今月15日、札幌市中央区で参院選の応援演説中の安倍首相に対して「安倍辞めろ」などと叫んだ男女が警察から排除された。また18日には滋賀県大津市でヤジを飛ばした男性を警官が取り囲んだという。これが報じれらると左派メディア、文化人、ジャーナリストらが一斉に批判を始めた。曰く「民主主義の否定」「ファシズム」と声を挙げるがこうした活動を容認するといずれ迎えるのはヤジ合戦ではないだろうか。こんな状況が「民主主義的」とは思えない。なんというか――サミュエル・ジョンソンの「愛国主義は不埒なやつらの最後の隠れ家だ」(ならず者の拠り所)ではないが、「帰れコールはならず者の最後の娯楽」としか見えないのだ。
このところ衆参両院選、大都市の地方選で特定の政治家に対する直接的な抗議活動、ヤジ行為が目立つ。その多くはインターネットで呼びかけられた有志が集まってプラカード、横断幕を持ち込み「帰れ」「辞めろ」と叫ぶ。特に2017年7月1日、JR秋葉原駅前で行われた都議会選街頭演説に立った安倍首相が「帰れコール」に対し「こんな人たちに負けるわけにいかない」と応戦したのは記憶に新しい。このためSNS上で帰れコールの動員が呼びかけられる時は「#こんな人たち」などとハッシュタグがつくことがある。こうした呼びかけに現地で知った有権者が合流して一団を形成するという格好だ。
ヤジ部隊は安倍首相に対する行動が盛んだが、対象になるのは首相以外に閣僚、自民党の有名議員(特に右派)となる。しかし旧民主党政権の発足前後はむしろ特定の民主党議員に対するヤジコールが多かった。特に「永住外国人地方参政権」の推進派議員などは格好の餌食である。
あるいは印象的なのは4月28日に行われる「主権回復記念日国民集会」ではかつて政界の重鎮、亀井静香元衆議院議員が登壇すると一斉に罵声が起きるという現象が起きた。すると「今、ヤジを飛ばしたアナタ、私とむこうで話をしようじゃないか」という具合で応戦するのは一種の風物詩でもあった。この時にヤジを飛ばしている参加者を見ると確かに愛国者たちはどこか「ならず者」的に見える風体であった。
だが一方、このところ左派、つまり安倍帰れコール側の方にも少なからず「ならず者」はいるようだ。
7月7日、東京・中野駅北口。この日は現在、参院選東京選挙区から立候補をしている丸川珠代候補の応援演説に安倍首相が登壇した。前日からツイッターなどで中野に安倍首相が来るという情報が「#会いに行ける安倍晋三」「会いに行ける国難」といったハッシュタグ付きで拡散。このため首相が到着する以前から続々とアンチと思しき有権者たちが集まってきた。日曜日の午後、雨の中なのにその熱意は頭が下がるが、反面、他に楽しみはないものかと不思議でもある。
「しんぞー来るの、しんぞー」「あいつを追い出せよ」
20代後半ぐらいの男性がこう言いながら警官やスタッフなどに絡んでいる。顔が赤い。どうもアルコールが入っているようだ。なにやら演説のようなことを叫んでいる。知的・理知的かというと決してそんな様相ではない。明らかに「ならず者」風ではある。
そして首相が登壇する。「帰れ」「やめろ」こうしたコールが木霊する。
ある者はマスク、サングラスなどでしっかりガードしている。この日は雨だから聴衆は傘をさしている。プラカード、横断幕、傘の入り乱れ。横断幕とビニール傘が混じり合うのはまるで東京ヤクルトスワローズの外野席のようだ。
ヤジに関わっているのはおおかた30~50代ぐらいの男性が中心だ。隣にいるだけで臭う衣服の者も必死で帰れコールをしている。目が点になった者(メンタルに問題がある)、様々な人間模様がここにはあるのだ。歯が溶けている者もいる。家庭環境が悪く歯科医にかかれなかったのか? 自民党支持者と思しき女性はヤジ隊に対抗して自分が持参した応援プラカードを見せつけている。しかし相手は男で多勢に無勢。ささやかな抵抗にだった。
ちなみに自民党側がこのような組織だった動員でヤジ行為を行うこともある。
2012年3月31日、細野豪志元環境大臣ががれき受け入れキャンペーンで京都駅で演説をしていた時、自民党員たちが市民に混じりヤジを飛ばしていたとは前に書いた。だからヤジ行為については「お互い様」といったところだろう。
だが「帰れ」「辞めろ」といって一体、どんな成果があるのだろうか。「反アベの声を届ける」という評する人がいた。届いているかもしれないが、その結果、どう変化があるのか分からない。あるいは1000人が「帰れコール」をしたら首相を退陣しなければならないというルールがあれば、動員もまた意味があるのだろう。しかし「帰れ」といって首相が「帰ります」というわけでもなし。街頭で「辞めろ」と言われて辞める政治家がいるはずもない。
要するにガス抜き以外、何の成果もない。あるいは日々の不満や鬱積を「帰れ」「辞めろ」コールで晴らすというのならばそれもまたよしだ。これが政権にとってダメージになっているとは到底、思えない。むしろ支持者の結束を促している気もする。さらに過去の自民党の行動パターンを鑑みてもらいたい。不適切発言は往々にして支持者、支援者に囲まれた中で発生するものだ。つまりは有頂天だからこそそうした軽率な発言が起きる。
本当に打倒・安倍、打倒・自民というならばむしろ気持ちよく語らせるべきだ。そうした中で必ず妙な発言が出る。特に麻生財務相など火薬庫を抱える現政権。黙っていてもむこうから転がってくれる可能性があるはず。ところが帰れコールの面々はむしろそうした自民党の「抑止力」に堕している。陰謀論は好きではないが、むしろ自民党がマッチポンプでサクラを集めたのかとすら思う。決して得策ではない。仮に帰れ、辞めろといったところで自分たちの満足のいく社会はやってこない。
「行動が大事」というかもしれない。しかし帰れコールが始まってから何か一つでも日本社会が好転したことがあっただろうか。「自分も何か政治参加できた」という泡沫の充足感と空いた時間を「埋めた」という人生のジグゾーパズルのちょうどいいピースが見つかっただけ。本当に得をするのはヤジ部隊を擁護して自らを社会の善導者と演じられる新聞、ジャーナリスト、論評家という人々だけだ。
もしこうした行為が許されるのならば保守層、ネトウヨという人々が野党の演説を妨害したとしても文句は言えない。お互いがヤジを応酬し合うという極めて下品な構図が待っているだろう。もちろん政権にとって痛くも痒くもない状況である。
この中に選挙権を持つ人がどれだけいるのか疑問です。
自民こそ、かつて「動員」をかけて民主にヤジ飛ばしまくってたじゃねぇかよ。
どの口が言うか、だわクソ安倍信者が。
よく読んでください。自民のことも指摘してます。問題はお互い様ということではありません。ならこれから与野党の支持者が協力してアベのとこに100人行くなら枝野には200人でヤジだ、いやそれなら仕返しに麻生のとこに300人だ、とヤジ戦争でもらやるつもりですか? これが賢い有権者とは思えません。でも学者さんや文化人がヤジを推奨してるのは信じられません。同じプラカードや横断幕を作るならもう少し皮肉がきいたり、政策に関わること、スキャンダルでもいい、その方がメッセージとして伝わるとおもいますよ。帰れと言われて、帰る政治家は世の中いません、
>自民こそ、かつて「動員」をかけて民主にヤジ飛ばしまくってたじゃねぇか
あなたこそ記事を読んでからコメントすべきでは?↓
>ちなみに自民党側がこのような組織だった動員でヤジ行為を行うこともある。
>2012年3月31日、細野豪志元環境大臣ががれき受け入れキャンペーンで京都駅で演説をしていた時、自民党員たちが市民に混じりヤジを飛ばしていたとは前に書いた。だからヤジ行為については「お互い様」といったところだろう。
御都合主義も、貴様らまでいくとキチ◯◯だな。
その、クソ自民が「動員」したゴミどもは、刑事告発されたのか?
ま、そんな思考回路だから、クソみたいな人生歩む結果になったんだろうけどな。
「帰れ」コールより褒め殺しの方が効くみたいですね。皇民党事件のとき円形脱毛症になった竹下登の反応からすると。
キモい奴がわいてるな
お願いだから外にでないで自分の妄想の世界に居てね。
馬鹿が釣れたわwww
関係ないんだけどさ、俺「釣り」とか「釣り師」っていうのは、「疑似餌」でうまいこと騙して釣り上げるもんだと思ってたんだけど、最近自称釣り師がダイレクトで自分の本音を攻撃されて「釣れた!」とか言ってるの多いよね。「釣れた釣れた~」って言いながら、自分が海に落っこちて魚に食われてるみたいな感じ。
知性のかけらもない馬鹿が、知性を語るとか、面白いねーwww
そのまんまの人が出てきてて、なるほどなぁと思う。
言葉悪いね。
結局、政治がどうこうでなく、攻撃しやすい対象があるから攻撃しているだけなんだよね。
救いようがないですな、アナタ
日本にいるのだから反日の意見が排斥されてしまうのは当然ですね。