本来は億超えの官製談合事件のはずがなんと11万円の詐欺で告発⁉ 津市は30日、記者会見を開き上下水道事業局職員2名が特定の業者が水道工事を行ったかのように偽装し、業務委託料を騙し取ったとして詐欺容疑で被害届を出したと発表した。本来は巨額の発注が問われるべきだが「詐欺」で幕引き狙いと囁かれる。
事件の幕引きと 議会の質問封じ
(これまでの経緯)
津市の水道工事事業に参入してからわずか3年で億超えの受注に至った新英工業と関与する水道局職員を追跡したレポート。
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津市では通常、旧津市地区は津市水道指定事業者協同組合を通じて業者に工事が発注されるが、昨年4月から今年3月までの発注額は新英工業が1億250万1千円で断然トップ。通常、上位は多くとも3~5千万円台なのだが、新興の新英工業が老舗業者をごぼう抜きした。
官製談合の疑いもある他、前代未聞の巨額随意契約といったものだ。
新英工業へ発注が偏重している点について水道工務課に問うたところの回答を再掲する。
維持、修繕に係る業務については、市民への安定した水道水の確保を行うため、津市水道指定事業者協同組合と業務委託契約を締結しており、業者の選定については、組合側が組合業者へ連絡する場合と、組合の当番表に基づき津市側が組合業者に連絡する場合があります。後者について組合業者によっては、日程等の調整を理由として断られる事が多く、新英工業株式会社は昼夜を問わず業務を受託し履行した結果だと考えます。
2位と倍以上の受注額を計上した異常な状況でもまるで“ よくがんばりました”といった見解。本来、不公平感を持つ業者、加えて市議らも巨額発注を問題視してきた。ところが僅か11万円の詐取による被害届に関係者の苛立ちは募る。つまり新英工業への巨額随意契約は不問ということだ。
しかも通常、組合経由の仕事は業者の当番制。ところが新英工業は非番の時にも受注していたケースが一部業者らの間で確認されたという。水道工務課がいうところの“昼夜を問わず ”とはまるで水道業者版「おしん」のような言い様だが十分な検証があったとは到底、思えない。
相生町事件にも通じる市OBは「自治会長問題と同じ。事件の幕引きと議会の質問封じでしょうね」と漏らした。
広報部「御社の報道とは 直接関係ない件です」
では問題は誰がこれだけ異常な発注を画策したのか、だ。
発注の裏には技能職員3名(そのうち一人が告発された技能長)が関与していることを早期に把握。第一報当時、この点についても市側に伝え、検証を求めた。
ところが記事掲載後、津市側は関係業者に工事の記録簿などの提出を求めたという。もちろん無関係の業者にとってははた迷惑な話。「筋違い」「職員を調査するのが先ではないか」といった疑問が漏れ伝わったものだ。
それから本件は津市議会9月定例会でも議員から質問があり、市側は報告書を作成するとの情報を得ていた。その報告書をもって検証は終了かと思われた。しかも同時期は市議によるセクハラ告発も発生し、水道問題の関心はかき消された格好だ。だが事態が急変したのは10月30日のこと。
「水道局に関する記者会見が開かれる」との情報提供を受けて、同市広報部に確認してみると「御社の記事で書かれた内容とは直接、関係ありません」との説明だ。もしや他に巨額発注があったのかとの予想に反し、意外な内容というわけだ。
今年4月と6月に行った水道止水栓の取り替え工事で男性技能長A(51)が実際は男性技能員B(31)に工事をさせたにも関わらず、新英工業が工事をしたように偽装し、業務委託料約11万円を騙し取った詐欺で被害届を出す。こんな発表である。
なるほど確かに筆者が報じた内容と異なる。内情を知る人々にすれば到底、納得できるものではない。「11万円のはずがない!」との関係者の憤りは当然だろう。つまり市側は今年4月以前の新英工業への発注分は問題視しないということになる。
さらに不可解なのは3名の職員が関与したと先述したが、そのうち詐欺が問われたのは技能長Aのみ。しかも中心的な役割を果たす首謀格は別におり、Aはその補佐的な立場だ。これまで浮上しなかった31歳の技能員はむしろ“生贄 ”としか思えない。
奇しくも弊舎が報じた津市相生町自治会長事件では幹部職員は刑事罰を逃れ、市民館長に責任転嫁したことに酷似しないか。
前日に異動を 命じられたA、B職員
急転直下の被害届。
「最初は新英工業への発注問題に関する報告書を発表すると思いました」(市関係者)
もっとも報告書程度ならば市のWEBサイトに掲載すればいいだけの話。被害届の発表直前に異変があったと先の市関係者は話す。
「記者会見の前日(29日)津市水道工務課長がA、B職員を呼び管理課に異動を命じたのです」
管理課とは水道局における人事部門である。技能現場から離籍を求められたのだ。早い話が“待機 ”といったイメージだろうか。
詐欺を問われる両者だが技能員B職員については「真面目でウチの若い連中にも丁寧に接しています」(市内水道業者)との人物評の一方で「片田浄水場勤務時代、対人関係で問題視されたと聞いています」(前同)という評価も。
対して取材当時から名が挙がってきたAについては“うさん臭げな ”証言が相次ぐ。
「Aは高校時代は素行が悪いことで有名でした。それでも水道局に就職できたというのは元市議の口利きで水道局に入ったと聞いています。それに彼は相生町出身者。このため同和雇用枠で入局したとも囁かれてきました」(知人)
実は首謀格よりもAの方が金にまつわる話が多かったと知人は指摘する。
「Aはここ2年で300万円のバイク、人気が高い旧車のソアラ、ハイエースを購入しています。公務員の給料でこんな“爆買い ”ができますかね?」
Aのバイク、自動車購入については関係者の間でも広まった話。業者からの「キックバック」が疑われるのはいうまでもない。だがそうした背景を差し引いても首謀格の技官については“不問”というのが不思議でならない。
「実は首謀格は相生町事件が起きた頃から“不安だ ”といって鬱を訴え出したのです。9月定例会の最中、入院しています。鬱か、あるいは糖尿病とも聞いています。ところが鬱という割にパチスロを打つ姿がたびたび目撃されています」(市幹部)
それでも首謀格が追及されないのは「彼(首謀格)がいないと水道事業が回らなくなる、という判断でしょうね」(同前)という事情がある。
まだ謎は尽きない。
「新英工業の親族が去年4月、水道局に入局したのですよ。事件に直接、関係があるとは思いませんが、利害関係者だから適正な人事だったのか疑問です」(市関係者)
こうした人事からしても“黒幕 ”の存在を匂わせる。
もちろん今回、詐欺を問われたA、B、そして新英工業の3者が事件の核心ではないのは明白だ。小さな不祥事(11万円詐取)を切り取り事件化し、大きな闇(巨額随契)を逃がす――。相生町自治会長事件でも発揮された“ 津市スキーム”が再現されたのである。
「津市スキーム」 うまいこと言いますね。
相生町の掲示板の件も、市職員が自作して設置。申請書も市職員が書きあげ、判子だけあのお方に押させ、すべて承知の上で決裁してカネを渡す。
事件発覚後に「市はだまされた」と被害者ヅラし「市は悪くない」と辻褄を合わせるのはもはや伝統芸能の域かと
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しかも微妙に相生町事件が絡んでいますからね。
新英工業に発注が偏った理由を明らかにして対策するのが市役所幹部や議会の役割のはずだけど、相生町関係者が絡むと腰がひけるのかも。またウヤムヤにされそうですね。
市役所内同和恫喝からもうすぐ10周年、これからも定期的に同じ様なことが繰り返されると思う。
示現舎で10周年の記念取材を希望します。
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いったい地元のメディアは何をしとるんじゃ。
腐ってるのは役所だけじゃない。
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