森友学園・籠池一族と稲田朋美をつなぐ裁判の謎

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By Jun mishina

※写真は住之江区内の旧開成幼稚園児童教育学園。公道を使った花壇に批判の声も。

「森友学園」の国有地売却問題をめぐり23日、籠池泰典理事長が衆参両院予算委員会で証人喚問された。籠池氏は、改めて安倍昭恵首相夫人から100万円の寄付金を受けたことを証言した他、その他の保守系の政治家の関与も主張した。籠池氏の証言を聞くと「政治家から梯子を外された」という思いが強いようだ。確かに森友学園問題が発生した後の保守政治家、保守文化人の梯子の外しっぷりは、苦笑する他なかった。だから籠池氏の不満は、心情的に理解できる部分もある。しかしこの人物の証言を安易に信じていいものか。改めてその過去を探ると、不可解な点が多いのだ。

これまで籠池氏と政治家の関係は、複数の名前が浮上した。中でも稲田朋美防衛相が森友学園の訴訟の弁護士を務めていたことも大きく報じられた。同訴訟は、2004年12月、森友学園が「大阪市信用金庫」(現・大阪シティ信用金庫)に対して大阪市淀川区内の土地と建物の抵当権抹消を求めたもの。森友学園側の弁護は、当初、稲田朋美氏と夫の稲田龍示氏、辰野たつの文彦ふみひこ氏の3名が担当。結果は、2006年12月19日、学園側と大阪市信用金庫の間で和解となり、抵当権抹消が認められた。結審した時、弁護人欄から朋美氏の名は、消えていた。

裁判資料を見ると原告は、籠池真美、籠池康博となっている。すでに多くの人がご存じだろう。籠池真美とは、籠池理事長の妻、籠池諄子氏。また康博とは、他でもない籠池泰典氏だ。籠池諄子氏の人となりについてもいくつかの証言が報じられたが、夫妻が在住する豊中市内の近隣住民は、こう話す。

「嫁の方は、ご近所で”あれはカダフィや”と言い合っている」

カダフィとは、リビアの指導者、カダフィ、ムアンマル・ムハンマド・アブミンヤール(故人)のこと。言われてみると確かに似ている気もする…。

それは、さておき、訴訟内容を見ていくとどうしても”疑問符”が払拭できないのだ。

抵当権については、同学園の創立者、森友もりともひろし氏の時代に始まった。寛氏は、1989年4月14日、旧大阪中央信用金庫(後に大阪市信用金庫と合併)から1億3530万6393円を借り入れた。この際、学園が所有する淀川区塚本4の土地・建物を抵当に入れた。また寛氏が理事長を務めていた社会福祉法人ポートタウン福祉会ポートタウン保育園は、同金庫から同年4月14日に1億4683万3033円を借り入れている。

そして登記上、塚本4の土地が抵当権設定されたことから、籠池氏らは、その抹消手続きを請求したのである。そして訴えは、認められたが理由は、こうだ。

「原告は、教育基本法、学校教育基本法に従い学校教育を行う目的を達成するため塚本幼稚園を設置することを寄付行為とする学校法人であり理事の債務について原告所有の不動産をもって抵当権設定契約を締結することは寄付行為の目的外であり抵当権設定は無効」

というわけだが…。学園の土地が抵当権設定できないことは、金融機関ならば分かっていたことではないのか。にも関わらずなぜ旧大阪中央信用金庫は、これだけの資金を貸したのか。和解した2006年11月30日の段階で総額1億円超の債務が残っており、おそらく現在も返済が続いていると見られる。著名人を招き講演会を開催し、雄弁に国論を語る籠池氏だがその懐事情は”火の車”ではなかったのか?

さらに大阪府OBがこう推測する。

「旧大阪中央信用金庫は、役人の有力な天下り先だった。この融資にも政治力が働いたのでは?」

なにしろきな臭い話には事欠かないのが大阪の行政。梯子を外したのは、果たして政治家だけだったのか!? 一方の籠池氏、過去、稲田防衛相が学園の弁護士を担当したことについては、明かしたものの訴訟内容については、詳細を語っていない。籠池氏と行政、政治の関係は、まだ闇がありそうなのだ。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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