも過去以上に先鋭化しTwitterなどSNSでも発信を強める。若手活動家とも連帯し“リア充感”演出することもあるが、内情は高齢化と党員減少、赤旗部数減など危機感が募る。しかも関係者によれば現状の組織構成は「60代以上の党員8割」。確実に迫る高齢化と減退には伝統の“ 科学的社会主義”も白旗というものだ。
選挙ギャルズ、統一教会批判、威勢よく見えるが…
この8月、話題になった政治イベント。共産党・田村智子、吉良よし子両参議院議員も参加した8月20日の「ラブピパレード0820」。選挙ボランティアをする「選挙ギャルズ」らが中心になったイベントだ。若者の政治参加、啓発の中で考案された「選挙ギャルズ」に野党支持者は賛同しているのだろうか。
「今の政治に物申す、ギャルによる、ギャルの主張!」「改憲、無理」「国葬、無理」 「オトナのかけひきじゃなく、ウチらのための政治をして」。涙ぐましいほどの若者アピール。ギャルというよりも“ナウなヤングにバカウケ ”が関の山。むしろ切実さが伝わる。
著者の目には敗戦末期、ついに狐狸や小鳥まで徴兵せざるを得ない、そんな印象を受けた。
選挙ギャルズのようなイベントを支持する層に「共産主義思想」「革命理論」「唯物史観」といった概念は無用。当の吉良よし子氏にそのような思想性を感じるだろうか。集団で政府、自民党、関係人物を小気味よくアジり爽快感を得たいという人々だ。
あるいは現在の旧統一教会・勝共連合批判も快哉を叫ぶに十分な素材。Twitterだけに限定すれば共産党の党勢は活況のように見える。
だが一部の議員と支持者の喧騒の裏で古参の党員たちは頭を抱える。とある地区有力幹部は「あまり外部に言ってほしくない話だが…」と当惑しつつ
「現状、60歳以上の党員が約8割なんです」
と内情を明かす。非党員だがSNS上で共産党にシンパシーを寄せる層にとっては統一教会問題で優勢かのように感じるだろう。しかし現実を知る党員は強い危機感を抱く。
「8月1,2日の両日、第6回中央委員会総会(6中総)が開催されたが、『赤旗』や『第6回中央委員会総会決定』(日本共産党中央委員会出版局)の文言を見ると危うい表現が並んでいます」(同前)
素人目には分析しきれないが古参の党員らは僅かな記述や文言を見逃さない。
「野党共闘」と「ロシア問題」二重の逆流のせい?
8月2日の幹部会報告で志位和夫委員長は
比例代表選挙で、日本共産党は、「650万票、10%以上、5議席絶対確保」を目標にたたかいましたが、得票は361万8千票、得票率6・82%、改選5議席から3議席への後退という、たいへんに残念な結果となりました。全国のみなさんの大奮闘を結果に結びつけることができなかったことについて、責任を深く痛感しています。
と先の参院選結果について反省を述べた。だが一方で野党共闘について「共産党との共闘が失敗の原因」と分析されたこと、またウクライナ侵攻の渦中にあるロシアが過去、共産主義だったことが日本共産党にも矛先を向けられたこと、この2点を共産党は「二重の逆流」と位置付けた。つまり共産党を取り巻く情勢は「二重の逆流」によって「大幅な後退を余儀なくされた」という考えだ。
野党共闘と日本共産党への攻撃は、総選挙後、さらに強まりました。支配勢力あげての「野党共闘は失敗した」、「共産党の綱領は現実離れ」、「共産党との共闘が失敗の原因」などのキャンペーンが行われました。
このように志位委員長は強調するが立憲民主党も大幅に議席を減らした点からしても共産党との協力はプラス要素ではなかった。また仮にウクライナ問題が発生しなかったとしても、共産党の評価が向上したとは思えない。
しかもこの記述には矛盾があるという。
「650万票、10%以上、5議席という目標ですが、逆流があり(反対勢力から)大きく押し込まれたという割に元の設定が高すぎたのです。後退というよりもむしろ無謀でしょう」(同前)
先の「二重の逆流」に関わらず目標自体が実現不可能だった。無謀さを「二重の逆流」へ転嫁したところでそれは現実逃避というものだ。
参院選については激戦区で唯一の現職区である東京選挙区で山添拓氏を当選させたことで後退を“ 踏み止まった”とみる他ない。
志位委員長の結語では
「二重の大激流」を全党の大奮闘によって押し返してきた意義が深められた
とまとめている。精一杯の強がりという印象だが、他党議員には「押し返してきた」という実感はないだろう。
党員数の 実数はどうなった!?
政党助成金を受け取らない共産党にとって党員からの党費、赤旗の売上は生命線である。しかし6中総で志位委員長が述べた党勢の現状について先の党員は嘆息する。
「2020年1月の第28回党大会で党勢の現状について“ 党員は27万人余、「しんぶん赤旗」読者は、日刊紙、日曜版、電子版をあわせて約100万人”と報告があったのです」
ところが6中総での党員拡大について
「党員の現勢は、党大会時比で1万4千人余の後退。「しんぶん赤旗」読者は、党大会以来、日刊紙で1万2千人弱の後退、日曜版で5万2千人余の後退、電子版で2千人余の前進とあるだけ。つまり現状の絶対数が分からないのです」(同)
党費は月収の1%、また日刊紙月3497円、よほど熱心な党員でもない限りこれだけの出費を継続するのはかなりのハードルである。「家計が苦しくても」言葉の意味は重い。
それにもう一点、Twitter上においては「共産党」にシンパシーを表明するユーザーは少なくない。この点は立憲民主党、れいわ新選組も同様。声の大きさほど党勢には影響を与えていない。こうしたSNSユーザーは先述通り、小気味のいいアジテーションに惹かれるだけで「党費は月収の1%、また日刊紙月3497円」を負担するとは到底思えない。
また共産党ウォッチャーは別の文言に着目したが、実に興味深い。
「志位委員長の結語を見ていたんですが『日本共産党の自衛隊政策ー討論での疑問にこたえて』の項目が気になりました。結語にもある通り、4月の幹部会報告で「急迫不正の主権侵害」が起こった場合、「自衛隊を活用」と表明したことを意識したのでしょう。もし批判的に記述するならば「自衛隊政策」ではなく「自衛隊問題」にするはずです」
結語には「わが党が参加した民主的政権がつくられた場合、自衛隊と共存している期間の対応」という文言がある。共産党は原則的に「自衛隊違憲」の立場を貫くが、しかし民主的政権(野党連合政府)ができた場合は容認ということだ。自衛隊について活用の余地を残したのが「自衛隊問題」なのだろう。ところが古参の党員は安全保障・自衛隊アレルギーが強い。ここ数年、野党連合と活況だったがそれには皮肉にも「自衛隊容認」という意味を持つ。
特に「自衛隊問題」についてベテラン党員らは危険視する。「村山自社さ政権で旧社会党が自衛隊を『合憲』としその後、衰退した。同じ轍を踏みかねない」(党員)
細かな記述に注目するものだと感心してしまうが
「つまり現実派と原理主義的な党員の間で非常に苦慮しているのが分かります。さすがにウクライナ侵攻を受けて“九条で守れる ”というのはもう限界があるでしょう。こうした記述からしても今後、日本共産党は普通の政党への“ 軟着陸”を目論んでいると思います」(前出ウォッチャー)
1993年の細川政権、2009年の民主党政権(民主・社民・国民)戦後2つの非自民政権にも与することはなかった共産党。ここに来て理念や政策を軟化させようというのか。
傍目には“イタさ ”だけが残った先の「ラブピパレード0820」への参加も軟化策の一端かもしれない。かつてのSEALDs自由と民主主義のための学生緊急行)との連携もまた然り。若者層を取り込む努力はしている。
「支持者だが非党員と思しき先鋭化SNSユーザー」「Twitter上のフェミニスト(ツイフェミ)」といった声の大きなネット住民の意見に共産党が“ 寄せる”姿は鮮明だ。ただし残念ながらこうした支持層が党員・赤旗購読者になるとは思えない。れいわ新選組に走るケースも多々あるだろう。
この点はTwitterに寄せ過ぎた新聞社の失態と酷似していないか。
長らく「たしかな野党」のキャッチフレーズで独自の存在感を放った共産党。ところが昨今、野党連合あるいはネットを意識しすぎ混乱を招いていないか。
悲哀すら感じる若者寄せの取り組み、そして政策の軟化、など「苦心」は垣間見えるが「60代以上の党員8割」この現実が重くのしかかる。
読み応えあり。敗戦末期のナンでも徴兵、というところは笑えました。Tks
共産党版学徒出陣ってとこか。
昔は近所に一人くらい熱心な人がいたもんだが、最近はそれらしき家もあまり見なくなったね。
震災の頃に原発に反対しつつオール電化の家に住んでる党員がいるとかいないとか変な噂もあったな。
共産党かぁ、何もかもが懐かしい・・・
TBSのサンデーモーニングをみると、若くて
誠実そうな美形のコメンテーターが出ているが、
いろいろネットで調べると、共産党系の団体(または別動隊)に所属(そして、その団体のリーダー)だよね。
いろいろな団体を作り、うぶな市民を巻き込もうとしているよな。要注意だね。
最近では、国葬反対のデモを行っている旨の報道がなされているが、あれだけのプラカード、ポスター類を用意できるのは、あの政党しかないよな。
街のコピー屋に行ってコピーをA3・1枚で2000円はか円はかかるよ
政党助成金がもらえないのが痛かったんでしょうね。
解体して助成金がもらえるどこかの政党に合流すると思います。
政治活動とは政府との援助交際です。