曲輪クエスト(275)香川県 丸亀市 土器町東 二軒茶屋

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By 宮部 龍彦

香川県の被差別部落―現地研修報告―に掲載されている部落には、全国部落調査に掲載のないものがある。同資料によれば丸亀市には指定同和地区が3つあり、さらに1つ未指定地区があるとしている。

3つの指定地区のうち「A地区」は既に紹介した金山である。「C地区」は島嶼部にあるということなので、これは本島ほんじまの部落であることは間違いない。

「B地区」には隣保館と児童館が併設された「総合センター」があり、遠くに丸亀城をのぞむ川沿いにあり、堤防と塩田に囲まれた低湿地帯であったという。

この条件に合致するのは土器町東しかない。ここには「二軒茶屋総合センター」があり、丸亀城から離れた川沿いにある。そして、明治期から戦後まもない頃までの地図では海側に広い塩田がある。

現地を訪れた。地名表記は土器町東であるが、前述の総合センターや自治会名として二軒茶屋の名前が残っている。

間違いなく、この辺りに二軒茶屋の村があったはずだが、ご覧の通り大東建託等のアパートが建っている。市の中心部から近いので、いくらでも入居者はいるだろう。

避難場所として総合センターが明記されている。

古くからの村があった形跡も残ってはいるが、立地が良いのでかなり開発が進んでいる。

これは同和施設がなければ、部落とは気が付かないだろう。

そもそも、部落ではないのではないかという気もする。全国部落調査に掲載されていないだけでなく、大正時代に作られた香川県の部落調査表にも掲載されていない。

まず「二軒茶屋」が部落ではないのでは?明治から昭和初期にかけての地図をみると、二軒茶屋の中でも塩田に囲まれた、やは隔絶感のある一角がある。

その場所の現在の様子がこの通りだ。太陽熱温水器が搭載されたニコイチが並んでおり、区画整理され、あからさまに同和地区であることが分かる。長らく放置された自動車があるのも、香川県の他の同和地区と同様の例に漏れない。

つまり、二軒茶屋自治会の範囲が部落というわけではなくて、二軒茶屋の端にある、塩田の労働者の飯場のようになっていた一角が同和地区指定されたということなのではないか。

とすると、廃墟があるこの一角も部落の範囲外という可能性もある。

曲輪クエスト記事について、「そこは部落ではない」と地元の方から言われることがある。そのような場合、区画整理され、公営住宅が建った一角だけが部落というのはよくあることだ。

総合センターには水平社宣言の一節がある。これであからさまに同和施設と分かるのだが、本当にこの地区は、それと関係があるのだろうか。

身も蓋もないことを言ってしまうと、戦後まもない頃までは部落とは認識されていなかったのに、塩田が衰退したことによる、労働者の救済のために同和事業を利用したに過ぎないのでは?

記録によれば陰湿な差別として「ねたみ意識」があったというが、古い公営住宅のある同和地区内と、新しいアパートが建つ周辺地域を比べれば結果的にそのような指摘が的外れであったことは明白だ。同和地区指定しなければ、同様に大東建託のアパートが立ち並んでいた可能性が高い。

かつての同和事業に対する批判は「ねたみ意識」ではなく、むしろ逆で、将来を見据えたまっとうな忠告であった。

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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曲輪クエスト(275)香川県 丸亀市 土器町東 二軒茶屋」への26件のフィードバック

  1. 匿名

    塩田労働者の救済との考察はなかなか面白いですね。
    もしそうなら今まで自分たちも差別していたであろう本来の部落民と同じ括りにされてしまう気持ちはどうだったんだろうか。
    たとえ差別されても生活苦から抜け出したいと甘受したのか、それとも同じ括りになっても俺たちはやつらとは違うと差別心を持ち続けていただろうか・・・

    返信
  2. 爆笑

    宮部さん こりゃあんたイカンよ

    道路交通法違反を犯しながら、
    道路交通法違反を得意そうに非難する

    こりゃ誰が見てもいかんわ

    爆笑モン

    返信
    1. 朴一

      コロナが治まりかけて叩く相手がいないから、ここでクダ撒いてるのか。情けない奴等だ。

      返信
  3. 匿名

    宮部さん
    匿名の悪あがきは見っともないですよ。
    誤ったら、正せば良いだけですよ。

    もしくは、今後所轄の警察署に道路使用許可を取るのも良いでしょう。

    今のまま、左側歩行で録画していると、解放同盟どころか警察に注意されますよ。

    返信
    1. 匿名

      そんなことで
      注意されねえよ
      学校の廊下逆走して
      叱られるのは小学生くらいのもんだ
      バカじゃねえの

      返信
      1. 匿名

        馬鹿はお前さん。
        誰も見てなければセーフ、
        見て見ぬフリされたらセーフ

        そんな人が、世の中を悪くするのですよ。

        まぁ、通報したら警察は必ずくるでしょうね!
        過去の録画も見せらば常習性もあるのですよ。

        とにかく、真っ当な取材をしたらいかがてすかね。

        情けないお人ですよ、

        返信
  4. 匿名

    塩田労働者の救済のために同和事業が利用されたとの
    宮部さんの推理ですが。
    根拠や裏どりが何もなされておりません。
    こんなの流布するのはイカンですよ。

    返信
  5. 姑息な宮部

    都合の悪い コメントは削除しちゃいましたね
    ジャーナリストとして恥ずべき行為です。

    返信
    1. 匿名

      本当ですね
      私のコメントも削除されてます。
      静岡に浄土真宗を信仰してる人のいる部落もあると
      宮部さんのユーチューブに反論しておいたのですが、、、

      返信
  6. hiro

    はじめまして
    土器町の田潮八幡宮鳥居前に「不許觸穢者入」と
    彫ってあった石碑(明治9年建立)、いつ頃無くなったのか
    その石碑をどうしたのか、調べてほしかったのですね
    仏教のみならず神社も差別していたんですね

    返信
    1. スギナの佃煮

      この石碑を問題にしたのは『図説部落問題 第1』(汐文社 1965年 p.131)からのようなのですが、この「觸穢」という文言は、女性の月に一度のことや出産後、身内が亡くなって服喪期間中などを指している気がします。
      もっとも、これが革作りや屠殺を含んでいなかったかと問われたら不勉強なもので何とも言えませんが、侮蔑の意図があれば、「者」ではなく「輩」としたのではないかと思います。
      なお、この『図説部落問題 第1』の写真の注釈も「”けがれたものは入ってはいけない”という考えかたは宗教上ながくうけつたえられてきた一般的なものだが、そういう考えと、部落差別はしっかり結びついている」となっていて、被差別部落民は入るなという解釈で直接的に問題視しているわけではありません(なおこの本では「田湖神社」と誤植しています)。

      #e76ba31473620bfb01e2a510f8a4bcb6

      返信