3月12日に東京地裁で第8回の口頭弁論がありました。
解放同盟側の準備書面はこちらです。
原告-準備書面7-H30-3-12.pdf
当日の様子は、詳しくはこちらをお聞きください。
示現舎側では主に次のことを主張しました。
最近、部落地名総鑑事件の後に国会で問題となり回収されていたはずの同和地区精密調査報告書がグーグルブックスで公開された。同和地区精密調査報告書は部落地名総鑑事件の前に3回作られており、いずれも秘密扱いされた形跡はなく、初期のものはむしろ積極的に頒布されていた。この種の文書が秘密かどうか場当たり的に判断されてきたのではないか。
原告近藤登志一が全国部落調査を所蔵していた社会事業大学附属図書館に圧力をかけ、同図書館の同和関係の書籍がデータベースから消された。全国部落調査の出版禁止の影響は被告だけでは終わらず、同和地区の地名が書かれた書籍を所蔵する全国の図書館が訴訟リスクを抱えることになるのではないか。
「肉屋で「それ四つ下さい」などといいながら指で四を示したら、裏方に連行され暴行・殺害されるというのは本当でしょうか?」とヤフー知恵袋で質問された件が差別事件だというが、これに抗議した部落解放同盟東京都連が人間を牛になぞらえたCMを作った企業を屠場労組と一緒になって糾弾しており、解放同盟自身が部落に対する偏見を具現化するような行為をしているのではないか。
解放同盟東京都連は皮革業者の税務対策で設立されたもので、部落出身でない人も入っていると過去の文献に書かれている。解放同盟は偏見をなくそうとするどころか、皮革業や食肉業は部落産業だという偏見に便乗しているのではないか。
部落を暴力団と結びつけるような発言は差別だというが、原告近藤登志一が取材に応じているイギリスBBCの記事には「暴力団組員の約3分の1は被差別部落の出身者だ」と書かれている。部落を暴力団と結びつける偏見の出処も解放同盟ではないか。
自分が部落出身と分かるとショックを受けるというようなことを言っているが、それは過去に解放同盟が批判した「丑松根性」と変わらないのではないか。
部落の土地が忌避される「土地差別」があるというが、大阪市では同和事業を止めた途端に同和事業用地が民間に払い下げられて宅地が開発されて売れている。京都の崇仁では解放同盟が土地開発の障害になっていたという証言がある。土地差別ではなくて、同和事業や解放同盟が同和地区の土地取引を阻害していたのではないか。
同和地区の境界は特に都市部では不明確だったことが同対審答申や同和地区精密調査報告書に書かれており、後で解放同盟と行政が境界を作ったのではないか。
解放同盟は「レイシズム」という言葉を使っているが、これは人種や民族に対する差別を指す言葉で、これを部落差別に対して使うのは誤っている。過去に北原泰作が部落民は異人種であるというような言説を偏見であると批判している。
原告片岡明幸は差別主義者というのはその通りだからそう言っただけで、自分はよいが身内が困るといった片岡の陳述は結婚差別の理屈と変わりがない。被差別部落出身という出自を主張して差別主義者の立場から逃げているのではないか。一人の「人間」として訴訟に向き合ったらどうか。
解放同盟関係者に刃物が送りつけられたというが、普通に生活していれば刃物が送りつけられることはなく、任侠の世界のように感じられる。被告らが関与しなくても原告らの周囲では常軌を逸したことが起こるということではないか。
福岡県では同和地区施設に同和地区の小字名が冠されており、その一覧を市町村が公開したものが福岡県人権研究所理事長に「部落地名総鑑と同じだ」と評された。少なくとも福岡県ではとっくに部落地名総鑑がネット公開されていたということなのでは。
一方、解放同盟側は原告らが「被差別部落出身者」であることを証明するために、公正証書等なんらかの書類を提出するということを前回まで言っていましたが、それについては今回は有耶無耶にされました。
また、解放同盟側からは証人尋問をするように申し出がされており、これが35名、各20分です。実際にやれば合計12時間くらいかかるので、1日では終わりません。また、解放同盟は示現舎側に対する尋問も希望しており、示現舎側から申し出ないなら解放同盟側からするということでした。
これについては、実際に行うかどうかも含め、弁論準備手続で検討することになりました。
5月28日がその期日になりましたが、弁論準備手続は小さな部屋で非公開で行われます。弁論準備手続は1回で終わるかどうか分からないので、いずれにしても傍聴可能が口頭弁論はしばらくは行われない見込みです。
今年の後半になるか、来年になるかは分かりませんが、口頭弁論の期日が決まれば、改めて告知します。
>部落を暴力団と結びつける偏見の出処も解放同盟ではないか
これはそもそも偏見ではないでしょう。松本治一郎にしてからが、暴力団梅津会の梅津高次郎の舎弟分だったわけですから(『公安百年史―暴力追放の足跡』453ページ)。
『週刊文春』2011年7月14日号が報じた、松本龍の妻の姉の夫が「北九州市に本拠を置く指定暴力団の最高幹部である」件、ぜひ取材してください。
部落と暴力団に結び付きがあるというより「部落解放同盟」が暴力団と関係するということですね。
まあ、そこは同和会も日本同和清光会も崇仁協議会も…といったところですね。全解連の村崎義正も、更生したとはいえ若い頃の素行は褒められたものではありませんでした。
付け加えると、西山広喜と松本英一・松本治一郎・上杉佐一郎の結びつきも見逃せませんね。猪野健治『日本の右翼』にいろいろ書いてあります。
単刀直入に聞きますが、弁護士に依頼せず、裁判に向かって不安はありませんか?
受任する弁護士がいますか? 解放同盟相手の訴訟に強いのは自由法曹団ですが、示現舎の味方はしないでしょう。
弁護士に依頼したら安心というわけでもないんです。
部落民というのは元々異民族だったのではないでしょうか
ワザワザ同民族をいちいち差別するとはどうしても思えません。
彼らが「レイシズム」という言葉を使うのもそういう自覚があるからなのではないでしょうか。
いえ、少なくとも近代以降の部落問題は民族問題ではなく、経済的格差の問題です。
近世以前では、朝鮮からの渡来人など異民族起源との伝承がある部落もありますが、それはごく一部の部落のことで、部落問題全般に言えることではありません。