【政局】矢田補佐官の 滋賀訪問に 連合も困惑!「大津市入りは Xで知った…」

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By Jun mishina

国民民主党元参院議員で連合傘下のパナソニックG労組、電機連合出身・矢田稚子氏が内閣総理大臣補佐官(賃金・雇用担当)に起用されたことが波紋を呼んでいる。メディア、アンチ自民からは“ 野党分断”の声も。当の矢田氏も古巣と決別したのか9月23日、滋賀県大津市入りしても連合をスルーしていたのだ。

旧民主党と 連合に距離

旧民主党系の国民民主党、立憲民主党にとって連合は最大の支持基盤だ。選挙応援はもちろん政策立案、党運営でも連合の意向は無視できない。民主党政権の発足の直前、党代表と連合会長、また官房長官と事務局長の定期会談が決められた。両者の関係が蜜月であるのと同時に連合の意向を無視しての党運営はありえないということだ。

ところが連合のスタンスもここ数年、変わりつつある。昨年4月18日に開催された自民党本部の会合に芳野友子会長が出席したことは話題になった。

そして連合から支援を受ける国民民主党もかつてのような対決姿勢ではなく、自民との連携を模索中だ。矢田起用は自民・国民の共闘をより現実的にしたとしてメディアを賑わしている。

以前の記事で電機連合組織候補の国民民主党議員の選挙調整さえつけば連立政権入りの可能性が高まることも指摘した。

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矢田氏が政権中枢とパイプを持つのは国民にとっても好都合。だが本来、自民としては連合との関係作りで矢田氏に期するものがあったはずだ。ところが補佐官就任早々、矢田氏に対して「やり方が拙い」「大人げない」「不義理すぎるのではないか」と連合関係者の恨み節が漏れ伝わった。

国民・川端達夫顧問の 地元、大津市入りも…

国民民主党代表選の決起集会で前原氏の応援演説に立つ川端氏。

賃金・雇用対策の補佐官としてすでに始動している矢田氏。今月23日、自身の「X」に滋賀県大津市の日本電気硝子、滋賀労働局への訪問について投稿した。滋賀県は内陸工業地県として製造像が盛んだ。このため各種メーカーの労働組合が多いため長らく「民主王国」と言われた。三日月大造知事も民主党出身者だ。

自民党にスカウトされた矢田氏が民主王国・滋賀に乗り込んだのだ。投稿を見た政治記者は困惑したという。

「大津市というと東レ労組の組織候補で国民民主党顧問の川端(達夫)さんの地元でしょ。連合傘下の団体には挨拶をしたんでしょうかね」

川端氏が現職の頃は東レ大津工場前に巨大な川端氏の看板が設置されていた。

同氏は旧民主党政権で文科相、総務相を歴任し、現在は党顧問として活動する。党の重鎮だ。今月2日の国民民主党代表選に立候補した前原誠司氏を応援するなど現執行部とは距離を置く。

党先輩の地元、そして矢田氏出身の電機連合支部もある。「賃金・雇用」対策の専門家としては連合とのパイプを活用しても良さそうなものだが…。しかし事情は違っていた。

連合関係者は憤る。

「矢田さんからの挨拶? いえ、こちらには全く連絡はありませんでした。川端さんの地元でもあるし何らかの接触があると思いましたが…」

かつての身内、電機連合役員も呆れ顔だ。

「実は矢田さんの大津市入りはX(旧Twitter)で知ったほどなんですよ。どんな思いって。特に言うことはありませんが…」

視察先の日本電気硝子は電機連合滋賀地方協議会に加盟する企業だ。しかし地元労組とは全く無関係で視察したようだ。厚生労働省滋賀労働局のHPにも同社の取り組みが紹介されていることから、厚労省主導の視察だったのではないか。

官邸スタッフ入りした以上、連合に伺い立てる必要もないだろう。にしても古巣が大津入りを知ったのはSNSとは世知辛い話。自民と連合のパイプ役を期待されたはずだが、かえって反発を強めてしまった補佐官サマなのだ。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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