菊池山哉は次の通り記している。
○岩槻城の高台、平和な環境である。街道筋ではない。
○白山神、参道があり、大木はないが、木立ちはある。
○農家二十二戸ばかり。棕梠表を熱心に産出する。
○伝説はないが、神社や個人の屋敷でも、裏は崖地で、其処に貝塚がある。表面採取では、姥山式や勝坂式と思はる。中期なものが多い。然し精査して見たならば、安行式のものも、必ずやあるものと思ふ。
○墓場には、全く墓石も、何んにもない。木立と竹薮の中へ、埋葬する。そこに小石があるのと、無いのとあつて、暫くすると、誰がどの辺に、埋葬されたやら、分らなくなる。真に「奥つ棄へ」の感あるもの、大和の香久山、耳成山付近の村と、似て居る。

明治期の旧和土村を見ると、すぐに木曽良という集落が見つかる。現在の地名では岩槻区府内と城南にまたがる辺りだ。

これが、菊池山哉が記した白山神社。

参道はあるが、木立はない。かつては農村で、周囲には林や田畑があったはずだが、1980年代以降開発が進み、今は見る影もなくなった。



白山神社は今も大切にされていることが分かる。

ところで、さいたま市や桶川市の曲輪クエストについて、また行政から法務局に対する削除要請がされたようである。さいたま市では担当部署の部長が、桶川市では市長までもが法務局に出向いたそうである。

筆者はさいたま市や桶川市からは何も言われていない。毎度のことであるが、部落解放同盟から市に申し入れ、市が法務局に削除要請の代行を依頼するという、毎度のパターンである。もはや儀式化されている。おそらく、それらを取りまとめたURLリストが東京法務局から私に送られてくることになるだろう。

一方、埼玉県の部落差別解消推進条例を罰則付きにしようという動きがあると聞く。馬鹿げたことである。戦前にもなかったような言論統制を今の時代にやろうというのであろうか。菊池山哉が現代に現れたら、逮捕するつもりなのか。

本音は、部落差別解消が目的ではないことは分かっている。単に部落解放同盟が怖いから。そして、同和行政の誤りを認めたくないということであって、単に関係者のメンツを守りたいからではないか。

全般に、埼玉の古村では豪邸が多い。豪邸の持ち主はだいたい古くからの住民だ。首都圏の昔からの地主であれば当然のことだし、古村が歴史的に農業以外の仕事をやっていたということは、現代ではむしろアドバンテージである。

さいたま市も桶川市も、久喜市などがやったように、部落解放同盟と絶縁すればよいのである。いや、埼玉県自体が絶縁すべきである。十数年前に深谷市や本庄市などが解放同盟と絶縁したが、それによって部落差別など起こっておらず、むしろ面倒がなくなって、よいことばかりだったではないか。


何とかして曲輪クエストを犯罪にしたいようであるが、そもそも条例によって何を規制するのか。部落を探訪して発表することを規制するのか?そうであれば、部落だと明示しなくても犯罪として扱うのか?それとも、埼玉県内の部落の一覧を条例に明示して、ここを探訪したら犯罪だとでもいうつもりなのか?

おそらく、やるとしたらその辺りの議論を飛ばして、また裁判所に判断を丸投げするのだろう。一昨年、いわゆる「留守番禁止条例」案が反発のあまり取り下げられたように、昨今は立法のレベルが落ちている。深い思慮もなしに、理念だけで押し通すようなことがまかり通っている。
都合の悪いことや難しい問題から目を背けて、人の口を塞ぐことに執着するよりも、議論や思考の方法を学ぶべきだろう。
宮部さんにおちょくられて憤怒発狂しているアタオカ委員長の私闘、腹いせ、復讐。今回の出来事は、それ以上でもそれ以下でもありません。
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