ネットの電話帳事件裁判が続行される

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By 宮部 龍彦

昨年の8月に京都の島崎弁護士事務所によってプライバシー侵害で提訴されたネットの電話帳。6月27日に仮処分が取り下げられ、本訴も取り下げになってしまうのではと懸念されていたが、裁判が続行されることになった。

第1回の口頭弁論で訴状の陳述がされないまま休廷扱いになっていたが、先月8月19日に京都地方裁判所で審理を再開。その場で島崎弁護士は、ギリギリまで迷ったが、やはり訴訟を続行する旨を表明。さらに、今後ネットの電話帳側が裁判の書面の公開してはならないという趣旨の請求を追加した。

今までは個別の書面とネット上のアドレスを示して個別に書面の公開を禁ずる請求をしてきたが、それでは埒が明かないということで、包括的な請求をしたものである。

これに対し、裁判官は、執行係に負担がかかってしまう、実効性がないのではといった理由で、請求内容を整理するように苦言を呈した。

全国部落調査事件では解放同盟側が包括的な文書の公開の請求を申し立てて、あっさりと仮処分が認められたのとは対照的である。この違いが「同和」の威光があるかどうかによるものなのか、単に裁判所・裁判官による違いなのかは不明である。

そして、今後の事件の審理は「弁論準備手続」に付されることになった。これで。しばらくは非公開で審理が続けられ、時期は未定であるが、然るべき時に口頭弁論が再開されて、双方の主張が公開されることになる。

そこで、ネットの電話帳は、京都まで出頭する必要のない、電話による手続きを希望。裁判官はやや難色を示したが、そこは押し切って電話による手続きが決まった。

あらゆる点で異例なことの多いこの裁判は、こうして続けられることになった。

「ネットの電話帳事件特設サイト」で検索すると、これまでの経過を見つけることが出来る。

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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