学術・研究:部落探訪(185) 東京都昭島市拝島町4丁目

カテゴリー: 部落探訪 | タグ: | 投稿日: | 投稿者:
By 宮部 龍彦

拝島と言えば青梅線の乗換駅として有名だが、駅から少し離れたところに部落がある。昭和初期の記録では26軒、地区名は「第6区」と記されている。ここにも白山神社があり、弾左衛門配下の穢多村であった。

一応東京都下なのだが、都心からかなり離れていることもあって、埼玉県や神奈川県の地方都市と雰囲気は変わらない。

近くには小さな自動車用品の販売会社やリサイクル会社がある。

そして、奥多摩街道沿いに小さな神社がある。何神社なのかは書かれていないが、これは紛れもなく白山神社である。

白山神社の前には小さな空き地があり、周辺には古い家がある。

古い家、新しい家が入り混じっているが、確かにここが古くからの農村であった痕跡がある。

ここは墓地。戒名から推測すると、多摩地域の他の部落と同様に、時宗であろう。宮川、宮松、宮崎など「宮」のつく名字が大部分である。

「文政」と書かれていることから、ここが間違いなく古くからある墓地であることが分かる。

ただ、周囲の家の表札を見ると、宮のつく名字とそうでない名字が入り混じっており、融和していることが分かる。

白山神社近くの住民に聞いてみると、神社の氏子は現在20軒ほど。昭和初期の記録と大きく変わっていないのが意外だった。神社の氏子と町内会は別で、町内には多くの移住者がいる一方、神社の氏子は古くからの住民だという。氏子の戸数はほとんど減っていないのだが、若い人は出ていくので、今では老人ばかりになってしまっているそうだ。

ここも一見すると、ただの都市の一角に過ぎないのだが、そこにかつての農村が埋もれており、しかも高齢化が進んでいるということなのだ。都市の農村も田舎の農村も事情は変わらないということか。

かろうじて昔の部落の様子を偲ぶことができるのは、今が最後のチャンスなのかも知れない。

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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