学術・研究:部落探訪(180) 横浜市港北区小机町

アバター By 鳥取ループ

小机駅と言えば新横浜駅の隣で、ここまで来るといよいよ横浜市の中心市街に近づく。そして、ここにも部落がある。

1934年の記録では22戸の「根崎」という部落がある。神権連の機関誌『人権のとも』2008年3月15日号に「横浜・小机」として当時の状況が掲載されている。

小机駅のすぐ間近にある、この駐車場から探訪を開始する。この場所で昼間最大料金900円はかなり安いのでは?

駐車場に入る道が狭く、入りにくいことが安さの理由かも知れない。

小机駅前は賑やかなのだが、大通りから少し外れただけで、寂れた風景がある。斜面が迫っており、道が狭い。

ただ、この場所が部落ではない。

少し歩くと、鳥居が見えてきた。

参道を登ると、神社がある。

白山、稲荷両宮とある。白山神社も稲荷神社も部落でよく見かけるが…

近くに曹洞宗の「雲松院」があるこの辺りは部落ではない。さきほどのは、部落とは関係ない白山神社であろう。

さらに散策すると、いくつか墓地があるが、いずれも比較的新しい時期に移り住んできた住民のもののように見えた。宗派は様々である。神奈川県では部落は日蓮宗、時宗。浄土真宗のいずれかの檀家であることが多いが、それらの宗派のようには見えない。

『人権のとも』によれば、戦後住民が寺に法事を頼んだら、住職が野球の試合に出るから法事は出来ないと言ったため、地域住民が怒って全世帯で寺替えしたということがあったという。なので、宗派が変わっている可能性もなくはない。

改めて地図を見ると、近くにもう1つ稲荷神社と墓地がある。しかし、そこに行くためには、一度大通りに出ないといけない。そこが部落であるとすれば、近隣地区と微妙に隔絶されているのだ。単に地形のための可能性もあるが、湯河原の部落でも見られた現象であることが気になる。

一度大通りに出た。こうやって歩くと、昔ながらの村と、駅前の街が隣接していることが実感できる。

そして少し路地にはいると、趣のある風景が。

この景色、見覚えがある。

『人権のとも』の写真と一致する。

古くからの村であることを思わせる部分もあるが、新しい家も多く、むしろさきほどの駐車場の周辺よりも寂れていないように見える。

墓地を見つけた。

宗派は浄土真宗。窪倉、原橋という名字が多い。

そして気になったのは、今も昔も浄土真宗だが、昭和30年頃から法名に漏れなく院号が付いていることだ。これは、寺替えした後の住職が誰にでも院号を付ける方針だったためと考えられないだろうか?

『人権のとも』によれば、この坂道と側壁は「支部の要求」で市が整備したものだという。何の支部かは想像の通り。横浜市は同和地区指定をしなかったが、独自の事業をしており、この辺りの道が比較的整備されているように見えるのも、そのことが影響しているかも知れない。

しかし、そのような歴史的経緯をどれだけの住民が知っているだろう。ここは完全に融和している。

墓地からさらに少し登ったところに稲荷神社がある。

これは『人権のとも』に出てくる稲荷神社だと思うが、写真とは鳥居の形が違っている。

鳥居には平成二十年四月とある。つまり2008年4月に建て直されたということ。これは、『人権のとも』の記事が掲載されたまさに次の月である。

当時は真っ白であったであろう鳥居も10年ちょっとで苔で汚れてしまう。この鳥居が出来た当時、自分はどこで何をしていただろうと、考えてしまった。

社殿の中はこのようになっている。

境内には集会所もある。

神社からは墓地と小机の街を見下ろすことが出来る。もはや被差別部落ではなくなっていた。

学術・研究:部落探訪(180) 横浜市港北区小机町」への2件のフィードバック

  1. アバター九丁目

    雲松院は俳優の内野聖陽さんのご実家ですね。
    小机に同和地区があることと、小机城がかつてあったことは関連性はあるのでしょうか?

    返信

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