マスク50枚1000円以下も 中国製使い捨てマスクの 価格下落が始まった

カテゴリー: 経済 | タグ: , , , | 投稿日: | 投稿者:
By 宮部 龍彦

ご承知の通り、コロナ禍でマスクの価格がうなぎのぼり。しかし“アベノマスク”配布の効果か、最近は市中にマスクが出回り始め、飲食店までもがマスクを売っている状況だが、50枚2000~3000円程度が相場となっている。

さらに筆者は50枚1100円で中国製の使い捨てマスクを買うことが出来た。コロナ禍前に比べれば高額ではあるが、今となってはかなり格安と言える。その流通ルートについて取材すると、マスク価格の下落には“アベノマスク”とは別の要因、中国における「政策」と「対策」にあることが見えてきた。

日本国内でマスクの価格が高騰した原因は、コロナ禍による国内での需要急増と、主な生産地である中国がマスクの輸出を禁止したことによる供給の急減である。しかし、4月上旬頃から中国のマスク輸出規制が徐々に解除され始めた。

ご承知の通り、日本では小売されたマスクの転売が禁止されている。そして、中国政府もマスクの輸出を検査機関による証明を受けた正規の工場から、海外の法人向けだけに限定している。

そのような正規のマスクは、一度に万単位で購入しなければならず、頑張っても原価は50枚で1650円くらいになるのだという。

とすると、お察しの通り筆者が手に入れたマスクは非正規のルートで入ってきたものである。このマスクを中国から輸入した人物はこう説明する。

仕入れは中国人ご愛用の淘宝網(タオバオ)を使いました。

少なくとも2年前の時点で淘宝網は中国国内限定だったはずですが現在は海外発送も実施しているようです。

但し商品は全て中国語の表記で説明、販売側も海外発送はお断りというのも多いのと、ご承知の通り日本では「そんなこと当たり前だろ」というサービスが抜けていることが多いので、購入前には先方との交渉(やり取り)が必要です。

今回に関して言えば、「在庫があるのか?」「海外(日本)発送は出来るのか?」「送料はいくらになるのか?」といったことを、私からいくつかの店舗へ中国語で確認した上での購入です。

タオバオとは、かの有名なアリババグループ傘下のECサイトである。主に中国国内での企業間、企業―消費者間での取引に使われており、一部の業者が海外発送にも対応している。

とは言っても、海外発送していると明示されているのに、いざ注文してみると断られて、海外発送の文言が消されているということもあったそうだ。

タオバオのようなECサイトが急成長したのは、偽物や詐欺が横行する中国でいかに信頼性の高い取引を成立させるかということ主眼に開発されているためで、昔にくらべれば、はるかに詐欺に合う危険は低くなった。とは言え、このようなサイトを日本人が使うには、中国語だけでなく中国の商習慣についての知識が必要になる。素人であれば多少割高になっても、日本人向けの購入代行業者に頼むのが安全ということだ。

金額の単位はもちろん人民元

タオバオを覗いてみると、多数のマスクが売られており、安いものは50枚入りで600円台(!)で買える。無論、日本から買うためには輸送費がかかる。実はこの送料が意外と馬鹿にならない。中国国内への配送は「即日発送・無料!」といった店舗が多いが、海外発送の場合、今の航空便事情からEMSが使われることが多く、マスク50枚だけの購入でも、最低でも送料だけで1000円以上かかることになる。

中国国内では青いマスクが人気だが、日本でよく売られている白いマスクはやや割高になるようだ。サイトを見るにあたって、次の単語を覚えておくと理解の助けになる。

「口罩」…マスク
「一次性」…使い捨て
「三层」…三層
「現貨」…在庫あり
「熔噴布」…不織布
「可发国外」…国外発送可

ただし、タオバオで売られているものが必ず正規の工場で作られているとは考えられない。品質もそれなりで、「合格証」が添付されているのにも関わらず、耳にかける紐が片側だけ付いていないものが混じっていたそうだ。ただ、ちゃんと三層構造になっており、全般的には日本の路上や飲食店等で現在売られているものと大差ないように感じた…というか同じものではないのかと思う。

また、個人が日本から購入することは、中国政府の規制に違反する可能性が高い。4月下旬頃はタオバオで普通に購入できたのだが、5月に入ってからは決済の段階で販売不可とされるケースが出てきているようだ。中国政府の政策が個人向けECサイトにも及ぶようになったと考えられる。

マスクを買おうとしたら、法令により国外発送できませんと出てきてしまった

しかし、前出の人物によれば「「上に政策あれば下に対策あり」の国ですので、買おうと思えば買えるとは思いますけどね…とりあえず今回必要なマスクは確保し足りてますしそこまで交渉・確認はしていません。」ということだ。

マスクの増産が続いている中国で、今後規制が緩められることはあっても規制が強化されることは考えにくいし、その前に民間の「対策」も進むと考えられるので、マスクの供給の増加と価格の下落が進むことだろう。

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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マスク50枚1000円以下も 中国製使い捨てマスクの 価格下落が始まった」への4件のフィードバック

  1. 遠州屋

    京都のマスク事情です。5月7日の連休明けから市内中心部でマスクが溢れ出した印象です。4枚入り、7枚入り、50枚入りなど数量はさまざま価格もさまざまで平均すると約60円/枚くらいのものが多いようです。品質については購入していないので分かりませんが、パッケージには三層としてあるものが大半でした。市中に人手が少ないせいか、飛ぶように売れる様子はなく、至る所で山積みとなって居酒屋・焼き鳥屋の店頭を飾っていました。もちろん行列などできていませんでした。飲食店など、収入減をカバーすべくマスク販売に手を出したと思いますが、貴重な現金を失い、マスクが売れ残る結果にならないように願うばかりです。

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  2. マスクマン

    会社で2週間ほど前に百貨店に注文した@46円のが、ちょうど今日届きました。

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  3. 岸和田市民

    AOKIのマスク(ベトナム製←メールで確認済)でいいんじゃないでしょうか?
    5枚1000円で30回洗える。
    30×5=150 1000÷150=1回6.6円
    AATCC=米国繊維科学技術・染色技術協会の認可取得
    抗菌効果が30回洗濯しても持続します

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  4. 耕作員

    近所のマルエツに50枚¥2,950 が山積みになったので、マスクを買いに新大久保まで探検に行くのは止めにしました。

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