「風車 風が吹くまで 昼寝かな」
とは文官で唯一、A級戦犯となり死刑になった広田弘毅元首相が左遷時代に詠んだ歌。過酷な東京裁判の判決を受け入れ無言で責任を負った―――そんな姿に現在でも広田を心酔する政治家は少なくないが、その一人が解散寸前の民進党・前原誠司代表なのだ。「名より実を取る」9月28日、両院議員総会で前原氏は、こう述べ「希望の党」への合流を表明。自分に風が吹くまでは“昼寝”して待てず、安易に希望の党の”風”にすがってしまった模様。どうやら広田の境地までには至らなかったようだ。
そんな前原氏が活路を見出した希望の党は「改革保守」を党是とし“しがらみのない政治”を目指す。この点、決して従来の前原氏の主張と齟齬はないかもしれない。しかし“しがらみがない”と言いつつ、当の本人が「同和」という“しがらみ”をお持ちなのだ。
前原氏と言えば安全保障問題に精通するタカ派議員という顔もある。他方、同和と在日というフィルターを通すとまた異なる顔が浮かび上がる。在日コリアンとの関係でいえば2011年、外相時代、京都市内の韓国籍女性から政治献金を受け取っていたこともまだ記憶に新しい。前原氏は、この一件で、外相を辞任するに至った。
さらに「同和」との関係となるとこれまた縁が深い。というよりもズブズブと言ってもいいだろう。京都府議時代から、同和問題についてはライフワークとしており、同和推進副委員長も務めていた。また国会議員に転じてからも部落解放同盟の集会、京都府連定期大会、荊冠旗びらきにもたびたび出席している。もっとも現在のプロフィール欄から京都府議時代の「同和推進副委員長」の職歴は削除されているが、現在も同和、解放同盟との関係は続いている。
今年1月11日、恒例の部落解放同盟京都市協議会荊冠旗びらきに出席した前原氏。こうした新年の鏡開き自体は、地元選出の議員であるためのお付き合いだ。だが企業絡みだと話は別。6月16日、前原氏は、京都府部落解放センターで開催された部落解放京都府企業連合会(京企連)主催の第42回定期総会に出席したのだが、ここにミソがある。
通常、同和マニアなら京企連と聞いてピンとくるはずだが、まず普通の人は聞きなれない団体のはずだ。
全国各地にある「企連」、しばしば同和問題企業連絡会(同企連)と混同する人がいる。同企連は、一般企業が加入する団体で、同和問題を中心に人権問題に取り組むことを目的とする。主な活動は、運動体が推薦する研究者、運動家、役員などによる研修、講演会だ。もちろん講演謝礼が出るため、ちょっとしたボーナスになる。この通り、一見は企業研修、学習の場という性格を帯びる。しかし実質は、企業活動上、もし人権問題のトラブルが発生した際の防波堤といったもの。つまり会費の対価として人権問題のトラブルを処理してもらえるわけだ。
対して「企連」は、同和地区に位置する企業、あるいは同和関係者が経営する企業、また団体に推薦された企業で構成される。いわば同和企業の集合体なのだ。では企連の主な役割とは何か? それは「節税対策」のための団体なのだ。
同企連の場合、名だたる大手企業がズラリと並ぶが、企連の場合、中小零細企業が大半だ。だから納税するにも会計士に依頼するのも負担となる。そこで企連に所属する企業は、団体を通して申告することで減税することができる。
本誌が確認した地域の場合、県庁の関連施設の一室に集められ、所定の書類に署名捺印する程度で厄介な申告が済む。中小零細企業にとってはとてもありがたい存在なのだ。もちろん企連に加盟するには会費も発生するため、決してタダではないが、それ以上のメリットがあることは言うまでもない。
しかし関係者は言う。
「企連に入ったはいいが、抜けるのは並大抵ではない」
さてこれが何を意味するのかは、もう想像にお任せ、としか言いようがない。
希望の党が言うところの「改革保守」「しがらみを排除」という主張がどの程度、本気なのか分からない。それに中国、韓国、北朝鮮、在日コリアンに対しては、やたらお勇ましい日本の保守派だが、同和になるとなぜか借りてきた猫状態。もしこのまま希望の党が有力政党になった場合、この同和事業に対してどの程度、手を突っ込むのかは不明だ。
しかし万一、その手が同和に伸びた時に、前原氏周辺も賑わしくなる気がしてならない。
よく見つけられましたね!感動。
分裂して総選挙も近いし、民進党とはなんであったのかを検証するにはいい時期なのでもう少しこの辺りの人脈を検証していこうと思います。
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